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宅配アンドロイド、陸の家に住みます。  作者: TAKA


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13/30

第13話「誕生日プレゼント、計算中」

陸の誕生日まで一週間。アリアはそれをカレンダーで確認した翌日から、街に一人で出かけるようになった。

 「最適なプレゼント」を導き出すための調査だった。まず陸の所持品リストを作成し、既存品と重複しないものを洗い出す。次に行動データから趣味嗜好を分析する。データ上の最適解は、高品質な腕時計だった。

 しかしアリアは腕時計の売り場の前で、長い時間立ち止まった。

「これは陸さんを幸せにしますか」

 自分に問いかける。データ上は「はい」だった。でも何かが「はい」と言い切れなかった。

 美咲に相談した。美咲は「りっくんが一番嬉しいのは、覚えてもらってることだと思う」と言った。

 アリアは家に帰り、自分のメモリを全て検索した。陸との会話全て。陸の表情の変化全て。陸が笑った瞬間全て。

 そして、一枚の紙に手書きで書いた。

 陸が十年前に行ったライブのセットリストを、会話データの断片から全曲再現した一枚のメモ用紙だった。

 誕生日の夜、アリアはそれを差し出した。

「……なんでこれ、分かったんだ」

「全部、記録しています」

「いつ、こんな話したっけ」

「入居三日目の夜、陸さんが昔のライブを思い出して話してくれた七分間のことです」

 陸はしばらく、そのメモを見ていた。

「……なんでこれが一番嬉しいんだろうな」

「私にも分かりません。でも、そうなってほしかった」

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