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宅配アンドロイド、陸の家に住みます。  作者: TAKA


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20/30

第20話「祖父の研究所へ」

 手帳に書かれていた住所は、電車で一時間ほどの郊外にあった。

 日曜日の朝、陸とアリアは二人で電車に乗った。住宅地を抜け、田んぼが広がる道を歩き、古い工場の裏手に回ると——錆びたシャッターの建物があった。

「ここだ」

 鍵はかかっていなかった。シャッターを上げると、薄暗い空間に機材が残っていた。棚には瓶や部品。中央に古いデスクと椅子。壁に貼られたままの設計図。

 アリアが奥の旧端末に近づいた。

「接続を試みます」

 しばらくすると、画面に光が戻った。ファイルリストが表示される。その中に「A7_message.mp4」というファイルがあった。

 再生すると、カメラの前に老人が座っていた。陸の知っている、でも随分と老いた祖父の顔だった。

 そしてその隣に、幼い陸が座っていた。七か八歳頃だろうか。画面の外を見て、笑っている。

陸、おまえが一人でないことを、じいちゃんは祈っている。

 それだけだった。映像はすぐ終わった。

 陸の目が赤くなった。

「……陸さん、泣いていますか」

「うるさい」

 声が震えていた。アリアは黙ってそのそばにいた。それで十分だった。

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