二話
青くキラキラと輝く海と自然を感じさせる緑の山々に挟まれた場所に、一つの美しい町があった。かつては多くの人がその心休まる町の雰囲気に休息を求めて訪れていたのだが、今は昔とは違った意味で静かな場所となっていた。
その大きな原因とも言える人物が現在、町の酒場で大声で叫んでいた。
「ハッハッハ! どうだお前ら楽しんでるか?」
男の問いかけに多くの人間が歓声で返す。実に酒場らしい雰囲気と言えるが、この町に住んでいる者たちにとってはどうやら気に食わないものらしい。それはこの酒場の店主にとっても同じようで、いい顔をしていなかった。
「その調子でどんどん食っていいぞぉ! 今日は俺のおごりだ!」
随分、気前のいい男だと思わせるような台詞だ。だが、この台詞が嘘だと店主は知っている。いつもこう言っては、ツケといてくれと言って払ったためしがない。いい加減払えと言ってやりたい気持ちもあるが、彼にはそれが出来ない。
その理由は至極単純なものだ。この男、そこらの人間では相手にならないほど強かった。
「―――いやー、食った食った。じゃ、ツケといてくれ」
そういって食うだけ食ったら仲間を引き連れて帰っていく。店に残るのは代金でも仕事の後の達成感でもない。ただの汚く散らかった惨状だ。
店主は、それらを黙って片付け始める。この作業も何度もやってきた。奴らに怒りをぶつけたい気持ちは確かにあるが、この現状に慣れてしまったというのも行動を起こせない原因となっていた。
男たちがこの町で好き勝手するようになってから観光客の足は激減した。元々、他の町でも同じことをして追い出されてきた連中だ。名がそれなりに知れ渡っていた。悪名という形で。
これからも、今まで通りの生活を繰り返していくのだろうと、店主だけでなく町の皆が思っていた時、ある一隻の船がその町へと近づいてきていた。
真っ赤な旗を掲げて―――。
◆
「この旗、最初はどうかと思ってたけど案外しっくりくるな」
そんなことを平然と言っている骸骨が一体。うちの船の船長ことキャプテンだ。
これから町に着くということで、その姿を隠せるように前の旗と同じく所々に穴が空いていた服から、全身を覆えるコートに着替えている。
良かったな。俺が拝借した服以外にちゃんとしたのが残ってて。
まあ、今はそんな事よりもどうやってあの町に入るかだな。
ここから見た感じあまり活気のある町ってわけではなさそうだ。まだこの船の方が賑やかだ。キャプテンがいるから。
しかし、本当に静かだな。こんなボロボロの船が近づいてるってのに。幽霊船に間違えられてもおかしくない見た目だぞ。
「よーし、錨を下ろす準備しとけよ」
キャプテンは暢気に停泊の準備をしだした。アイツの旅に協力することになっている俺が、あの町についてどうこう言うつもりはないが、本当にあの場所に絶景があるのか。
もしかしたら、もう長い間一人で過ごしてきたから俺の常識と変わっているのかもしれない。ああいったのが町の雰囲気としては普通なのかもしれない。
先入観だけで判断しようとするのは駄目だ。反省しよう。
「錨を下ろせー!」
町に近づいて来たことで、帽子と布を使って顔を隠したキャプテンがそう叫ぶ。
気合が入ってるな。キャプテンにとっても久しぶりの町なのかもしれない。あの姿になってからどれくらいなのか知らないからな。
ここまで来るとさすがに人が集まってきて騒いでいる。これならキャプテンから聞いている。今の時代、船で遠い場所に移動する人間はそうそういないらしい。基本は陸を移動するそうだ。海には人を喰らう化物が生息していると聞いた。けど、あの孤島からここまでに一回もそんなのに出くわさなかった。というか、魚にも。
どうなってるんだ。この世界には化物はいても魚はいないのか。
