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滅鬼伝  作者: ヒガンバナ
第1章「鬼襲来・滅鬼団入隊編」
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第9話「北の山村」

翌朝。


第一討伐隊は新たな任務へ向け、本部を出発した。


隊長・相馬剣一を先頭に、


総司、神崎蓮、黒田隼人、水城零奈、そして数名の隊士が北の山村へ向かう。


道中、相馬が地図を広げた。


「今回の任務は鬼の討伐だけじゃない。」


「行方不明になった村人を救出することも目的だ。」


総司は真剣な表情で頷く。


「はい!」



夕方。


一行は北の山村へ到着した。


しかし、村には人影がなかった。


家の戸は開いたまま。


食卓には食べかけの料理。


まるで村人だけが突然消えたようだった。


「不気味だな……。」


隼人が槍を握る。


零奈は目を閉じ、周囲の気配を探る。


「……いる。」


「この村には鬼が三体。」


「でも、それだけじゃない。」


「地下からも人の気配がする。」


相馬が頷く。


「地下牢か。」


「総司、隼人、零奈は地下を調べろ。」


「蓮、お前は俺と村を捜索する。」


「了解!」



総司たちは古い倉庫へ向かった。


床板をどけると、地下へ続く階段が現れる。


暗い通路を慎重に進む。


すると――


「誰か……いるの?」


かすかな声が聞こえた。


「人だ!」


総司は急いで扉を開ける。


中には十数人の村人が閉じ込められていた。


「助けに来ました!」


「滅鬼団です!」


村人たちは涙を流して喜ぶ。


「ありがとうございます!」


しかし、一人の老人が震える声で言った。


「まだ逃げるな……。」


「鬼は……餌を逃がさない。」



その瞬間。


ドォン!!


地下通路が激しく揺れた。


「何だ!?」


天井が崩れ落ちる。


通路の奥から巨大な影がゆっくりと姿を現した。


身長は三メートル近い。


全身を岩のような筋肉が覆っている。


「人間……。」


「ようやく餌が来たか。」


隼人が息をのむ。


「で……でかい。」


総司は双剣を抜く。


「村人は俺たちが守る!」



一方、村の広場。


相馬と蓮の前にも二体の鬼が現れていた。


「なるほど。」


相馬は刀を構える。


「三体で村を襲っていたわけか。」


鬼は笑う。


「人間ども。」


「今日は一人も帰さん。」



その頃――


遠く離れた山の上。


一人の鬼が村を見下ろいていた。


長い黒髪。


腰に二本の刀。


五鬼衆第五席。


「まだ姿を見せる時ではない。」


「だが……。」


総司を見つめ、不敵に笑う。


「双剣使い。」


「どこまで成長するか、見届けてやろう。」



地下では巨大な鬼が雄叫びを上げる。


「グオオオオオ!!」


総司たちは武器を構えた。


新人隊士となってから最大の試練が始まる。



第9話 完

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