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最強の騎士、転生しても最強の騎士。  作者: 普通の人間
冒険者学校編
36/60

とある男子の覚悟

バシュッ、という音が聞こえた。

そう、目の前で平井信乃は自分の首を切った。

首の端と端まで。

俺の方に信乃の血が飛んできた。

信乃の血が俺の顔や服を汚した。

血の臭いはとても臭かった。

そして俺は叫び声をあげそうになるがあげる前に信乃の顔だったものを見た。

それを見てゾッとした。

顔はとても、笑っていたのである。

あのとき、俺を慰めてくれていたときより。

綺麗な笑顔だった。

それを見て俺は俺は叫んだ。

この場に助けを呼ぶように、そして。

強くなると決意するために。




▲▽▲▽▲




その後クラスメイトで平井信乃の葬式をした。

「何で信乃が死んだの…。」

とクラスメイトの一人が呟いた。

すると皆が何故平井信乃が死んだかを話し合った。

俺はそれを平然と見ていた。

すると守が俺の前に来た。

「何で自殺を止められなかったんだ!」

と言われた。

意味が分からない。

「止められなかったって何?」

と俺はそう答えた。

「何で目の前にいて自殺を止められなかったって聞いてるんだよ!」

と守がそう叫んで俺の左頬を右手で殴った。

俺は吹っ飛ばされた。

「ぐふっ!」

と俺は唸り声をあげることしか出来なかった。

「モブ、嘘…。」

「何で目の前にいたのに、こいつが原因なのか…。」

「こいつが悪いんだ!」

と徐々にクラスメイトは俺が犯人だと決めつけるようになった。

「な、何で…。」

俺はそう声を絞り出して答えることしか出来なかった。

何度この視線を浴びれば良いんだ。

この視線は人を見下す視線。

この異世界に来てから何度も経験している。

「何で、何でなんだよ…。」

「黙れこのくず野郎。」

とクラスの男子生徒に蹴られた。

そして他の人も俺を蹴った。

信乃の痛みを知れ、と言ってた。

じゃあお前らは信乃の痛みを知っているのか、とでも思っていた。

俺は目の前で信乃が強姦されているところを見たんだぞ。

あいつは俺に助けをずっと求めていたんだ。

けど、俺に力が無くて助けることが出来なかった。俺の気持ちも考えろよ!

しかし、そう言おうに思ってもクラスの皆から殴られ蹴られ、俺は一言を喋れなかった。

回復魔法を掛けてくれとも言うことも出来ない。

そして、

「こいつを殺そう。」

と誰かが言った。

俺を、殺す?

「確かに、入るだけで存在が迷惑だからな。そして最低なことをしたんだ。死んで当然でしょ。」

と正義が言った。

「私は…殺すべきではないと思う。」

黒音はそう言った。

「僕もそうすべきではないと思う。」

と守も言った。

「きちんと罪を償わせるべきだと思う。」

一郎が初めて自分の意見をした。

今までは絶対誰かの意見に流されるはずなのに、今はっきりと自分の意見を言った。

そうか、こいつ。

信乃の事が好きだったのか。

ごめんな、一郎。

俺が、俺が無力だったせいで、信乃を死なせてしまった。

すると俺の瞳からは涙が出てきた。

正義は、

「何で悪党が綺麗な涙を流しているんだよ!」

ともう一発腹を蹴った。

今度は呻き声すら出すことが出来ずに倒れていった。

もう俺は動くことも喋ることも出来ない。

本当は真実を伝えたいのに。

そして、まだ人を信じたいのに。

もう信じることが出来ないよ。

蹴られた所が熱くて痛い。

何で俺は悪い事をしてないのに殴られ無いといけないんだ?

訓練長が犯人なのに。

何で誰もあいつを疑わないんだ?