「いやー、やっぱり人がいるってのはいいねー。クルーとの船旅も良かったけど、こうして大勢の人を見るのは何年振りかな」
どうやら大勢の人を見るのは久しぶりのようだ。この様子だと町に来るのもだろう。予想が当たっていた。骸骨になるってのは案外、生きづらいようだ。
早速、キャプテンから町の人々と話してくるように頼まれた。
この旅での俺の主な役目は、人との交流。キャプテンはあの見た目がいつバレるかドキドキしながら会話したくないらしい。まあ、骨を見られてパニックになられても困るしな。
騒いでいるのは子どもよりも大人が多いな。誰でもいいから答えてくれよ。
「この町で観光をしたいと思ってる。船を停泊させる場所は此処でいいか」
食料補充などはしない。
俺は何も食べなくても死なないし、キャプテンも骸骨だからなのか何も食べなくていいらしい。
だから、この船には食べ物の類が一切ない。水分はロープに捕まりながら海に入ってるだけで済む。
「か、観光? この町を?」
頷きで返しておく。
何をそんなに不思議がってるんだ。キャプテンも秘密だと言ってこの町について詳しくは教えてくれなかったから、俺はこの町についてよく知らない。
この町は観光に向いていないのか。意外そうな顔で此方をジッと見つめる町人。なんだ。俺はおかしな事を言ったのか。
キャプテンの方を振り返り町人に倣って見つめる。
「な、なんだよ。本当に此処には絶景があるぞ。しっかりと事前に調べてある」
そう言って少し怒ったように目の中の光が強まった。
まあいい。この町がどんな所だろうと俺は言われた通り船を止めるだけだ。
他の小さな舟は漁師の物か。この辺りの海にはもしかして魚がいるのだろうか。もしいるなら食べてみたいな。
別に何も食べなくても死なないからって食欲がないわけじゃない。この町にだってご飯を提供する店くらいあるだろう。それも絶景のついでに探そう。
船から陸に降りるには最初に使った縄を用いるしかない。上り下りしやすい板みたいなのは、この船には無かった。
「・・・クルー、まずは手袋とか包帯を買ってきてくれ。コートで隠せない部分をどうにかしないと降りることも出来ない」
それもそうだな。縄を掴む時に見える可能性があるのか。
じゃあ金をくれ。一文無しじゃ何も買ってこれない。
「ん、なんだこの手?」
「金」
「・・・俺もないぞ」
これは困った。
二人して金がないとは。俺は漂流してたって事だから金を持ってなくても問題ないが、お前はどうして少しも持ってないんだ。絶景を見て回る旅をしてたんだから金を持ってるんじゃないのか。生前はどんな生き方をしてたんだ。
「どうするんだ」
「そうだなー・・・。俺が生きてた頃は、着いた場所で獣を狩ったりして金を稼ぐようにしてたからな。どうせ一人旅だから色々と考えなくて良かったし」
その方法を今回も採用するなら、俺が獣を狩りに行って金を稼いで物を買ってくることになるのか。まあ、それでいいか。食料を買う必要がないから稼ぐ金の金額も少なくて済む。すぐに終わるだろう。
「分かった。じゃあ金を稼いでくる。船は頼んだ」
「おう。頑張ってこいよー」
気楽そうに骨の手を振ってくる。誰のために金を稼ぐと思ってるんだ。
あまり町の人が乗ってこないよう注意するんだぞ。俺がいない時に来られると、バレたときに面倒になるからな。
とりあえず船の近くにいる人に金を稼げる方法を聞こう。
「金が尽きて困ってるんだ。獣被害とかで困っていることはないか。無くても何か稼ぐ方法を教えて欲しい」
一人の男が周囲の人と目を合わせて戸惑いながら答えてくれる。この船の乗組員だから幽霊か何かと勘違いしてるのか。亡霊みたいな見た目のやつなら船の中にいるが、俺は生きてる人間だ。安心してくれ。
「そ、それなら丁度いいのがある。獣を狩れる自信があるなら、あの山に住み着いた獣を狩って欲しい・・・」
