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滅鬼伝  作者: ヒガンバナ
第1章「鬼襲来・滅鬼団入隊編」
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第7話「隊長の一太刀」

上級鬼・骸。


その圧倒的な殺気に、新人隊士たちは動けなくなっていた。


「足が……動かない。」


一人の隊士が震える。


これが上級鬼。


下級鬼とは比べものにならない威圧感だった。



「死ね。」


骸が姿を消す。


「速い!」


神崎蓮ですら目で追えない。


次の瞬間――


ガキィィン!!


鋭い金属音が響く。


骸の爪を受け止めたのは、


第一討伐隊隊長・相馬剣一だった。


「新人に手を出すな。」


相馬は静かに刀を構える。


骸は笑う。


「ようやく楽しめそうだ。」



「総司たちは下がれ!」


相馬が叫ぶ。


「ですが隊長!」


「命令だ!」


総司は悔しそうに歯を食いしばる。


「……はい!」


総司たちは村人の避難を優先する。


その間にも相馬と骸の激しい戦いが始まった。



「鬼血術・再生霧!」


黒い霧が村中を包み込む。


倒したはずの下級鬼たちが再び立ち上がる。


「ギャアアア!」


「隼人!零奈!」


「下級鬼は俺たちが止める!」


「了解!」


蓮、隼人、零奈、総司は協力して下級鬼を迎え撃つ。


総司は双剣を交差させる。


「双剣術・十字閃!」


鬼の首を斬る。


隼人の槍が鬼を吹き飛ばし、


零奈の矢が弱点を射抜く。


蓮は一撃で鬼を仕留めていく。


初めて四人が息を合わせて戦った。



一方。


相馬と骸。


「人間にしては強いな。」


骸が笑う。


「だが、これならどうだ!」


鬼血術で巨大な腕を作り出し、相馬へ振り下ろす。


ドォォン!!


地面が砕ける。


煙の中から相馬が姿を現す。


「終わりだ。」


相馬は静かに刀を鞘へ納めた。


「相馬一刀流」


骸が目を見開く。


「まさか……!」


「閃光一文字。」


シュン――。


一筋の光が走る。


次の瞬間。


骸の首が宙を舞った。


「ば……かな……。」


上級鬼・骸は灰となって消えていった。



戦いは終わった。


新人たちは隊長の強さに言葉を失う。


「これが……隊長。」


隼人が呟く。


蓮も静かに刀を納める。


「まだ遠いな。」


総司は拳を握る。


「俺も……」


「もっと強くなる。」



その夜。


鬼の本拠地。


巨大な玉座に座る鬼の王・黒神羅。


その前に五鬼衆第五席が跪いていた。


「骸が討たれました。」


黒神羅は表情を変えない。


「そうか。」


「所詮、駒の一つだ。」


五鬼衆第五席が尋ねる。


「早本総司を始末しますか?」


黒神羅は静かに笑う。


「いや。」


「奴には、もっと強くなってもらう。」


「その方が面白い。」


そして、玉座の奥へ視線を向ける。


そこには鎖につながれた少女――


美月がいた。


「お兄ちゃん……。」


美月は夜空を見上げ、小さく兄の名を呟いた。



翌朝。


相馬は総司たち四人を呼び出した。


「今回の任務、ご苦労だった。」


「お前たちは正式に第一討伐隊の隊士として認める。」


四人は深く頭を下げる。


しかし相馬は続けた。


「だが、今のお前たちでは上級鬼には勝てない。」


「次の任務までに、さらに鍛えておけ。」


総司は真っ直ぐ相馬を見つめる。


「はい!」


(美月……。)


(待っていてくれ。)


(俺は必ず、お前を助け出す。)



第7話 完

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