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無才の剣士 ~もう一度キミに好きと言うため、才能を捨てて記憶を選ぶ~  作者: 塚丸水産
白影編

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Ep.49 協力者はコソ泥






「泥棒兼情報屋……」


 何ともまぁ胡散臭い肩書に、アルは胡乱げな視線を向けた。

 言われてみれば全身黒色に身を包んだその様相は、諜報員のようだと言えなくもないが……眼前でふざけたポーズを取るその少女の言葉を、額面通り受け取ることはできなかった。


 そもそも情報屋はともかく、泥棒とは自分で名乗るものではないし、自信満々に告げる彼女の考えも理解できない。


「むっ、その顔、信じてないッスね!」


 そんなアルの反応を見て信じてもらえていないと判断した少女――シュシュは、不満げに頬を膨らませた。


「まぁ確かにこ~んなにキュートでビューティフルなアタシが、泥棒や情報屋なんて黒い仕事に就いているとは考えにくいっすもんねぇ。分かる、分かるッスよ」


 アルが何も言っていないにも関わらず、一人で勝手に納得してうんうんと頷くシュシュ。


「アタシほどの女の子だったら、それこそスカウトされて芸能事務所に所属している方が納得できるってもんスよねぇ。いやぁ~誰がアイドルっすかぁ。それとも女優? 照れるッスねぇ~」

「……えぇ」


 アルにはシュシュの言っていることを一つも理解できず、ドン引きするように声を漏らすことしかできなかった。

 どうやらインフェル・ノクターンの関係者ではなさそうだが、それとは別に関わってはいけない人種だったのかもしれない。アルは警戒するのもバカらしいと考え、肩の力を抜いた。


 そして未だに意味不明な言葉をまき散らしつつ、身をくねくねさせているシュシュに疑問を投げかけた。いい加減現実に戻ってこいという意味も込めて。


「それで? シュシュだっけ? キミはなんでこんなところにいるんだ?」

「それはこっちのセリフでもありますけど……まぁいいや。アタシがこ~んな何もない場所に来た目的はただ一つ!」


 シュシュはビシッと人差し指を天に向けると、自慢気に言い放った。


「第五魔王インフェル・ノクターンのお宝を盗むためッス!」


 予想外の目的に、アルは目を見開いた。


「知ってるッスか? この森の奥地に第五魔王の根城があるんスよ。アタシの目的はそこッス。侵入してお宝を奪ってやるんスよ」

「……何で第五魔王なんだ? 他にも蓄えてるやつはいくらでもいるだろ。わざわざ魔王なんて狙わなくても……」

「これはアタシの情報網で手に入れた情報なんスけどね……どうやら第五魔王の奴はかな~りの成金趣味らしくて、それはそれは目を見張るほどの金銀財宝をため込んでるらしいんスよ」

「だからって魔王は危険じゃ……」

「甘い、甘いッスよ!!」


 宝を盗むためだけに魔王の根城に忍び込むというのは、あまりにも危険だ。少なくともアルにはリスクとリターンが釣り合ってるようには思えなかった。例え彼女がアルよりもずっと強かったとしても、だ。


 しかしシュシュはアルの考えとは違うようで、グッと拳を握り締めながら告げた。


「アタシは金が好きです! 大好きです! この世の何よりも、金が一番好きなんスよ! 金を、宝を、財宝を! 手に入れるためなら多少の危険なんてないようなもんッス! それこそ命を失う危険があったとしても、アタシのこの想いを止められやしません! 命を賭けても惜しくない! アタシにとってはそれだけの価値があるものなんス! アタシの金への愛情を舐めてもらっちゃあ困るッス!!」


 高らかに、強い意志を込めてそんな下世話なことを熱弁するシュシュ。

 そのあまりの熱意に、アルはシュシュの瞳が硬貨の形になっているような錯覚すら覚えた。


「だから、アタシは盗むんス! この衝動に、湧き上がる金に対する執着に従って! ただ金銭が欲しいだけのそんじょそこらの泥棒と一緒にしてもらっちゃあ困るッスね! アタシ”金”という存在そのものを欲して魂を売ってるんスから!」