都合よくいるのか。これは助かる。それも町の人間が狩らずに放置してるってことは、ある程度強いやつってことだな。なら、金も十分にもらえそうだ。
「あの山だな。分かった。・・・一つお願いだ。俺が戻ってくるまでこの船には近づかないでくれ」
「あ、ああ」
こう言っておけば勝手に乗ったりはしないだろう。黙って触るくらいなら何も言わないが、乗られるのは困る。子ども達にも言い聞かせといてくれよ。
ところで、獣を狩るにはどうしたらいいんだ。
「・・・い、いいのか。あんなこと頼んで」
「仕方ないだろ。向こうから聞いてきたんだ。・・・それに、アイツ等だってよそ者に殺されたってなれば何も言えないだろ」
「そうじゃなくて・・・」
あんな事を言っている集団のもとにまた戻るのは少し気が引けるな。こそこそ話している感じからして俺に聞かれたくないことだろうしな。今戻ったら聞かれたんじゃないかって思われる。聞いてしまったんだけどな。
ま、頑張って見るか。
・・・数時間後。
コイツでよかったのかは分からない。一応、この獣しかいなかったからコイツが対象だと思っておこう。だが、少し失敗した。力加減が分からなくて頭を消し飛ばしてしまった。これじゃあ町人に確認を取ることも出来ない。
獣から出てくる血が地面に染み込んでいく。これはそのままでいいのか。誰か一人くらい連れてくればよかった。狩った後の処理の仕方が全く分からない。
とりあえず町に戻ろう。そうすればコレが言われてたやつだったのか分かる。
ん、誰か来ているな。
「おーい、旅の人! 大丈夫かー? 返事をしてくれー!」
なんだ、狩るのを頼んだ人か。わざわざ様子を見に来るなんてどうしたんだ。町で待ってればいいだろうに。もし俺が獣に殺されてたら危なかったぞ。まあ、来てくれたなら助かる。此処ですぐに確認ができる。
「どうした。何かあったのか」
「おお、無事だったか! 良かった。・・・いや、実はあの後に親父に怒られてな。折角訪れてくれた人に危険なことをさせるなって・・・。旅の人、悪かった。危ないことさせちまって」
そういう事か。別に気にすることないだろうに。俺から獣について聞いたんだし、これが手っ取り早く金を稼ぐ方法だったんだ。そちらに非はない。むしろ教えてもらったんだから感謝している。
だから、あまり気にするな。
「それで、その詫びと言っちゃなんだが報酬でやる予定だった金を少しだけやるよ。と言っても、あんまり大金はやれないけど・・・」
「いや、大丈夫だ」
そこまでしてもらうのは気が引ける。
別にそれを期待して受けたわけじゃない。合ってるかは知らないが獣は狩ったんだ。これを売って得られる金で十分だ。
それに、なんだか虫がよすぎる気がする。最初からここまで俺にとって良いことばかりだ。怪しいと思ってしまう。
「それよりも、頼まれた獣はこれで合ってるのか教えてほしい。頭を失くしたから分かりづらいと思うけど許してくれ」
「えっ! アイツを狩ったのか!? み、見せてくれ」
血が大分流れてしまったから地面は真っ赤になってるけど、斜面を利用して体は血で汚れないようにしたから多分見やすいはず。剣とかの刃物も使ってないから胴体に血が滲んでる所もない。
もし買い取ってもらえるならキャプテンの物を買っても残るくらいの量は貰えるはずだ。
「触ってもいいぞ。見ているだけじゃ分かりづらいだろう。頭がないから」
「・・・いや、頭がなくても分かるよ。この山でこんな姿の獣はコイツしかいない」
よかった。合っていたのか。
だったら早速、町へと持って帰ろう。此処に置いたままだと意味がないだろうしな。
そう思い胴体を掴んで持ち上げようとすると、男が慌てた様子で止めてきた。
今度はどうしたんだ。まさか獣は狩ることだけが目的だったのか。此処に置いていけばいいのか。
