一年ぶりの町
そして修行をして一年が経った。
俺達は修行の地からキ・マラの町に帰ってきた。
「久しぶりだな。」
とファルコンが言う。
「うん、そうだね。」
とラナ先輩も言った。
「ではどうしますか。」
と俺は先輩方に聞いた。
「まずは復学届けを出すところか?」
とファルコンが言うと、
「まずは親のところに帰らないと。」
とラナ先輩がファルコンに言った。
「いや、俺家に帰ると、親父がいてな、喧嘩別れしてきたから怖いんだよ。」
とファルコンはブルブル震えていた。
「大丈夫ですよファルコン先輩。多分一発投げ飛ばされるだけです。」
と俺が笑顔で言ってやったら、
「キモい。」
「ウィータ君、気持ち悪いよ。」
と一年経っても俺の笑顔だけは改善されなかったようだ。
毎日鏡の前で練習してたんだか、と少しショックを受けた。
こんなことは置いといて。
「復学届けは誰が出しますか?」
「じゃあ俺が家に帰ってから出しとくよ。」
とファルコン。
「ありがとうファルコン。」
とラナ先輩が言う。
「どうってことよ。」
とファルコンが爽やかな笑顔を浮かべて言う。
どうして俺の笑顔と違うんだ。
そして明日の予定を話終えた。
「では明日朝に校門前に集合で良いですか?」
と俺が言うと、
「わかった!」
「ウィータ君わかったよ!」
と先輩方は頷いた。
「ではまた明日!」
と言って俺は自分の家に帰った。
そして自分の家に着いた。
少し緊張しているが、俺はドアノブに手を取り捻った。
そして玄関を開けて家の中に入った。
すると、こんな声が聞こえてきた。
「はーいかわいいでちゅね。」
とパパさんの凄く甲高い声が聞こえてきた。
パパさんの声は普段から普通の人よりかは高いけどこれは高すぎだ。
「本当に可愛いわね私達の子。」
とママさんの優しい声が聞こえた。
私達の子?
とはなんだろう?
パパさんとママさんに聞いてみるか。
そしてリビングのドアを開け、リビングに俺は入った。
「ただいま…。」
最初は誰も俺に目もくれなかった。
少し経つと、
「あ、ウィータじゃないか!一年ぶりだな!」
とパパさんが気づいたのか挨拶をした。
「お久しぶりです。」
と俺は笑顔でそう言った。
大丈夫だった。
「あら、ウィータおかえりなさい。」
とママさんが赤ちゃんを抱えながらそう言った。
「その子は?」
と俺が聞くと、
「一ヶ月前に産まれた私達の子よ。名前は、リカンと言うのよ。」
と顔を右手で見せてくれた。
おお、赤ちゃんには底知れぬ可愛いさがあると思った。
「触っても良いですか?」
と俺がママさんに聞くと、
「ええ良いわよ。だってお兄ちゃんなのよ。」
とママさんが俺の前に来てくれた。
そして俺は頬っぺたをプニッ、と触れた。
感触はもちっとしてて、気持ちいい。
これなら幾らでも触れてしまう。
心地良いものだった。
「抱っこもしても良いですか?」
と何故か俺の口からそう出たのである。
俺にも分からなかったが、
「ええ良いわよ。だけど、落とさないように。パパなんか抱っこさせたとき落としそうになったんだから。」
とママさんに釘を打たれた。
しかしパパさん、何やってるんだよ。
その事を言われたパパさんは遠くで東の国の座り方、正座をしていた。
正座は反省や和室と言う場所で座る座り方らしい。
詳しいことは何も分からないが。
そして俺はリカンを持った。
リカンには何かと言えぬ重さがあった。
リカンより重いものを持ったことがあるはずなのに、不思議な重さを感じていた。
これが赤ちゃんを持ったときに分かる命の重さと言うやつなのだろうか。
そして少しして俺はリカンをママさんに返した。
「じゃあ待ってて、今晩御飯の支度をするから。」
とママさんはキッチンに言った。
すると、
「どうだったか、修行は?」
