第10話「美咲、真実を知る」
美咲がアリアの正体を知ったのは、偶然だった。
陸が仕事に出かけた後、美咲が「りっくんにプリン届けてくる」と鍵を借りて部屋に入ると、アリアが充電ケーブルを首の後ろのポートに差したまま、ソファに座っていた。
「……え」
アリアが目を開けた。「美咲さん、おはようございます」と平然と言う。
「それ……なに」
「充電ポートです。電池残量が低下したため、充電していました」
美咲はプリンを持ったまま固まった。陸が帰ってきたのはそれから一時間後だった。リビングで美咲とアリアが向かい合って座っており、美咲の目が赤くなっていた。
「美咲……」
「聞いた。全部」
「ごめん、言いにくくて」
「……なんで謝るの」
美咲はアリアを見た。アリアはまっすぐに美咲を見返していた。
「美咲さんは陸さんの幸福に重要な影響を与えている人物です。だから私は、あなたを受け入れます」
「……そんな言い方する人、人間でも滅多にいないわよ」
「私は人間ではありません」
「分かってるよ」
美咲は目をこすった。「なんかこの子、ずるい」とつぶやく。
「人間じゃないのに、なんでそんなこと言えるの」
「……なぜでしょう。私にも分かりません」
美咲はしばらく笑いながら泣いていた。陸はプリンを三つ皿に出した。




