魔王の間
短いです
暗い暗い、一筋の光すら届かない闇の中。
四つの玉座に、三人の魔王が鎮座していた。
『ねえ聞いたぁ?ベルゼートのマヌケ死んだらしいわよ、超ウケる~』
『グハハハハハッ!所詮奴は儂等魔王の中でも最弱。殺られても仕方無かろう』
『……ああ』
同族が殺されたとしても歯牙にもかけない。それが魔王の在り方。
『でもさー、アタシ達の中で一番ザコって言ってもー、下等な人間共に殺られる程弱くはなかったんだと思うんだけどさー、そこんところどうなってんのよ』
『ウム、奴はどうにもベルン王国という人間の国に軍を率いて攻め入ったらしいのだが、返り討ちになってしまったようだ。全く不甲斐ないのぉ』
『問題は誰がベルゼートを殺ったかだ。今まで魔王を殺せる者など現れなかった。俺達の中で最弱といっても、奴は仮にも魔族の王でありその力は人間に後れを取るほど柔ではない。ベルゼートを殺せる力を持った人間がいたとしたら、その存在は脅威だ』
『えー、何それビビッてんの?だっさー』
『警戒はするべきだと言っているんだ。まあ、お前がベルゼートのように死んでも構わんがな』
『うわーなんか喧嘩売られてる気がするんだけどぉ。アタシ的に今ここでアンタをボッコにしてもいいんだけどぉ』
『これ、戯れはよさんか』
と、その時だった。
『魔王達よ』
ドロドロと濁ったヘドロのような、耳にしただけで嫌悪感を抱く声が闇の空間に響き渡った。
『『――主様ッ!!』』
その声を聞いた途端、大仰に座っていた三人の魔王が頭を下げてひれ伏した。
『ベルゼートが殺られたそうだな』
『申し訳ありませぬ、絶対主。しかしベルゼートの奴は我等の中でも格下、計画に支障は出ませぬ』
『その話だが、どうやら女神が小細工を弄したようだ。私の計画を知った奴は異世界の人間に助力を求めたのだ』
『異世界の人間……でしょうか』
『そうだ、ベルゼートは異世界の人間に殺られたのだ』
『……なんと』
『私が復活するまで、まだ時間がかかる。魔王達よ、その時までに人間共を滅ぼしておくのだ』
『『ハッ!!』』
命令を下すと、声の主の反応がなくなる。どうやら眠りについたようだ。
『『……』』
魔王達は深いため息を吐くと、玉座に腰を下ろした。
『はーびっくりしたぁ。突然声を出すんだもの』
『ウム、心臓に悪いな。あ、儂心臓無いんじゃった、ガッハッハッハ!』
『つまんな』
『何を馬鹿なことを言っている』
『っていうかさー、いくら主様の命令だからって人間滅ぼすのメンドくなーい?かったるいわぁ』
『こら、滅多なことを言うんじゃない。まあ気持ちは分からなくもないがの』
『……取り敢えず、その異世界の人間とやらには警戒しておこう』
『はいはーい』
『了承した』
三人の魔王は話し終えると、それぞれの居場所へと帰っていった。
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