「待て待て! そのまま持って行ったら服が血で汚れるし、大変だろう。必要な所だけ切り分けて持っていこう。その方が持ち運びやすいし汚れにくいだろ?」
元々が俺の服じゃないから気にしてなかった。
血で汚れるか。それもそうだな。どうせだったら汚れないほうが後々面倒くさくなくていいな。それに、いらない所まで持って帰ったら迷惑だろう。
「切り分けるのは俺に任せてくれ」
そう言うとてきぱきと解体し始めた。随分と手馴れている。普段はこの男が狩りをしているのだろうか。今使っているナイフと背中の弓と矢も見た目だけじゃないんだろう。
そんな男が獲物であるこの獣を放っていたのは、この獣がそれほど危険なやつだったからだろうか。確かに、消えてしまった頭には危なそうな角や牙があった。あれに噛まれたらひとたまりもない。避けるのも仕方ない。
しかし、それなら危険って分かっているのを他人に教えたのは、俺が船に乗っていることが大きいのだろうか。海の化物について俺はよく知らないけど男からしたら、船旅をしてるならこの獣を狩れるんじゃないかと思わせるほどに危険なやつなのかもしれない。一度くらいは見てみたいな。どんな見た目なのか興味がある。
「よし、出来た。旅の人は狩るので疲れたろう? 町に持って行くのは俺がするよ。付いてきてくれ」
解体された獣の部位を毛皮で包み袋に入れた男は、来た道を覚えているのか迷いなく山を下り始めた。
これは助かる。あまり記憶力には自信がないからな。迷う気はしてなかったけど、先に歩いてくれるって言うなら大人しく付いていこう。
「旅の人は、この町に観光に来たんだったよな? やっぱり恵みの湖が目当てか?」
道すがら男がそんな話をしてきた。
なんだそのなんたら湖って。そんな名前聞いたことないぞ。有名なのか。
「知らないな、それは。観光といったらそれなのか?」
「知らないのか!? ここに来る観光客は九割以上がその湖が目当てだぞ?」
俺の質問に振り返ってまで驚く男。
急に立ち止まったりするな。当たったらどうする。けど、そんなに驚くほどのものなのか。少し興味があるな。ただの湖ってわけでもないだろうし。
「観光以外で来た人だって知ってるほどだ。それなりに有名だと思ってたんだけどな」
「悪いな。あまり他の土地について詳しくないんだ」
キャプテンなら知っているだろうか。もし知らないなら教えてやろう。そこが絶景かは知らないけど。
そんな風に考えていると、突然男が暗い雰囲気を醸し出した。
今度はどうした。何か落ち込むことでもあったのか。腹でも痛いのだろうか。
「いや、いいんだ。・・・有名って言っても昔の話だ。今じゃ観光客もめっきり来なくなっちまって、旅の人が観光って言った時に困惑したくらいさ」
そういえば、そうだったな。普段、観光客が来ていないような感じだった。思わずキャプテンが訪れる町を間違ったのかと思ってしまったほどだ。随分と長い間、来ていないのだろう。観光地があるのに何故だろうな。
「まあ、あまり気にするな。こうして観光客が来たんだし、また増えるようになるさ」
励ましといてやる。やっぱり人は落ち込んでいるよりも元気な方がいい。元気過ぎるとキャプテンのようになるが、男のように落ち込んでいるくらいならあれくらいになってほしい。
だから、元気を出せ。観光客が減った理由はよく知らないけど。
「・・・ああ、そうだよな。ありがとう・・・」
これは効果なしだな。どうやら今日知り合ったばかりの人間にどうこうできるものじゃないようだ。町の人間達で頑張ってくれ。
「まあ、なんだ。湖について教えてくれてありがとう。時間があったら行ってみる」
観光客の減少については残念だが、俺には何も出来ない。
それよりも、土産話が一つできたことをもっと感謝しよう。戻ってくるのが遅いと言われても許してもらえるだろうか。まあ、キャプテンならそれくらいで怒らないと思うけどな。
