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何故か俺が買った




 システィスがイケメンアルフレッド君との試合で勝利してから早くも二十日が経った。


 異世界の学園とは面白いもので、俺は色んな奴と出会い、様々な事を学んだ。


 というのも、シルヴィア共和国は多種族国家であり、その国の学園にいる生徒も人間ではない種族が多く在籍しているからである。


 実験大好き変態エルフ。

 どうみてもジジィにしか見えない鍛冶屋志望のロリコンドワーフ。

 やたら語尾に「にゃ」を付けるキャラ作り猫獣人少女。


 俺はそいつらと積極的に関わり、違う種族の文化や歴史を教えてもらったりしていた。


 最初は人間だからといって警戒されたが、俺がどれだけ巨乳を愛しているかを語り尽くしたら、笑顔で手を握り返してくれた。


 やはりおっぱい愛は全種族共通のようだな。


 そう。

 俺は異世界に来て、一つの真理に辿り着いたのだ。


 おっぱいは、種族間の境界線を越える、と。


 おっぱいって凄ぇ……。


 そんな実りのある日々を送っている俺は、学園休日の今日、システィスとカタリナを連れて久々に街へと繰り出していた。



「セレナさんを置いてきてよかったんですか? 行きたそうでしたけど」

「いーのいーの、アイツにはこれぐらい厳しくしないと」


『私にも休日を下さいぃぃ! 平太さんばかりズルいですよぉお!!』と泣きついてきたが、メイドの仕事を失敗しまくって仕事を滞らせているお前が悪い。自業自得だ。


 そういや、学園長さんもセレナのポンコツ具合には呆れてたな。あの女神さん、料理と金儲けの悪知恵だけなら優秀なんだけどなぁ。


「で、街に来て何すんのよ。こんな美少女二人を連れ出しておいて、ちゃんとエスコートしてくれるのよね」


 カタリナって恥ずかし気もなく自分を美少女と言えるだな。それがこいつの美徳って言えばそうだし、事実には変わりないんだけどね。


「彼女がいた事がねー俺にエスコート能力なんてある訳ないでしょう。街をぶらぶらするだけだよ」

「え? アンタ彼女いた事なかったんだ」

「この顔で女にモテると思うか?」


 言わせんなよ、悲しくなるから。


「ふ、ふ~ん、そうなのね。じゃあ仕方ないわね、今日は私達の買い物に付き合ってもらおうかしら。ちょうど欲しい物もあったし。ね、システィス」

「えっ、う、うん! そういう事なのでヘイタさん、荷物持ちお願いしますね」

「へい」


 そんな訳で、彼女達の買い物に付き合うことになった。


 日用雑貨を買ったり(何故か俺が買った)

 魔法道具を見たり(何故か俺が買った)

 人気料理店で昼飯を食べたり(何故か俺が奢った)

 洋服屋に行ったり(何故か俺が買った)

 露天でアクセサリーを見たり(何故か俺が買った)。


 気付けば夕方になっていた。


 あれ? 何で俺が全部お金払ってんだ? 財布の中身スッカラカンなんだけど……おかしくない?


 若干涙目の俺とは真逆に、二人は大いに満足している。

 さてはお前等、俺の修行を根に持っていたな。絶対そうだろ、なぁ。


「今回はこのぐらいで許しておいてあげる」

「こんだけ買わせておいて何言ってんだよ、ふざけんな」

「ふふ、ありがとうございます」


 俺達は今、噴水の近くにあるベンチに腰掛け一休みしている。

 一日中荷物持ちとして連れ回された俺は、精神的にかなり疲労していた。


 ていうかお前等、何でそんなに元気なんだ。あんなにハシャいでおいてよ。


「もうダラシないわね。しょうがない、近くに私おススメの甘菓子店があるから何か買ってきてあげるわ。だから文句言わない」

「くれるってんなら嬉しいけどよ、大丈夫なのか?」


 防犯的な意味で、一人で行って平気なのかと尋ねたら、カタリナはヒラヒラと手を振って、


「すぐそこよ。心配される距離じゃないわ」

「そっか」

「じゃあ行ってくるわね」

「気をつけてね」


 そう言って、カタリナは荷物を預けて行ってしまった。

 あいつ、本当元気だな。


「ふふ」

「何が可笑しいんだよ」


 突然システィスが意味深に微笑む。急に笑わないでくれるかな、怖ぇから。


「ごめんなさい、あんなに楽しそうなカタリナを見るの久しぶりで、つい笑ってしまいました」

「へえ」


 あいつ、普段からムスッてしてるもんな。確かに笑ってる所なんて余り見ないかも。


「前はもっと笑う子だったんです。あと、カタリナって実は男の子が嫌いというか苦手で、全然話さないんですよ。なのに、ヘイタさんとは普通に話してるし、凄く楽しそうです」

「あれか、俺は男として見てねぇってことか」

「多分、その逆だと思いますよ」

「あん? どういう意味だよ」


 会話の内容が読み取れなかったので再び尋ねたのだが、システィスは「ふふ、どういう意味でしょう」と含み笑いをするだけで答えてくれない。


 ああそうかい、そっちがその気なら俺にも考えがあるぜ。


「ところでシスティス君、報酬の件は忘れてないよな」

「うぇ?」

「忘れてないよ……ね!?」

「は……ははは、やだなぁヘイタさん、忘れる訳ないじゃないですかぁ」


 冷や汗を流しながら頷くシスティス。ダメだよ~しらばっくれちゃ~、俺は絶対にそのたわわなおっぱいを揉んでやるからな。

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