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典型的な悪役……?

評価を……、評価を下さればやる気メガ盛りMAXです(欲しがりお化け並感)

レーヴェンマルク子爵家領 暗晦の森



「見たところ、力を過信した良家の令嬢といったところカ……? 安心するがよイ、二人纏めてそっ首刎ねて、仲良く魔物の餌にしてやル! あの世でミジメに啜り泣くんだナ! イヒッ、イヒヒヒヒ!!! さぁーー、死ねイッッッ!!!」


 全てを諦めて目を閉じるキリカとエミリア。

 そんな二人の命を嬉々としてまさに奪わんとする、暗晦の森の主キョウカ。

 さわさわと風が森を駆け抜けてゆく音が響く中、キョウカの手にする大鎌がついに限界まで振り上げられる。


 ーーしかし、すぐに振り下ろしてしまわないのが彼女の常だった。


 愉悦に浸りきった恍惚の表情を浮かべ、命を刈り取るこの瞬間を心ゆくまで愉しみ尽くすのだ。

 絶頂にも決して劣らぬ、全身を駆け抜けるようなぞくぞくとする快感。

 脳内麻薬が有り余る程に分泌され、身体は痙攣しっぱなしで、口角はこれ以上ない程不気味に上がってしまう。

 あぁ、そうだ、そうであるさ、そうであるとも。

 だからこそ、だからこそ人殺しはやめれらない。

 最高に悦に入れる、この瞬間こそが何よりもたまらないのだ。


 特にーー、貴様らのような身の程知らずを恐怖で支配し尽くし、絶望で顔を歪ませた後などはナァッ!


 そこまで考えを巡らせた後、キョウカはとうとう微塵の容赦もなく凶刃を振り下ろすのだった。



 --が。



xxx



 ーーガキィン!


「ナッ……!?」


 キョウカが勢い良く大鎌を振り下ろした瞬間。

 突如眩い光を纏った"何か"が大鎌の軌道上を通り過ぎ、キョウカの大鎌は鈍い音を上げて回転しながら宙を舞ってゆく。

 キリカとエミリアはその異変に気付き、思わずぱっと目を見開くが、未だ状況は把握できていなかった。


 やがてザクッと大鎌が刃から地に刺さるがーー、キョウカがすぐに拾うことはなかった。

 何故ならばーー



 いかにも悪役と言わざるを得ない、黒の目出し帽で顔を覆う、キリカ達と同世代程の少年が目の前に堂々と佇んでいたからだ。



xxx



「またもや餓鬼カ。いやしかシ……なるほどナ……」


 キョウカは少年に少しも動じることなく再度不気味な笑みを浮かべた後、先程と同じように目を細めて実力を見定めていく。

 キョウカのこの落ち着きは至極当然のことだった。

 何故ならキョウカは見た目こそ見目麗しい美少女だが、齢は百をゆうに超えており、歴戦の古豪といっても差し支えなかったからだ。

 だからこそ、己の斬撃が予想外の妨害を受けたこの不測の事態でも、これほど余裕を保っていられたのだ。


「貴様がこれまで我の放った魔物を退治してきたようだナ。……しかシ、なんと面妖な姿ダ。まさかその姿で御姫様を救出すル、正義のヒーロー、白馬の王子様気取リ、というつもりではあるまいナ?」

 

 そうして余裕の表情で目の前の少年を煽ってゆくキョウカだったがーー

 相対する少年も、全く引けを取らず、恐れなど全く感じていない様子でにやりと笑みを浮かべた。

 いや、それどころかーー、キョウカが全く予想だにもしない発言を自信満々で口にしてゆくのだ。


「フッ、勘違いしてもらっては困るな。天が呼ぼうが! 地が呼ぼうが!! たとえ人が泣き喚いていようが!!! このトーリス=ガリノ=マスクマンことトーリス仮面は己の欲望にのみ忠実に生きる! 暗晦の森の主であるお前を打ちのめし、攫って高く売り飛ばしてやるために現れただけだ! こんな子供達など知ったことかよ!」


 トーリスと名乗った少年の、あまりにも最底辺の、己の利益しか考えていないであろう正真正銘の見下げ果てた根性。

 それは暗晦の森の主として長久の年月を過ごし、己に挑む様々な人間を無残に惨殺してきたキョウカであっても不快極まりないものであり、顔を思わず顰めてしまう程だった。

 

「なんという痴れ者ダ、興が削がれたワ! もうよイッ! 失せロッッ!!」


 だからこそキョウカは素早く大鎌を拾い上げ、速やかに排除しようと試みるのだがーー



 男の思惑も、実力も、そして当然予想のつくはずもない真の正体までもーー、この時のキョウカには知る由もなかったのだ。

トーリス仮面の正体は一体誰なんだ……?(すっとぼけ)


ここまでお読みいただきありがとうございます!

作者の励み・モチベーションアップになりますので、少しでも面白い・続きが読みたいと感じていただけたならばブクマ・評価【特に評価は是非!】の程よろしくお願いいたします!

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