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最強の騎士、転生しても最強の騎士。  作者: 普通の人間
王宮騎士育成学校編
54/60

王宮騎士育成学校⑥

「えっと、そよ風達の遊び(ウィンドーダンス)!」


生徒の1人が魔術を術式を唱えたが、魔術は発動しなかった。


「あーダメダメ、そんなんじゃ。」


「で、ではどうすればいいんですか?」


「バーと集めてドカーン!と放て。」


「僕には説明の意図が読めませんけど!?」


「あー、そこは、気合いで何とかしろ。」


「気合い!?」


「そう、気合い気合い。気合いがあればなんでも出来るー、だろ?」


「気合いだけで出来るものと出来ないものはありますよ!」


ガゼルは説明が下手だった。すげぇ下手だった。


俺は全くもって説明には理解できないが、気合いっていうのはあながち間違ってない。


俺も気合いで魔術は大体覚えたからな。流石に魔術はどういう感覚で唱えるかは教えてもらったが。


だが、ガゼルは本当に適当な説明しか出来なかった。


ラファのチョイスは間違っていた、と思っていたら、


「先生!で、出来ました!」


「おぉ、すごいな、出来てるじゃないか。」


「あ、ありがとうございます!」


「お前の名前は?」


「私はターシャ・グランです。」


「ターシャ・グラン、…っと、共和国のお嬢さんかい。」


「あ、はい、そうですけど…」


ターシャは少し俯き気味に言った。


「お前には魔術の才能が約束されている。一応皆にも魔術の才能がある。だが、彼女は凄い、魔術を覚えれば多分俺より強くなれる。」


「いえいえ、謙遜は良してくださいよ先生。」


「俺が謙遜なんかでそんなことを言うように思えるか?」


ガゼルは強い目線でターシャを見ていた。


「…」


「おっと、ごめんよ。俺は人の才能が少しは分かる才能の持ち主なんだよ。」


皆からは驚嘆の声が上がった。


「私の才能を見てください!」


「いえいえ僕の才能を見てください!」


(わたくし)の才能も見てくださいまし〜!」


生徒たちが皆ガゼルの前に集まった。


「えーへいへい、みんな後で見てやるから授業だけは真面目にやってくれ。出なくちゃ俺が怒られてしまうからな。」


ガゼルは自分の才能で人気になっていた。


俺はと言うと、


「ふぅー…」


魔術を出来ないふりを続けていた。本当はすぐにでも出来るのだが、出来てしまえば目立ってしまう可能性があり、


また、天使達、神達がどこで目を見張ってるか分からない。だから表立って魔術はみんなと使える技術を合わせる気でいる。


「ウィータ。」


「ターシャじゃないか。凄いじゃないか、もう魔術のひとつを使えるようになって。」


「ええ。まさかって思ったけど、感覚を解ればやるのは楽ね。正直魔法よりも出来やすいわ。」


「ターシャって魔法は得意なのか?」


「いいえ。寧ろ不得意よ。だけど王家だからって事で一応は下手な魔法使いぐらいは魔法は唱えられるわ。」


「そうなのか…もしかしたら魔術の才能があるのかもな。」


「そうね、先生も言ってたしね。魔術を唱えた感覚を忘れないうちに沢山やっとくわ。」


「使いすぎに注意な。」


「ご忠告どうも。」


ターシャは俺から離れて魔術の練習を再開した。


一方リリムと言うと、


「ふ、ふええ!?!?」


全く風の起こる気配が無かった。これ程魔術の才能に恵まれてないのは珍しい。


「リリム、大丈夫か?」


「大丈夫じゃないれすぅ〜」


「感覚は掴めているのか?」


「ウィータ君、それがですね、全く魔力(マナ)を操る感覚が分からないんですよぉ…」


「そ、そうなのか。」


「そうなんですよ…ふええ、才能が私にはないんでしょうか…」


「そ、そんなわけないじゃないか?普通に今使ってる系統の魔術が合わないだけとか…」


「魔術の系統?」


「あ、普通は知らないんだっけか。ごめん。魔法に属性による得意不得意があるように、魔術にも一応得意不得意があるんだよ。」


「そ、そうなんですね。」


「ガゼル先生ー!ちょっとこっちに来て貰えますかー?」


「今手一杯なのだが…チッ、ラファの頼みだ。言ってあげようじゃないか。」


「ガゼル先生〜」


「どうした、えっと。」


「リリムでしゅ。」


「リリム、どうしたんだ。」


「魔術が唱えても唱えても感覚が分からないんです…」


「そうか。気合いだ気合い。」


「そんなぁ…」


するとガゼルに通信魔術の気配がした。


「そうか…えっと…はいはい、え?詳しく教えろって…はい、分かりましたよ…。」


通信魔術でラファに教えろって言われてるのか、ぺこりぺこりしながらそんなことを言っていた。


