第2話「滅鬼団入隊試験 ― 双剣の少年 ―」
妹・美月を鬼に奪われてから5年。
早本総司は15歳になっていた。
あの日から、総司の生活は変わった。
毎日、剣を振った。
雨の日も。
雪の日も。
手から血が出ても。
倒れるまで剣を握り続けた。
理由は一つ。
――美月を取り戻すため。
そして……
鬼を倒すため。
⸻
山奥。
一本の木を前に、総司は二本の刀を構える。
「……」
静かに息を吐く。
次の瞬間。
シュッ!
左右の刀が同時に振り抜かれる。
木が真っ二つに割れる。
総司の父が残した技。
双剣術。
普通の剣士は一本の刀を極める。
しかし総司は違った。
右手と左手。
別々の動きをする二本の剣。
それが彼の戦い方だった。
「まだ足りない……」
総司は刀を見る。
「鬼王に届く力が必要だ」
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その日の午後。
村へ一人の男が現れた。
黒い制服。
腰には刀。
胸元には滅鬼団の紋章。
「早本総司か?」
総司は警戒する。
「誰だ」
男は答える。
「滅鬼団所属、第一討伐隊」
「隊長補佐、神崎蓮だ」
神崎は総司を見る。
「お前に入隊試験の案内を届けに来た」
「俺に?」
「ああ」
神崎は一枚の紙を渡す。
そこには――
滅鬼団 入隊試験
と書かれていた。
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「なぜ俺なんだ」
総司が聞く。
神崎は少し黙る。
「5年前の鬼襲撃事件」
「お前の村を襲った鬼は、鬼王直属の可能性がある」
総司の目が変わる。
「……鬼王」
「妹を連れ去った鬼について、何か分かっているのか?」
神崎は首を振る。
「今はまだ何も」
「だが滅鬼団に入れば、情報を得ることができる」
総司は拳を握る。
「……行く」
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数日後。
滅鬼団本部。
巨大な城のような建物。
全国から鬼を倒すための戦士候補が集まっていた。
「今年の入隊希望者は多いな」
「生き残れる奴は何人だ?」
周囲から声が聞こえる。
その中には――
総司と同じ新人たちがいた。
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一人目。
黒髪の少年。
刀を一本持つ。
名前は――
神崎蓮
冷静な天才剣士。
「足手まといはいらない」
総司を見る。
「双剣か」
「珍しいな」
「お前には扱えるのか?」
総司は睨む。
「見れば分かる」
二人の間に火花が散る。
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二人目。
大柄な少年。
背中には巨大な槍。
名前は――
黒田隼人
「まあまあ!」
「試験前から喧嘩するなよ!」
明るい性格で場を和ませる。
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三人目。
少女。
弓を持っている。
名前は――
水城零奈
「……鬼の気配」
彼女は周囲を見渡す。
「ここにも残ってる」
高い索敵能力を持つ少女だった。
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そして。
入隊試験が始まる。
試験内容。
第一試験。
「鬼討伐」
訓練用の森に放たれた下級鬼を倒せ。
制限時間は30分。
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門が開く。
新人たちは一斉に走り出す。
「始まったか」
総司も森へ入る。
すると……
背後から殺気。
「遅いな」
鬼が襲いかかる。
巨大な爪。
普通の人間なら一撃で死ぬ攻撃。
しかし――
総司は動かなかった。
「……」
次の瞬間。
二本の刀が閃く。
双刃・十字斬り
鬼の腕が切り落とされる。
「なに!?」
鬼が驚く。
総司は続ける。
「俺は……」
「5年間、この瞬間を待っていた」
一瞬で鬼の首を斬る。
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遠くから試験官が見ていた。
「双剣……」
「まだ未完成だが」
「才能は本物だな」
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しかし。
森の奥。
一人の鬼が笑っていた。
「面白い人間がいるな」
「鬼王様に報告するか……」
その鬼の額には――
十二鬼将の印。
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総司は知らない。
この入隊試験が……
鬼との本当の戦いの始まりになることを。
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第2話 完




