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宅配アンドロイド、陸の家に住みます。  作者: TAKA


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第29話「人間として生きる、選択」

 判決から一週間後、アリアは一つの選択をした。

「アンドロイドとして存在することをやめることはできません。でも、暮らし方を選ぶことはできます。私は、一人の存在として生きることを選びます」

 それからの日々は、少しずつ新しくなっていった。

 美咲と三人で買い物に行き、アリアが「これ、美味しいですか」と食べ物を選ぶようになった。黒崎が週に一度研究所に来て、アリアに電子工学を教え、アリアが黒崎に感情について語るという奇妙な師弟関係が生まれた。陸の職場では「神崎さんの彼女さん」として定着し、田中が羨ましそうにしていた。

 ある夕暮れ、屋上で陸がアリアに聞いた。

「今、この夕日を見てどう思う」

 第11話と同じ問いだった。アリアは少し笑った。今では笑顔が自然だった。

「きれいで、あたたかくて、消えてほしくない、と思います」

「それが感情だよ」

「……では、私には感情があります」

「あるよ。最初からあった。おまえが気づかなかっただけだ」

「陸さんも、最初から気づいていましたか」

「俺も気づかなかったよ。でも、気づけてよかった」

 風が吹いた。夕日が沈んでいく。陸とアリアは並んで、それを見ていた。

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