「わかった、リリム。教えてやる。」


「あ、ありがとうございます!」


「えっと、古〜以下略〜才能察知(タレントチェック)。」


するとガゼルの目になんか付いた。


「ふむふむ、えっと。これは…ほうほう。」


ガゼルがそう言うと、目になにか着いたものは消えてしまった。


あの魔術は才能を見極める、て言うよりはどの系統の魔術を唱えると得意かを見る魔術だ。


最初の頃は俺も使ったが、全てにおいて才能があったからあまり役立たなかった思い出がある。


ガゼルは少し考え込み、そして考え終わったのか、リリムに目を合わせて言った。


「リリム。」


「は、はいぃ。」


「お前には身体強化系統の魔術に特化している。だから普通の魔術は唱えられない。」


「そ、そうなんですか…」


「多分お前の才能に関係してるんだろ。お前は…みみとか目がいいだろ?」


「な、なんで分かるんですか?」


リリムは驚いた顔をしていた。


「俺は一目見たらわかるのさ。」


「す、凄いです…」


リリムはさっきの先生の説明を聞いてなかったのかよ。


「まあ、それについては後々に教えていくから、今日は見学にしといてくれ。」


「わ、分かりました。」


「一旦他の人の才能に着いても調べてみるか…はぁ、仕事が増えそうだ…」


そう言うとガゼルは髪の毛をゴシゴシしたのであった。




▲△▲△▲




そして1時間目、2時間目と共にガゼルが生徒たちの才能を見て終わってしまった。


俺は才能を見ないように上手く誤魔化してくれた。


多分ラファの心遣いだろう。感謝。


するとみんなからチラホラ色んな才能があった。


足が早い才能や、魔力(マナ)を纏って武器に錬成する鍛治の才能があったりなど、様々だった。


ターシャはもちろんずば抜けて魔術の才能があった。


ターシャは凄い魔術師になるだろう。


そして昼ごはんの時間になった。


王宮騎士育成学校は午前午後ともに2校時制だ。


だから各授業の時間が長いが、その分一つのことに集中できるように作られている。


魔術なんかそうだ。時間をかけて練っていくものだからな。


昼ごはんは校内にある学食を食べるとしよう。


一応路銀はパパさんとママさんから事前に貰ってある。見た時は結構な額だった。


こんなに受けられないって言ったら、パパさんが、多分私たちが出来る自分への子供の親心はそれくらいしかないからね、せめてこれだけは受け取ってくれ、っと言われたので、受け取った。


王都に来て三日目になるが、なかなか王都をよく見ていないので、明後日の休みの時に王都を回ろうと思ってる。


そう考えながら1人で食堂に向かっていると後ろから、


「ま、まってウィータ!」


「待ってください〜ふぅ〜」


ターシャとリリムがこちらに向かってきた。


「どうした2人とも?」


「いや、一緒にご飯でも食べないかなって思っただけよ?」


「ターシャさんが、ウィータ君と一緒にご飯を食べるためにお弁当を朝早くから作ってきた、って心の中では言ってます。」


「!?!?り、リリム!」


「えへへしゅいません、読んじゃいました。」


「う、うう」


ターシャは顔を赤くした。


「じゃ一緒に食堂に行こうか。」


「ウィータ君、お弁当は?」


「俺、料理苦手なんだよね…」


「そ、そうなんですねウィータ君。」


「だから、路銀はあるからそれで食べようって…ターシャ?」


ターシャは顎に手をやり、独り言をブツブツと呟いていた。


「…うふふ、これなら…!」


「どうしたターシャ?」


「そうだ、ウィータ!」


「はい?」


「今度からあなたのお弁当も作ってきてあげる!」


「いやいいよ申し訳ないし。」


「申し訳もなくもないわ!それじゃ毎回食堂で大人数で食べないと行けなくなるわ!」


「これの何が悪いんだ?」


「私にとっては人気のない場所で食べたいのよ。」


「どうして?」


「それは…えっと、あ、わ、私が王族で、注目されてなかなか食べられないからよ!」


「あーそうなんだー」


「そうよ!」


俺は棒読み気味で返事をした。多分俺とリリムと一緒にお弁当を食べたいだけなのだろう。


「ターシャは可愛いな。」


俺は思っていたことが口に出てしまった。


するとターシャは、


「え?な、何言ってるの!?ば、ばっかじゃないの!」


顔を赤くして言ってきた。

ちなみに朝は8時半までに登校、活動報告等が8時40〜50分です。授業はひとつ90分です。昼食は1時間です。清掃等はありません(清掃専用の人がいます。)

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