表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/121

フツメンとぺったんこ

今日、七夕だったんだ……




「はっはっは! お前さんがアリーシャが言っていたヘイタって奴か! クラインとジドをぶっ飛ばしたんだって? やるじゃねえかこの野郎!」

「いやーそれほどでも。あと、あんまし強く頭を撫でないでくれると助かるなぁ」

「しかも魔王までぶっ殺したってか、すげーなおい! うちのお姫さんと国を助けて貰ったんだ、心から礼を言うぜ!」

「分かったから早くその手をどけろよ~ぶっ殺すぞこの野郎~」


 顔は笑っているが、内心では軽くブチ切れている。

 痛えんだよこんちくしょう、ハゲるわ! 頭撫でてるようだけど、ナデナデじゃなくてガシガシだから。めっちゃ痛えから!


「ふ~ん、この冴えない面したガキが魔王をね~、信じがたいわ」

「あん? 何だペチャパイ、お子ちゃまに言われる筋合いはねぇぞ。育ってから出直して来な」

「テメエは言ってはならない禁句を口にした。表出な、泣かして謝らせてやるよ」

「上等だクソチビ、ヌッ殺してやるよ」


 ガルルッと牙を向けて言い争っていると、セレナとガタイの良いおっさんが仲裁に入ってくる。おい止めるなセレナよ、俺はこのクソチビにキツイお仕置きをしてやらねばならんのだ。


「どーどー、落ち着いて下さい平太さん。平太さんはブサイクではありませんよ。フツメンです、フツメン」

「ウィルも止めとけ。お姫さんの前だぞ」


 危うく戦争になるところだったが、セレナに鎮められた事により出かかった拳を収める。

 そう、俺はフツメンの筈だ。イケメンでもないが決してブサイクではない。

 多分……恐らく……だよね?


「俺はガストン、四騎士のまとめ役をやっている。改めて礼を言うぜヘイタ。ほらウィル、お前もちゃんと言っておけ」

「うっさいな、分かってるよ。……ウィルよ、エリザ様を助けて貰ったし、一応礼を言うわ……ありがとう」

「それほど大した事やってないけどな。受け取っておくよ」


 二人と握手を交わす。

 ガタイが良くて声が大きいおっさんがガストンで、小っちゃくて生意気な女がウィル。何でも俺がフルボッコにしたイケメン二人と同じで、四騎士っていう重要な役職なんだと。帝国の中では、この二人もめちゃくちゃ強い方なんだそうだ。


「久しぶりだねヘイタ、君は相変わらず面白い」

「おおーアリーシャじゃん。何で帝国にいるんだ?」


 声をかけてきたのは、僕っ娘特級冒険者のアリーシャだった。

 だけど、ベルン王国お控えの特級冒険者が、何故こんな場所にいるのだろうか?

 俺の疑問に、彼女は苦笑いを浮かべて、


「リオンにね、帝国に向かったヘイタが心配だから、様子を見てきて欲しいって頼まれたんだ」

「へぇ、あの王女様がそんな事を。なんか似合わないな」

「とまあ、表向きな理由はそんな感じなんだけど、本人曰く『困っているようでしたらどんどん助けなさい。一つでも多く貸しを作らせるのよ』って。これは言わない約束なんだけどね」

「ああそう」



 話しを聞いているうちに、やっぱりなと納得する。あの腹黒王女が考えそーな事だよ。あの王女マジで怖いんだけど。出来るならあまり関わりたくねーな。

 若干引いていると、アリーシャは続けて、


「そしたらさ、帝国が魔王軍に攻撃されているって話しが飛び込んできてね。見て黙ってる訳にもいかないし、参戦したんだよ」

「へえ、アリーシャも戦ってたのか」


 確かヘルシー姉さんと山賊団とか、他の冒険者も駆け付けたんだよな。何故か知らんけど、山のヌシや魔物まで味方についたらしいし。

……オールスター感半端ねえな。


「アリーシャ殿には本当に感謝している。ガストンとウィルが助かったのも、貴女のお陰だ。リオンにもよろしく伝えておいてくれ」

「女帝に感謝されるなんて光栄に極まりです。リオンはよく、貴女の事を話していますよ」

「はは、あいつの口から出た言葉だ。どんな内容か怖くて聞けんな」


 軍服姿のエリザさんが、アリーシャと握手を交わす。苦笑しているエリザさんの背後では、メイド服を纏っているアルメリアさんがひっそりと微笑んでいた。


「ヘイタの様子も確認出来たし、僕はベルン王国に帰るとするよ」

「いいのか? 俺に貸しを作らなくても。アリーシャのおっぱいを触らしてくれるなら、貸し一つでもいいぜ」

「あはは、遠慮しておくよ」


 冗談で言ったんだが、アリーシャはガチで引いている。

 ちっ……ワンチャンイケると思ったのに。

……いや、これも冗談だからね? 本当だよ、決して本音じゃないよ。


お読み頂きありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