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蔑ろにされましたが実は聖女でした ー できない、やめておけ、あなたには無理という言葉は全て覆させていただきます! ー  作者: みーしゃ
第一部 王立宮廷大学を目指そう!

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90. 実るほど垂れるもの

 読んで下さってる皆さん、本当にありがとうございます。

 もう少しで第一部が終わります。どうぞよろしくお願いいたします。

「やったぁぁぁーーーッ!!」


「魔人を倒したぞォォォ!!」


「聖女の奇跡だァァァァァ!!」


 歓喜の声は、いつまでも止まらなかった。

 その場にいた者たちのほとんどが、興奮と熱狂の渦に呑み込まれていた。


 叫び、涙、笑い――

 すべてが渦となり、空へと突き上がっていく。


「えっ……? あっ……?」


 ただ一人――カテリーナだけが、この熱狂から取り残されていた。


「カティ、やったな! さすがは未来の我が妻だッ!!」

「いやいやいや、それ一方的に言っているだけだから。本人は認めてないでしょ」


 セバスティアノスの言葉に、ヨアニスが即座にツッコミを入れる。


 だが――

 その軽口すら、歓喜の空気に呑まれていく。


 そんな二人をよそに、ニコポリテスがカテリーナの前へ進み出た。

 そして――静かに(ひざまず)き、深く頭を垂れた。


「ちょっと、ニコ、大げさにしな……」

「聖女カテリーナさま」


 遮るように、(おごそ)かな声が響く。


「あなたさまの魔人討伐のお力になれたこと……我が生涯の、いや末代までの誇りです」

「はっ!? えっ!? ちょっ、ちょっと、何言ってるの!?」


「そうだ! 俺も見たぞ! あれは間違いなく、女神さまの“手”だった!」

「間違いない! 聖女の奇跡だ!!」


 周囲の声が次々と重なる。

 カテリーナはそれを止めようとしたが、むしろ止めようとするほど、騒ぎは大きくなっていくのだった。


「……カテリーナ・ルクサリス殿」


 その一言で、その場の空気が変わった。

 周囲の歓声が、瞬く間に収まっていく。


「マギストロス学長だ……」


 誰かが息を呑むように呟いた。

 その言葉でカテリーナも気づき、思わず背筋を伸ばすのだった。


 マギストロスは盾の騎士団長フォロスに支えられながらも、ゆっくりと近くへ歩み寄ってきた。

 そして――その場で彼は、深く(こうべ)を垂れたのだった。


「受験生、そして国民の危機を救っていただき――心より感謝いたします」


 その光景に、誰もが言葉を失った。


――セヴェリアン・マギストロス。


 王立宮廷大学の学長であり、同時にカリスティア王国の上位の貴族であり魔術担当大臣も務めている。

 さらに魔導師としては国内外にその名が知られている人物であり、誰もが敬意を払う存在だった。


 そんな人物が、まだ何の地位も無い若き一人の少女に(こうべ)を垂れたのだ。

 その意味の重さは、計り知れないものがあった。


「おぉ……」


 静かなざわめきが広がっていく。


「マギストロスさま、どうかご無理をなさらず。まずはお身体を……」


 隣で支えるフォロスが、静かに言葉を添える。

 そして顔を上げ、周囲へと声を張った。


「喜びたい気持ちは分かるが、まずは負傷者の対応や、被害防止を優先せよ! 動ける者は直ちに行動に移れッ!」


 その一声で、場が引き締まった。

 受験生たちはハッと我に返り、一斉に動き出した。


 また、その言葉に合わせるかのように、避難誘導を終えた騎士団の騎士たちや、治療担当の魔導師たちが会場へなだれ込んできた。

 皆が一斉に協力しながら、負傷者の治療や消火などの作業を始めた。


 フォロスは再びカテリーナへ向き直った。


「……私からも礼を言わせてほしい、ルクサリス殿」


 フォロスの目には、涙が浮かんでいた。


「あなたのお母上には……私は何度も何度も命を救われました。

 そして今――その娘さまにも、再び救われたのです!」


 彼は、大きく息を吸った。

 そして――深々と(こうべ)を垂れた。


「本当に、本当にありがとう。……若き聖女さま」

「え、いや……私は、その……」


 同じく王国の重鎮である盾の騎士団長にまで頭を下げられ、カテリーナは続ける言葉を失ってしまった。

 皆の敬意が集まる中、どうしてよいか分からず、ただ一人彼女だけが戸惑い続けるのだった。


 面白かったり、続きが気になったら★3つ評価をお願いいたします。

 ★をいただければ、やる気が沸きますので、すぐに続きを書きます!

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