第2章3話 ストロの課題
更新遅くてすみません…
一応1週間に1回はあげたいとおもってます。
思ってるだけかも
歓迎会の翌日、この日から通常モードとなり、第4部隊、第8部隊ともにせわしなく働きだした。相変わらず、第8部隊の面々は顔を合わせる度に心地よい挨拶をしてくる。中にはスケルトンが飲んだ酒はどこに消えたんだと煽ってくるオークもいたが嫌味を感じなかった。これはただのコミュニケーションの一環だろうとスカルは推察した。
作業自体は滞りなく進んでいた。困りごとが起きてもすぐにブリックとウッドが解決案を提示してすぐに実行させていた。さすがの2人というものだった。
スカルには特に仕事が舞い込むことはなかった。スタリフを知らないだろうからとルラーには見回りという名の散歩を命じられていた。
通路を歩いているとブリックが私をみつける。ぐんぐんと寄ってきて相変わらずの爆音で訓練の申し入れをしてきた。退屈していたところだったのでブリックの後ろにいたストロも誘い、訓練をすることになった。
訓練では武器の扱いの向上を目的に魔法なし、武器ありでの打ち合い形式となった。そこにはウッドとブリック、そしてストロの3人がそろっていた。第4部隊からはルイが参加していた。手合わせはまずストロとルイからとなった。
「よろしく頼むよストロ」
「よっよろしくお願いします」
ブリックの合図で手合わせが始まった。ルイは得意武器の鎌を構える。ストロは槍を構えた。どちらも木製で安全には配慮した形だ。
先制を仕掛けたのはルイ。素早く距離を詰め、下段から繰り出される鎌の切り上げにストロはぎょっとするも紙一重に躱す。そのままルイとの距離を作るために横薙ぎをする。ルイはそれに対して、ジャンプで躱し、今度は振り下ろして攻撃を行う。しかしストロは横に躱し、その流れで突きを数度見舞う。ルイはすべてを躱しストロの懐に踏み込むと鳩尾に鎌の柄の部分を打ち込んだ。ストロは蹲り勝負ありの掛け声が響く。
その姿を見て、ブリックはストロに惜しかったなと励ましの言葉をかける。しかし彼はそれを真に受けることは無かった。
スカルは感心してみていた。ルイの数度の攻撃を彼は見えていた。あの鋭い攻撃を目で追えるものはいったい人類でどれぐらいなのだろうか。本当の上澄みぐらいだろうと推測できるあの攻撃を距離を取って対策するどころか紙一重で意図的に躱していた。
「さぁ俺らの番やな。スカルとの手合わせ楽しみやってん。よろしくな」
「こちらこそ、胸を借りさせてもらう」
ブリックと訓練場の中心に向かう。ウッドはストロの介抱をしていたが羨ましそうにブリックを見ていた。ウッドもスカルという強い新参者と自分のどちらが強いのか気になっていた。しかしブリックの強い要望でこの組み合わせになった。
スカルは片手剣を構え、ブリックは右手に片手斧、左手に盾を構えた。
「今日の気分は斧って感じやな。あと盾がないと落ち着かないから使わせてもらうで」
「心得た」
その後ウッドから手合せの開始合図が出たが2人は動かない。しばらくしてふうと息を吐き、しびれを切らしたのはブリックだった。盾を構えたまま突進した。スカルは素早く右に避けた。しかしさらに右側から斧の横薙ぎが飛んできた。ブリックは盾を支点にターンをして斧をスカルに届かせていた。体を横に倒すことで回避し、その流れで足払いを試みる。ブリックは脛で受ける。
「軽い一撃やな」とドヤ顔をするブリック。
「兄貴、今本物なら足切れてるからダメやで」
「おっとすまん。受けられると思った攻撃はあえて受けたくなるねん」
「技術の訓練につき、次はご容赦願いたい」とスカルは言い放つと地面をけり、再び打ち合いが始まった。ブリックは大きな盾を巧みに使い、攻撃をいなしていく。スカルも負けじと攻撃をかわしながら細かい攻撃を重ねていく。その姿をみたウッドとストロは驚きを隠せない。