とパパさんが聞いてきた。
「はい、皆修行はバッチリです。これで、SSランクと名乗れます。」
と俺は言い切った。
「そうか、それは良かった。」
とパパさんが言って後は部屋に戻って復学の準備をしていた。
終わった所で晩御飯ができ、俺は食べた。
久しぶりの家族との晩御飯は美味しかった。
そして俺は寝床に入った。
そして今日は上からギシギシ音はしなかった。
▲▽▲▽▲
「ただいまパパ、ママ!」
と私は家に帰ってきた。
すると、
「ラナ!」
とすぐにリビングからママが出て来て、そして私を抱き締めた。
「ああ良かったラナが無事で…。私ラナが帰ってこなかったら…。」
とママは私の胸の中で泣いていた。
「あれパパは?」
と少し経ってからママに聞いた。
「後少しで帰ってくるから少し待っててね。」
と涙ぐみながらそうママが言った。
なので私はまずは自分の部屋に行って色んな物を確認した。
まずはクローゼットの中の服だ。
私はこの一年間で今までウィータ君より少し低かった身長が、ウィータ君を越して170センチになったから、服のサイズが何も合わない。
どうしよう。
取り敢えずパジャマ以外は全部捨てた。
その代わり修行の時にウィータ君に買って貰った服をクローゼットに入れた。
五着くらいしかないけどね。
これから増やしていこうと思った。
次に教科書等の本だ。
この際いっそ殆どを売りに出そうと思った。
多分もう読む機会が内から。
いやだけどもしかしたら私の子どもが読むかもしれない。
そう思って売り出そうとしたのはやめた。
そして全ての整理が終わった後、少し呆けていたら、玄関の開いた音がした。
私は下に急いで下りた。
「パパ!」
とパパが帰ってきた。
私はパパがただいまを言う前に抱きついた。
「おかえりなさい、パパ。」
と私は言った。
「ただいまラナ。すっかり大きくなって…。強くもなったんだろ?」
とパパは言った。
「うん、強くなったから私、SSランクって胸を張って言えるよ。」
と私は答えた。
「うん、凄いね。じゃあ後の話は食事をしながら聞かせてもらおうか。」
とパパが言って私は抱きつくのをやめて、パパと一緒にリビングに入っていった。
そして一年間にあったことの話をした。
そして後はお風呂に入って布団に入った。
久しぶりの家の布団はとても気持ち良かった。
▲▽▲▽▲
現在俺は家の前の玄関に居る。
覚悟は決まってる、しかし、体が動かないのだ。
どうしてかは分かっていた。
素直に怖かった。
母親に怒られるのが怖い。
姉達にべちゃくちゃ言われるのも怖い。
そして何より、親父に怒られるのが怖い。
つまり、めっちゃびびっていたことなんだ。
家に帰るってことは。
「はあ、はあ。」
と深呼吸を一息つけて俺は家の中に入った。
最初に気づいたのは母親だった。
「あの、お、おかえり。」
「あら、おかえり、ってこの、バカ息子!」
と母親がめっちゃ怒っていた。
本当に怖い。
次に、姉達が気づいた。
姉達は一卵性の双子だ。
「「ああ、家出した弟じゃん!今まで何やってたの!」」
二人で笑いながら言っていた。
この怖さはまだ耐えられる。
しかし、
「おう、どの面下げてこの家に戻ってきたんだ。」
と親父がリビングから来た。
それで母親と姉達は黙った。
そして親父は俺の前に来て、そして俺の頬を殴った。
俺は何も驚かず、大人しく殴られた。
そして親父はそれに満足したのか、
「よし、皆で一緒に飯を食べるぞ。」
と言って一緒に飯を食べた。
これは後から聞いた話だが、一番心配してたのは親父らしい。
親父は心配しすぎて一日寝込んだらしい。
あの時許可をくれなかったのも俺を心配してたのだと言う。
ごめんな親父。
と俺は素直に心の中で謝った。
だって口に出すと恥ずかしいから。