訓練長に復讐したいと思った。

俺に、力さえあれば、力さえあれば…。

そんな物語はご都合主義にはいかないらしい。

現実はとても残酷だ。

全く怒りを覚えたって全く力をくれない。

そして俺は気絶をしてしまった。




▲▽▲▽▲




俺は気づくと治療室にいた。

ふと隣を見ると、誰もいない。

俺はまた泣いた。

本来はここに信乃がいて、「大丈夫?」と声を掛けてくれるだろうな。

だがあいつは俺の目の前で自殺した。

その事を思いだし近くにあったゴミ箱に俺は吐いた。

なにも食べてなかったため、胃液しか出てこなかった。

むしろ何かが出てきてほしかった。

そうした方が楽に吐けるから。

そして自分の体を見てみると治療が終わっているようだ。

安心した。

すると、ドアを叩く音が聞こえた。

「入って大丈夫です。」

と俺が言って入ってきたのは守と黒音であった。

どしどしと俺の前に来た守。

「じゃあ話してもらうよ。どうして信乃は死んだのか?」

と守が入ってきてそれをすぐ言った。

「こら守。入ってきてすぐにこれは言うことではなくない?」

と守に黒音がチョップしていた。

「痛っ!う、き、昨日のことはすみませんでした。」

と謝った。

「どうだ、これで良いだろ?」

と守は不機嫌そうに聞いてきた。

「あ、はい…。」

としか言えなかった。

「ごめんね。守が先に突っ走って殴るなんて。私からも謝るよ。」

と黒音も謝まってくれた。

「う、うん。それで何の用?」

と俺が聞くと、

「さっき守が言ってたようにどうして信乃は死んだの?」

と黒音が聞いてきた。

「俺は何も知らないし、ただその場に居ただけだよ。」

と嘘をついた。

「嘘だね。」

と黒音が言った。

「何で嘘なのって言うの?」

と俺が聞くと、

「私、特別な能力を持ってるんだ。」

と黒音が凄いことを言った。

「どんな能力なの?」

と俺は聞いた。

普通にチートだろ、と思いながら。

「私の能力はね他人が嘘をついてるかわかる能力。ショボい能力だよね。それに比べて守と正義はね…。」

「どんな能力を持っているの?」

「守は剣に魔法を複数纏える特別な能力。

正義は魔法を詠唱なしで唱えられる能力だよ。」

と黒音は教えてくれた。

そして俺は分かった。

もうこいつ等は多分俺の気持ちは分からない。

それは、強いから。

俺は弱いから弱い人の気持ちも分かるし、強い人の気持ちも分かる。

けど強い人は弱い人の気持ちは分からない。

だって強いのだから。

話がそれたから、俺が見て聞いた実際の事を言った。

俺を看病してたら訓練長に強姦された事。

そしてそれが原因で自殺した事を。

「それはとても酷いわね…。殺そうかしら?」

と黒音が言った。

「俺だって本当はたすけたかったですよ。でも、力が無かったから、助けられなかった…。」

と、泣きそうになったが耐えた。

「じゃあ、私達が懲らしめてあげる。今の話は嘘じゃないからね。」

と黒音は言ってくれた。

「本当にありがとう…。」

俺は涙をまた堪えながら言った。

「まあ、黒音が嘘って言わないんだから本当のことなんだろうな。そう言うことなら殴ってしまってごめん。」

と守が謝った。

「今度は、訓練長に殴ってくる。」

と守が言ってくれた。

俺はその言葉を聞けて安心した。

良かった、これで信乃は報われる。

そうしてクラスメイト達は訓練長に奇襲を仕掛けたらしい。




▲▽▲▽▲




その後、訓練長をすぐに捕らえたらしい。

迅速かつ丁寧に綺麗に捕らえられたとか。

俺はその場にいなかったから分からないが。

訓練長はその罪を否認したが、召喚されたクラスメイト達が必死に抵抗したため、罪を負うことになった。

その罪状は、処刑。

そしてすぐに処刑場へと連れられた。

何か叫んでいたが、それが一人の女子を追いやった責務だ。

死んで償え。

そして処刑は執行されて、訓練長の首は落ちた。

「これから俺達、どうやって強くなれば良いんだ…。」

と守が呟いた。

確かにもう強くはなれない。

だが、それはこの国の話だろう。

「ねえ、皇国に行ってみる気は無い?」

と俺が言った。

「何で皇国に?」

と守が言ったので、説明した。

「今皇国では、王宮騎士団の戦いがエントリーされているんだ。だからこの国代表として出て今注目の<アンノウン>っていうパーティーがあるんだけど、それが物凄く強いらしいから、腕ためしに行ってきたら。」

「でも、その間にここが攻められたら、どうするんだ?」

と守は聞いてきた。

「それは大丈夫だよ。何だってパーティーは三人一組。三人行けば良いだけなんだよ。むしろ今までもせめられてなかったんだから、大丈夫。更にクラスメイトも居るから大丈夫だよ。」

と俺は説得を続け、

「分かったよ。じゃあ王に言って黒音と正義にも言ってくる。」

と言って王に会いに行った。

俺はそれ以降、守には会っていない。

話を聞くと、守、黒音、正義のパーティーの名前は法国騎士団と言う名前で行ったらしい。

三人には頑張ってほしい。

他のクラスメイトの分まで。

そして他のクラスメイトも日々鍛練をして強くなってる。

そして、俺をいじめる人も居なくなった。

これも信乃のお陰だ。

天国からありがとうと言わせて貰うよ。

そして今日も俺は図書館に行って本を読んでいる。

ちなみにこれはウィータ達が冒険者学校を卒業した後の話です。次回からは時代が戻って修行の後の話です。まだ冒険者学校にいます。

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