魔王の間 2
短いです
「…………」
「…………」
「ねぇちょっと、どうなってんのよ」
「何がだ」
「何がだ、じゃないわよ。あのクソジジィ殺られちゃったじゃない」
「ああ、まさかデュランが負けるとは思わなかった」
「また、例の異世界人でしょ?」
「そうだ」
暗い暗い、闇の空間。
許された者しか入る事が出来ない部屋には、四つの玉座があった。
だが、その席に座っている者は二人のみ。他の二席は、空席だった。
「絶対的な不死能力が備わっているデュランを、一体どうやって倒したのか……私でさえ、奴を殺しきる事は出来ないというのに」
「知らないわよそんなの。っていうか、あのクソジジィは本当に死んだのかしら? あいつ、会うたびに『魔王の仕事かったるいんじゃよな、やめられんかのぉ』ってぼやいてたじゃない?」
「…………」
「殺られたフリしてどっかに逃げたんじゃないのかしら」
「……ありえる」
「ほらね」
「いや、奴の魂は確かに消えた。本当に殺られたのだろう。普段からふざけた態度だが、曲がりなりにもデュランは魔王の端くれだ。絶対主の命令に逆らってまで、魔王の役目を放棄するような事はしないはずだ」
「ふーん、アンタって意外に仲間意識あんのね」
「当然だ。竜族は同胞を疑わない」
「律儀か」
「…………」
「ん? ちょっと待って、さっきアンタ『ありえる』とか言ってなかったっけ」
「……気のせいだ」
「ああ、そう」
「…………」
「それで、どうしよっか、これから」
「例の異世界人か?」
「そうよ。どうも奴等の次の目的地が、ワタシの管轄地に近いのよね。っていう事は、次の出番はワタシかしら」
「そうなるな」
「はぁ~かったるいわぁ~、自分で言うのもなんだけど、ワタシってベルゼートやクソジジィより戦闘力低いのよねぇ」
「気が進まないのであれば、静観していても良いが」
「それも考えたんだけどねぇ……やめとくわ。仮にも魔王を名乗っている訳だし、同胞が二人も殺られて自分だけ戦わないのも、魔王的にどうよって感じだし」
「……そうか」
「聞けば、異世界人って男らしいんだけど、どうも女に弱いらしいのよね。特に胸が大きい女」
「…………」
「もしその情報が正しかったら、アタシにも勝ち目はあるわ」
「お前にはうってつけの相手かもしれないな」
「そうよ、アタシの美貌にかかれば、どんな男だってイチコロよ」
「……何をするつもりだ?」
「そうねぇ……」
魔王は口角を吊り上げ、
「アタシ自ら、弄んであげようかしら」
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