「ほんとに兄貴と互角にやりやってるよ」
「ブリック兄さんがこんなに長く打ち合ってるの初めて見たかも」
「驚くのはまだ早いぞ。あいつはまだ本気でやってない」とルイが誇らしげに言う。
そして二人の剣撃が鳴り響く中、ジーンが訓練場に入ってきた。
「訓練をしているところすみません。トラブルが発生したのでご相談をさせてくれませんか」
「おお。なんや今楽しいところやからわいたちのこと気にせず、話してくれ」
「承知しました。武器搬入班が魔物に襲われて1陣が壊滅的状態になってしまいました。アイアンリザードの仕業らしく、その討伐を誰かにお願いしたいです。まだあと2陣残っているため、経路確保が急務なんです」
「そりゃよくないな。そしたら……ストロお前行ってくれへんか」とスカルと打ち合いながら返答を返す。その返答に一番驚いたのはストロだった。それを聞いたスカルは後に続いて答えた。
「そしたら私も同行しよう」
「そりゃありがたいわ。これで安心して任せられる。よろしく頼むわ」
「引き受けた」
打ち合いをしていた二人はスカルの返事を皮切りに手を止めた。ジーンは今回のトラブル先の情報をスカルに渡し、ルラーへの報告のために訓練場を後にした。
「ストロを頼むで。自慢の弟やねん」
「心得た。ストロとともに解決してくるさ」
「そりゃ心強い」
スカルとストロはあっという間に準備を終えて、スタリフを出発した。出発直後に今回の経緯をストロと共有を行った。武器搬入班が移動中、アイアンリザードに襲われた。しかもかなりの数だったため、搬入班の防衛では対応できず崩壊し生き残りがスタリフに到着し今回の事案が発覚した。アイアンリザードは金属を好んで摂取するため今回運ばれた武器の金属の匂いに釣られてきたと予測された。そのため第2陣、3陣も狙われる可能性があるとのこと。その2陣、3陣には今回の情報が届いていないため討伐は急務となった。
「アイアンリザードとは戦ったことはあるか」
「一度もありません」
「そうか。今回私は同伴するが表立って対応するつもりはない。ストロ、お前に頑張ってもらおうと思っている」
「ええ! 僕一人でアイアンリザードの大群を相手にするんですか!」
「その通りだ。どうしてもやばくなったら私も手伝おう。ストロには強くなってもらわないとな。勇者を倒せるくらいにな」
「僕が倒せるわけないじゃないですか」
「いや倒せるはずさ。さっきのルイとの訓練では手を抜いていただろう」
「何言ってるんですか。全力の全力ですよ」
「躱すときの体捌きの鋭さ。槍での攻撃が大きなダメージになるところを避けるように撃っていただろう。そして頃合いを見てわざと攻撃を食らい負けたふりをしていたな」
「そんなつもりは……」
「無意識か……。重症だな」
二人は現場に到着した。第1陣の武器搬入班の荷馬車の残骸が散らかり、荷馬車にあったであろう武器たちが食い荒らされていた。そして生存者がいないか確認したが誰一人いなかった。スカルは痕跡を探し、アイアンリザードが移動したであろう方角を割り出した。その方角に歩み始めてすぐに大きな横穴を見つけた。ちょうど順路からは死角になっており、発見できないのも頷けた。
「ここから入るぞ。それと出会い頭も当然あるから引き締めていけ。もう一度言っておくが私は手伝わないからな」
「そんな……」
警戒を強めながら横穴に二人は入っていく。入ったあとすぐに洞窟内の雰囲気を感じ取る。スカルには洞窟内の魔素の濃度が異常に濃いことが分かった。
「気を付けろ。何かがおか」
突如大きな影にスカルは洞窟の奥に連れ去られてしまった。