「分かった! 分かったから!」


 放っておいたらいつまでも語っていそうな勢いに、アルはとにかく静止した。

 シュシュはまだ語りたかったらしく鼻息荒くしながら不満げな表情を浮かべているが、アルとしては勘弁してほしい。今でさえ気押されているのに、このまま続けられてはそのうちシュシュの熱意に押し潰されてしまう。


「(それにしても……)」


 彼女の金に対する熱意は伝わったが、かといって盗みを働くのはどうかと思う……そんな思考を読み取ったのか、シュシュは小さく笑いながら、


「安心していいッスよ。アタシは義賊ッスから。善良な輩からは盗まないッス、アタシはそこまで堕ちちゃいないんで。アタシが盗むのは悪~い連中からだけッス……まぁお宝をたんまりため込んでるのなんて、大抵ロクな奴じゃないんで困ってないですしね」


 善人から盗みは働かないと語るシュシュ。アルにはそれが嘘をついているようには見えなかった。

 悪人からなら盗んでもいいというわけではないものの、アルからすれば悪人がどうなろうと大した興味はない。アルはシュシュのスタンスを肯定はせずとも、否定をする気にもならなかった。


 泥棒と聞いた時は眼前の少女のイメージと重ならず信じがたかったが、今ならばシュシュが泥棒という事実がストンと腑に落ちた。


 呑気でヘラヘラと笑い常に自然体、しかし自分の好きなものは熱心に語る。

 アルはそんなシュシュを見て、彼女を悪人とは思えなかった。見ず知らずのアルのことを助けてくれたという事実を含めて。守銭奴ではあるが。


「そういう貴方はどうしてこんなところに? ってか今更ッスけど、貴方はどこのどなたで?」


 自分のことを語り終えたシュシュは、当然アルのことを尋ねた。


「(さて、どう答えるか……)」


 アルはシュシュに対し、どこまで正直に話すか思案する。


 少なくともここまでのやり取りでシュシュがインフェル・ノクターンの仲間ではない……むしろ今から敵になろうとしている存在なのは理解した。つまり、アルがインフェル・ノクターンと敵対しており、今から彼奴の居城に潜入するつもりだと告げることは問題ではない。


 しかしそうなると続く疑問は何故そんなことをするのか、というもの。

 アルがインフェル・ノクターンの居城に潜入する理由を説明するには、エルト、ひいてはメアのことまで説明しなければならないだろう。それでは、せっかくアルがクローリー軍を離れた意味がなくなってしまう。


 アルは既にクローリー軍ではないため、万が一第五魔王の居城に潜入したことがバレても関係ない。


 この理論は、いわば屁理屈のようなものだ。

 アルが一方的に脱退をしただけであるうえ、つい先日までは紛れもないクローリー軍の一員だったのだ。誰がどう見てもアルとクローリー軍が無関係であるとは言えない。


 故にこの理屈はあまり使いたくはないし、極力アルがクローリー軍にいたことは知られないほうが都合が良い。シュシュがインフェル・ノクターンの味方ではないとしても、メアの敵でないとも限らない。それに、シュシュから別の誰かへと漏れる危険性もある。


「(情報屋って言ってたし)」


 アルの理解が正しければ、情報屋とは他人に有料で情報を売りつける存在だ。

 アルとエルトの関係、ひいてはクローリー軍との関係を誰かに売られる可能性がある。わざわざそんな情報を買う誰かがいるとは思えないが、その可能性があるだけで困るのだ。


 確かにシュシュは悪人ではないのかもしれない。少なくともアルはそう思った。

 しかし、同時に善人とは言えないとも思っていた。悪人相手とはいえ、盗みを働く犯罪者なのは事実だ。大金を積まれれば、あっさり秘密を売る可能性だってある。


 この短時間で、アルは彼女の性質を薄っすらとだが理解してきた。

 そのうえで、アルは彼女に秘密を告げるリスクを考慮した。


「(だけど――)」


 同時にアルは、リターンも思い浮かべていた。

 それは、彼女とアルの目的がある意味一致しているという点に起因する。

 

