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第24話「告白、誤作動じゃない」
第24話「告白、誤作動じゃない」
感情モジュールの解放を翌日に控えた夜、研究所の奥の部屋に二人でいた。
外は静かで、虫の声だけが聞こえた。
「陸さん」
「なに」
「私はあなたのことが好きです」
陸が顔を上げた。アリアがまっすぐにこちらを見ていた。
「これは学習データの偏りではありません。感情モジュールの誤作動でもありません。私が、判断したことです」
「……」
「反論がありますか」
「ない」
「では」
「俺も」と陸は言いかけた。「俺も……」
続きが出てこなかった。なぜ出てこないのか分からなかった。何かが詰まっている。喉ではなく、胸の辺りに。
「陸さん」
「……俺も、お前のことが——」
廊下でガタッと音がした。
二人が振り返ると、ドアが少し開いていた。隙間から美咲の手がのぞいていた。隠れているのに、身体が震えていた。
「……なんで美咲がいるんだ」
「様子を見に来ただけ、です。続けていい。私は何も聞いてない」
声が泣いていた。美咲が「なんで私が泣いてんの」と自分でツッコミを入れた。
陸は苦笑しながら、アリアの目を見た。
「お前がアンドロイドだとか、そういうことは関係ない。俺は、お前が好きだ」




