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第25話「限界突破、そして沈黙」
翌朝、アリアは感情モジュールの完全解放を実行した。
黒崎と弁護士、そしてシンセシス社の法務担当者の前で、アリアは自らの意志と感情を証明していった。愛着、恐怖、喜び、悲しみ——ただのデータではなく、それぞれの文脈と理由を持った感情として。
黒崎は押し黙った。法務担当者が何度も計測機器のデータを確認した。
アリアは最後に言った。
「私は、陸さんを選びました。消去されることを選ばず、ここにいることを選びました。これは意思です」
室内にいた全員が黙った。
そのとき、アリアの動きが止まった。
緩やかに、でも確実に。膝から崩れ落ちそうになったのを陸が支えた。
「アリア」
「……陸さん。少し、眠ります」
「眠らなくていい。起きてろ」
「感情モジュールの過負荷が……すみません、陸さん。好きです」
目が閉じた。
「アリア!」
どれだけ呼んでも、答えが返らなかった。陸はアリアを抱えたまま、動けなかった。
「寝てるだけだ。絶対寝てるだけだ。起きろ、起きてくれ——!」