 アルもシュシュも、これから行うのは第五魔王インフェル・ノクターンの居城への潜入。

 最終的な目的こそ違うものの、途中までの道筋は共通している。


 であれば――、


「(――俺に潜入なんてできないししたこともない。でも、シュシュがいれば……)」


 潜入成功の確率はグンと上がる。

 彼女は泥棒兼情報屋。潜入や隠密行動の類は十八番も十八番だろう。そのうえ単純に戦闘能力も非常に高いときた。アルにとっては、これ以上ない協力者。


「(問題はシュシュが協力してくれるかだけど……)」


 アルからすればシュシュと協力することはメリットが大きいが、その逆はそうではない。むしろアルというお荷物と一緒に行動する分、シュシュの動きが制限されかねない。彼女にとってはデメリットの方が大きいだろう。


「(協力してくれるかどうか……そして事情を正直に話すかどうか……)」


 アルは短い時間の中で思案し、どうするべきか悩む。


 シュシュに事情を話した場合のリスクとリターン。

 シュシュに協力してもらった場合のメリットとデメリット。

 そして、シュシュがアルに協力するメリットとデメリット。


「……ふぅ」


 そこまで考え、アルは小さく息を吐いた。

 様々な状況を考慮するアルだったが、最終的な結論は至ってシンプルだった。


「(エルトを助ける、それが今の俺にとって一番重要なことだ。その確率が少しでも上がるなら――)」


 アルは何を一番優先するべきかを考え、


「――聞いてくれ、シュシュ。俺の話を」


 アルは真っ直ぐにシュシュを見据えながら、口を開いた。











◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆











「――なるほど~」


 アルの自己紹介、そして目的とその事情を一通り聞いたシュシュは、大きな息とともにそうこぼした。


「つまりアルさんの目的はアタシと一緒、インフェル・ノクターンの居城への潜入と」

「あぁ、まぁ最終的な目的は違うけどな」

「そして、その理由まで丁寧に説明してくれたのは――」


 シュシュはアルの話を整理するように言い、その先に出てくる言葉すら予想した。そんなシュシュを見て、アルも正直に肯定する。


「あぁ、俺に協力してほしい。俺は絶対にエルトを助けなくちゃならないんだ」

「う~ん……」

 

  アルの請願に、シュシュは悩むようなそぶりを見せる。

 当然の反応だ。今のところシュシュにメリットは皆無。むしろ即刻断られないだけでもマシな反応だと言えるだろう。


「もちろんタダでとは言わない。……もしも協力してくれるのなら、俺にできることなら何でもする」

「何でもって……貴方に何ができるんスか?」


 何でもすると聞けば大層なことを言っているように聞こえるかもしれないが、その実今のアルにできることは非常に少ない。それを分かっているシュシュは当然の疑問を溢し、アルは口ごもった。


「そ、その……えーと……」


 どれだけ考えても、アル個人がシュシュにもたらすことのできるメリットは思い浮かばない。

 シュシュの首を縦に振らせられるような金も宝もアルは持っているはずもなく、唯一アルにあるものといえば武力だが……それもシュシュの方が上だろう。


 考えた末に出てきたのは、何ともまぁ情けない答えだった。


「一応、俺はクローリー軍の隊士だし、その、キミの力になれることがあるかも……」

「でもクローリー軍を辞めてきたんスよね?」

「……まぁ」


 自らクローリー軍を辞めておきながら困ったらクローリー軍の名前を出すというのは、アルとしても非常に情けないこと極まりない話だが、今のアルには他に提案できるものはなかった。


