第15話「新たな戦いの幕開け」
西部の廃村。
第一討伐隊を中心とした滅鬼団の隊士たちが到着した。
村は静まり返っている。
家々は壊れ、道には無数の爪痕が残っていた。
「……鬼の気配が濃い。」
零奈が周囲を見渡す。
相馬隊長が手を上げる。
「全員、警戒。」
総司は双剣に手をかけた。
「……いる。」
その瞬間。
屋根の上から、無数の鬼が姿を現した。
「グオオオオオ!!」
「来るぞ!」
隊士たちが一斉に武器を構える。
⸻
「数が多すぎる!」
隼人が槍を振り回す。
「これが全部、下級鬼なのか!?」
「そうだ!」
相馬が叫ぶ。
「新人は無理に前へ出るな!」
だが総司は前へ出た。
「俺も戦います!」
「総司!」
蓮と零奈、隼人も続く。
「俺たちも行く!」
「勝手にしろ!」
相馬が苦笑する。
「だが、死ぬな!」
⸻
四人は背中を預けて戦う。
隼人が鬼を吹き飛ばす。
「左!」
「任せて!」
零奈の矢が鬼の足を射抜く。
蓮が一閃。
そして総司が双剣を振る。
「双剣術――双牙!」
鬼の首が飛ぶ。
「やった!」
隼人が叫ぶ。
しかし――
「まだだ!」
零奈が叫ぶ。
「後ろ!」
さらに鬼が押し寄せてくる。
⸻
総司は息を切らしながら立ち上がる。
「何体いるんだ……。」
その時。
村の奥から大きな音が響いた。
ドォォォン!!
建物が吹き飛ぶ。
その中から現れたのは――
巨大な鬼。
「俺は、この村を任された鬼だ。」
「新人どもを殺せば、鬼王様も喜ぶだろう。」
総司が構える。
「お前も鬼王の命令で来たのか?」
「そうだ。」
鬼は笑う。
「そして、お前の妹のことも知っている。」
総司の表情が変わる。
「美月を……?」
「あの娘は鬼王様にとって――」
鬼が言葉を続けようとした瞬間。
「そこまでだ。」
相馬が前に出た。
一閃。
鬼の首が落ちる。
「新人の前で余計なことを話すな。」
⸻
戦闘が終わった。
村に静けさが戻る。
新人隊士たちは疲れ果てて地面に座り込む。
しかし――
誰も死ななかった。
相馬が総司たちを見る。
「よくやった。」
「今日のお前たちは、もう新人ではない。」
「第一討伐隊の正式な隊士だ。」
総司は双剣を見る。
「……まだまだです。」
相馬は笑う。
「その気持ちを忘れるな。」
⸻
帰還後。
滅鬼団本部。
総司たちは正式に隊士として認められた。
隼人は笑う。
「これで俺たちも一人前だな!」
零奈が首を傾げる。
「まだまだじゃない?」
「そこは言うなよ!」
蓮は静かに笑う。
「次はもっと強い鬼が出てくる。」
総司は頷く。
「なら、もっと強くなる。」
⸻
その夜。
総司は一人、月を見上げていた。
「美月……。」
「必ず迎えに行く。」
手には二本の刀。
その目には、以前とは違う強さが宿っていた。
復讐だけではない。
仲間と出会い。
守るものが増えた。
そして――
鬼の中にも、まだ知らない秘密がある。
総司はまだ知らない。
これから待ち受ける戦いが、鬼に対する自分の考えそのものを変えていくことを。
第15話 完




