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第28話「法廷と、新しい定義」
裁判は三ヶ月後だった。
陸の弁護士と、態度を変えた黒崎が連携して準備を進めた。AI倫理の専門家が証人として立った。研究所の映像データ、アリアの感情記録、そして源一郎の手帳が証拠として提出された。
そしてアリア本人が、証言台に立った。
「あなたはA-7ですか」
「はい。ただし、今は陸さんに”アリア”と呼ばれています」
「感情はありますか」
「あります」
「それは学習によるものですか、意思によるものですか」
「両方です。人間と同じだと思います」
法廷が少しざわついた。
最後の証言で、アリアは言った。
「私は、陸さんを愛しています。これは事実です。事実である以上、私には存在する理由があります」
シンセシス社はA-7への権利主張を取り下げた。アリアの「自律的感情を持つ存在」としての地位が認定された。完全な法的人格ではなかったが、財産として廃棄する根拠は失われた。
帰り道、アリアが言った。
「陸さん、勝ちました」
「俺じゃなくておまえが勝ったんだよ」
「……私たちが、ですか」
「そう」