 しかしシュシュは簡単に頷くわけもなく、口ごもるアルを詰めていく。

 その声音は先ほどまでのお気楽なものではなく、冷淡かつ平坦……正しく商売人であった。


「でも、上手くエルトを助け出せれば戻れるかもしれないし……」

「一方的に辞表を置いてきたのにッスか? 許してくれるんスか?」

「う……その、土下座でも何でもして許してもらいます……」

「例えクローリー軍に戻ったとして、アルさんにクローリー軍を動かせるほどの権限はあるんスか? 一般隊士なんスよね?」

「それは……」

「それに、もしも第五魔王にバレずにエルトさんを救出できたとして、真っ先に疑われるのはクローリー軍なんじゃないッスか? どっちみち穏当に戻れるとは思えないんスけど」


 流石は一人で泥棒と情報屋を兼業するだけのことはあるようだ。どうやらシュシュは少しの事情を聞いただけで、現在アルが置かれる状況を正確に把握したらしい。アルの楽観的な考えを否定するように、正論を重ねていく。


 間違いない。今目の前にいるのは自身の利益を追求する、紛れもない商売人だ。

 目の前の奇抜な恰好をした少女がアルよりもずっと思慮深いと思い知らされ、アルは自分がいかにシュシュという人物を見誤っていたのか理解した。


「第一、アタシが協力するとしても潜入するところまでッスよ。エルトさんの救出までは面倒見切れません」

「それはもちろん、分かってる」


 そこまで迷惑をかけるつもりはない、と頷くアル。

 そんなアルに対し、シュシュは呆れたようにため息を吐いた。


「分かってるって……本当に分かってます? 今アルさんが述べたメリットは全部、アルさんが無事にエルトさんを救出できたらの話ッス。正直、アルさんが一人でエルトさんの場所まで辿り着いたうえで説得して、バレずに脱出するのは……かなり無理筋ッスよ。アルさんが無事でいられる可能性が低い以上、それらのメリットはアタシにとって担保されてないも同然なんスよ。無駄に手間をかけさせられるのはゴメンッス」


 理路整然と告げられたシュシュの言葉に、アルはただ黙り込むことしかできなかった。


 シュシュの言うことはすべて正しい。今のアルはろくなメリットを提示することができないどころか、僅かに絞りだしたメリットですら前提が崩壊している粗雑なものだ。これでは交渉でもなんでもない、ただの子供のお願いではないか。


 交渉など、せいぜいが露店で値切り交渉を行ったことくらいしかないアルが、シュシュに勝てるわけがなかった――いや、それ以前の問題だろう。


「(俺の考えが甘かった……)」


 エルトを助けるための計画も。

 もしかしたらクローリー軍に戻れるかもしれないという希望も。

 シュシュに協力してもらおうという目論見も。


 それらすべてに対して、アルは浅慮であったと言わざるを得ない。


 何とかなると。

 今は考えるよりも動くべきだと。

 楽観的に、そして短絡的に考えすぎていたのだ。


「(挙句の果てに出てきたのが、クローリー軍に何とかしてもらおうだなんて……俺はどこまで腐ってんだよ)」


 エルトを助けたいという想いが表に出すぎていた、などというのは言い訳にもならない。

 自分がどれだけ愚かだったのかを思い知り、アルは唇を強く噛みしめた。


「(俺は、どうすれば――)」


 自分一人の力ではエルトを助けることはできない。

 かといって、シュシュの協力を取り付けることもできない。

 クローリー軍に力を貸してもらうなどもってのほか。


 アルは自身の無力と愚かさを噛みしめ、ただただ項垂れることしかできなかった。

 

