ある男の悲しみ
俺達は一ヶ月間魔法やこの世界の成り立ちについて学んだりした。
魔法はクラスの皆は上級まで使えた。
守、黒音、正義に至っては超級を総てマスターしていた。
ただ、俺は、魔法を発動すら出来なかった。
クラスメイトからはバカにされた。
悔しい。
しかし力こそ総てなのだ。
俺は何もすることが出来ない。
その事を守や黒音に相談したりすると、
「だったら無理して戦わなくても良いよ!その代わり俺が戦うからさ。」
と守は言ってくれた。
「私も君の分まで戦ってあげるから、何もできないとは言わないで。」
と黒音。
二人は俺を励ましてくれた。
なら俺のすることはただ一つ。
もっとこの世界の知識を増やす。
俺は訓練の時間以外は国の図書館に籠った。
だが、
「おいおい何してるんだよ。モブ。」
モブが俺のあだ名だ。
そしてチャラチャラとした言い方をするクラスメイトは一人しかいない。
そう、陵だ。
「何の用ですか。」
と俺が聞くと、
「親切な俺が今からお前を訓練してやろうと思ってな。」
と笑顔で言ってきた。
そして他のクラスメイトも俺に群がってきた。
力を持ったクラスメイトは持っていないクラスメイトに何をするか俺は分かってる。
そう、いじめだ。
俺は訓練という名の集団リンチを受けていた。
「グハッ!グッ、…。」
「おいおい回復魔法を掛けないとだめだろ?あ、そうだったな。お前、魔法使えないんだってな。」
と陵が言った周りのクラスメイトも笑い出した。
ギャハハ、ギャハハ、本当に気持ち悪い声で皆笑う。
守達才能がある組はもっと特殊な訓練を受けているため、この場には来ない。
そして俺は回復魔法を掛けてもらうことなく、その場で気絶した。
あいつ等の笑い声は忘れていない。
▲▽▲▽▲
「う、ここは何処だ…。」
「あ、目覚めたんですね!良かった…。」
と俺は治療室のベットに居た。
と付き添っているのは信乃立った。
「何でここに信乃がいるの?」
と俺は聞いた。
「だってたまたまそこを通りかかったら、モブ君が倒れていたんですよ。だから急いで超級回復魔法を描けましたよ。」
とどうやらたまたま助けてくれたらしい。
しかし、
「超級回復魔法?」
と俺は聞いた。
だってそう信乃が言っていたから。
「はい!私、超級回復魔法だけを覚えられました!」
とチートに皆なっていってる。
俺だけただの一般人。
そうか考えると、涙が出てしまった。
「く、ぐぅぅぅぅ…。」
「ちょっ、何で泣いてるんでか?泣かないでくださいよ。ほら、笑顔、笑顔。」
と言いながら信乃は俺の背中を擦りながら慰めてくれていた。
そしてある程度時間がたったら、
「ごめん、もういいよ。」
と俺が言った。
すると信乃は擦るのをやめてくれた。
「もう、大丈夫ですか?」
と聞いてきた。
あ、ヤバイ。
俺、信乃に惚れたかもしれない。
でも相手がその気じゃないと俺は言えないんだよね。
いわゆるチキンだ。
「ああ、大丈夫だよ。信乃のお陰だ。」
俺は笑顔でそう言った。
「やっぱりモブ君は笑顔が良いですよ!」
と信乃はそう言った。
「皆笑顔が良いだろ?」
と俺はどんな気持ちで言ったか知らないがこう返した。
「はい!やっぱり笑顔が一番ですよ!」
と信乃は言った。
そして俺と信乃は笑いあった。
しかしこんな時間も長くは続かない。
「おい、そこで何してる!」
「あ、訓練長どの!」
とどうやら訓練長が来たようだ。
見たことがなかった人だ。
多分俺が最後に見たときと違う訓練長らしい。
「は、少しクラスメイトの看病してました。」
と信乃は言った。
もちろん嘘はついていない。
「貴様、嘘をついているな?」
と何故か訓練長がそう言った。
「う、嘘はついていません!」
と信乃は必死に挽回するが、
「弁解が嘘の臭いしかしないぞ。」
と訓練長は初めから話を聞く気が無いように見えた。
そして、訓練長は最悪の一言を言った。
「嘘をつくものには、お仕置きが必要だなぁ。」
と。
そして訓練長は信乃の胸を掴んだ。
信乃の胸は結構でかいのは知ってた。
多分それを見てわかったこの訓練長は無理矢理なこじつけで信乃を襲おうとしているのだ。
当然見ているわけでもなく、
「止めてください!」
と信乃は必死に抵抗した。
しかし、何故か魔法が使えない。
「何で魔法が使えないの!」
と信乃が言うと、
「ばかめ、私の体には私が触ってる間魔法を使えなくする石が入ってるのだ。」
と言うこと。
つまり、信乃は魔法が使えず、抵抗出来ない。
「ぐふふ、お仕置きだと言ってるだろうが。少しは大人しくしろ。」
と一発信乃の腹を殴った。
信乃は気絶はしなかったものの、動けなくなった。
そして服を脱がされた。
信乃は小さな声で
「助けてモブ君…。」
と声を出していた。
ここで助けないのは、人として間違ってる!
「信乃から離れろ!」
俺は訓練長に飛びかかった。
しかし、
「邪魔だ!」
と大きく投げ飛ばされてしまった。
い、痛い。
けど、こんなところで気絶なんかしてられない。
もう一度飛び込んだ。
再び吹っ飛ばされる。
しつこく飛び込んだ。
しつこく飛び込んだ。
しつこく飛び込んだ。
しつこく飛び込んだ。
しつこく飛び込んだ。
しかし、全て投げ飛ばされてしまった。
流石に治りたてなので、動けなくなってしまった。
そして、
「じゃあ、たっぷりとお仕置きしてやる。」
と言って信乃は訓練長に襲われてしまった。
その間俺は見てるしか出来なかった。
信乃が襲われている間、ずっと信乃は泣いていた。
そして訓練長が満足し終わったら、
「これでお仕置きは終わりだ!」
と言って何処かに行った。
そして少し経ってから動けるようになった俺は信乃の方に駆け寄った。
それは無慈悲な信乃の姿だった。
無理矢理初めてを捨てられ、痛みと恥辱の中良く耐えていた。
俺は泣いた。
信乃の今の姿は、見るも無惨で泣いてしまった。
本来は俺が慰めるべきなのに、泣いてしまった。
信乃はその間さっきみたいに笑ったり慰めたりしてくれはしなかった。
そして翌日。
信乃は訓練場に来なかった。
もちろん俺は来ても意味が無いので行かなかった。
そして心配になったので信乃の部屋を訪ねた。
「入って良いよ。」
と言われたので入った。
「大丈夫か信乃!」
と俺は信乃を抱き締めた。
すると、
「もう、私は大丈夫だから。」
といつもなら笑顔でこう言うことを言うのに、信乃の顔から笑顔が消えていた。
「もう私は、この世界が嫌いになった。だからね。」
何か魔法を唱え始めた。
「信、乃?」
俺は最初は分からなかった。
けど、途中で分かった。
これは。
まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか!
「やめろ、やめろ信乃!」
俺は止めようとした。
しかし信乃は、
「ごめんね。モブ君。」
と笑顔で言ってきた。
それを最後に。
平井信乃は俺の目の前で自殺した。
運営に指摘されたので一部表現を変えました。