「ほら、もうすぐ着くぞ」
本当だ。気づけば町がすぐ目の前だ。やっぱり山に入り慣れてるのか。俺が通って来た道だと今の倍は時間がかかったはずだ。よかった、この男に先導してもらって。途中で疲れた様子を見せることもなく獣も持ってきてもらえて楽だった。
男もしっかり気持ちを切り替えているし、よしとしよう。
「助かった。予想より早く戻ってこれた」
「気にするなよ。獣を狩ってもらうだけじゃなく、励ましてもらったりもしたんだ。お安い御用さ」
そのまま元気に町に戻ってもらいたい。町に入る前にまた落ち込まれたら、俺が何かしたんじゃないかと疑われる可能性がある。それは嫌だからな。
けれど、そんな不安も杞憂だったようで、無事に町に戻ることができた。
「いやー、本当にありがとう。これで他の動物たちが襲われることもない。もちろん、俺たち猟師も危険度が減るから助かった」
笑顔でそう言ってくる男。
やっぱり猟師だったか。山を歩くのにも慣れている様子だったからな。予想が当たった。
血で真っ赤になった袋を持ちながら男は歩いていく。子ども達が袋を凝視してるぞ。大丈夫か。あのまま持ってくるよりはマシだったかもしれないけど、その袋を持ってる見た目は悪いぞ。普段の狩りの後もこんな感じなのだろうか。
「おお! 大丈夫だったのか!?」
突然声をかけられた。誰の声だ。キャプテンのものではないな。声が聞こえた方を見てみると、船を降りる時にはいなかった人物が立っていた。いや、もしかしたらいたのかもしれない。あの場にいた人間を全員覚えているわけじゃないからな。実際、稼ぐ方法を教えてもらったこの男しか覚えてない。
「親父!」
なるほど。あの人が男を怒ったっていう父親か。言われてみれば男と似ているところがある気がする。なんとなくだけど。
「・・・悪かったな。息子が馬鹿なこと言って危険なことさせちまって。怪我はないか? ・・・ん、なんだその袋?」
「いや、これは・・・あれだ。帰ってくる途中で鹿がいたから、ついでに狩ってきたんだよ」
「本当か? もしあの獣だったら不味いことになるぞ」
「だ、大丈夫だ。獣には遭遇しなかったんだ。探しているところに俺が来たみたいな感じだ」
一体、どうしたんだ。親父さんの方が怪しむような目で男を見ている。まあ、怪しむのは正しい。その男は今、嘘を吐いてるからな。
しかし、なぜ嘘を吐く必要があるんだ。あの獣に困っていたんだから、いなくなると嬉しいんじゃないのか。そんなに簡単な話じゃないのだろうか。俺には分からない。
「とりあえずは、言った通り報酬をやるからさ。親父、渡してやってくれ」
「ああ。・・・本当にすまなかった。命があってなによりだ。少ないがこれで許してくれ」
男に促されるように親父さんが、金が入っているであろう袋を渡そうとしてくる。
これは、俺が獣を狩ってきていなくても渡す予定だった金だな。事前に用意していたようだから、報酬として受け取るはずだったものより少ないはずだ。この中に入っている金額でキャプテンが欲しがっていた物を買えるだろうか。まあ、足りなかったら男に頼もう。そんなに高いとも思えないしな。
「いや、気にするな。こうして生きてるんだからな。金はありがたく貰おう」
「・・・足りない分は後で渡すから、今はその量で勘弁してくれ」
小声で言ってくるな。別にあとで受け取る予定はない。この袋に入っている金で足りればの話だけど。
じゃあ、これで話はおしまいだ。俺は早速、買い物に行かないといけない。キャプテンも待っていることだしな。
「町の観光を楽しんでくれ」
「あとで船の方に行かせてもらうぞー」
あとで来るのか。だったらその時に金については言えばいいか。今は親父さんに怪しまれるから言えないしな。
さて、キャプテンは何が欲しいんだったか。