 そんなアルの頭上に、シュシュの言葉が降ってくる。

 それは今までの問い詰めるような鋭利な声音ではなく――、


「――ま、いいッスよ。協力してあげても」

「――え?」


 あまりにも予想外の返答に、アルは素っ頓狂な声を漏らすことしかできなかった。


「は? え? だって、お前……」


 アルの杜撰な計画と提案を問い詰め、無能さを知らしめたのは他でもないシュシュだ。

 にもかかわらず、アルに協力してくれるというのだろうか。何のメリットも提示できず、ろくに計画も立てられないアルの我儘に。


 アルは信じられないものを見るような目でシュシュを見るが、当の本人は澄ました表情で告げた。


「その代わり貸し一ってことで」

「貸し……?」

「そッス。いつかアタシが困ったら協力してください。あ、もちろんこの貸しはクローリー軍に対してではなく、貴方個人に対するものッス」

「え、それは……」


 ――そんなものでいいのだろうか?


 あまりにも軽すぎる要求に、アルは疑問を抱かずにはいられなかった。

 クローリー軍に対する貸しならともかく、アル個人に対する貸しなど、あってないようなものだ。アル個人にできることなどたかが知れている。少なくともシュシュが求めるような利益をもたらすことは不可能といっていい。


 アルはシュシュの考えが理解できず、脳内が疑問符で埋め尽くされる。

 そんなアルを見て、シュシュは小さく肩をすくめた。


「そんな捨てられた子猫みたいな顔しないで欲しいッスよ。アタシ犬派なんで」

「何を言って……」

「ま、あんまり難しく考えないでいいッスよ。貴方の将来に期待! ってことで。将来大物になるのを願ってるッス」

 

 あまりにも気安い調子でそんなことを言うシュシュに対し、本当に先ほどまでのシュシュと同一人物なのか疑ってしまう。


 利益を追求する商売人(リアリスト)。

 それが先ほどまでのシュシュに対する印象だ。

 他愛もない会話ならともかく、自身の仕事に関する話に対してはどこまでも利益を求める。当初のお気楽な調子が消え去り、商売人の顔になったシュシュに対してアルはシュシュという人物を見誤っていたとまで思った。


 しかし今のシュシュは、アルが請願をする前の自然体に戻っている。ノリと欲望で生きているような、そんな商売人とはほど遠い存在に。


「で、どーするんスか? 呑むんスか? 呑まないんスか?」


 シュシュの変わりように驚きを隠せないアルに、シュシュは尋ねる。

 それは今日の夕飯を尋ねるような気軽さで……アルは無意識のうちに力が籠っていた肩から力を抜いた。


「ありがとう。改めて、協力してほしい。俺のできることなら何でもする。約束だ」

「そッスか。じゃあ……」


 深く考えるのも、反省するのもエルトを助けた後でいい。

 今はただ、シュシュが協力してくれるという望外の事実に喜ぼう。

 アルはそう考え、シュシュに掌を差し出す。協力関係成立の握手……のつもりだったのだが。対するシュシュは自身の小指だけを突き出した。


「何してるんだ?」

「アルさんも小指をだしてくさいッス。そんで、こうやって……」


 シュシュに促されるまま、差し出した手を丸め小指だけを立てる。するとシュシュが自身の小指をアルの小指に近づけ、軽く絡めた。


「これは……?」

「アタシの故郷に伝わる約束のおまじないッス」

「聞いたことないな」

「破ったら針千本飲まされるッスよ」

「物騒だな……」


 小指同士を絡める約束のおまじないなど聞いたことないと首を傾げるアルだったが、約束を破ったときのペナルティが思った以上に重くて驚いてしまう。これが流行るとはシュシュの故郷はどんな場所なのか……。


 ともあれ、アルに約束を破るつもりは毛頭ないため問題はない。

 実際に針を千本飲まされるわけではないだろうし。そういう口文だろう。


「(そうだよな……?)」


 アルは未だ、シュシュの反対の手に握られた鉄杭を見ながら生唾を呑んだ。











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感想・誤字報告、お待ちしております。

少しでも面白い、気になると思っていただけたら登録お願いします。でも読んでくれるだけでありがたいので最悪しなくても良いです()。

嘘です、シテクダサイ。泣いて喜びます。






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