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俺はお嬢様が恋をしたことに気付いていない  作者: 海原羅絃
第2部 第1章 進級と記憶とお嬢様
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第十三話 お花見開始!!

お久しぶり&あけましておめでとうございます&どうも迷惑かけてすみませんでした。

 二年ぶりですかな? 長らくお待たせしました。

 外内さんの豪快なドライブは20分足らずで終了した。

 ジェットコースターはさすがに語弊だが、カーブに差し掛かった時のドリフトが半端じゃない。もう、レーサー並み。

 無事お花見の会場へと着いた俺たち。そこから徒歩で三分の目的の場所へ着く。

 場所取りはすでに済ませてあるため、俺の仕事は鈴川を無事にここまで安全に連れていくことだ。

 「お、来たぞ!!」

 準備をしていた男子生徒が声音を上げた。

 それに反応したクラスのみんなが歓声を上げた。

 「鈴川さん、よく来てくれたね」

 「鈴川さん!! こっちに美味しいものあるわよ!!」

 「荷物重たくない? 持とうか?」

 みんなが鈴川に接しているところを見ると、心がほっとした。

 一日貸切状態の会場は、笹野川学園の生徒でいっぱいだった。

 「これで一安心ね」

 声をかけてきたのは賀川だった。なぜ割烹着なのか、そこはあえて突っ込まないでおこう。

 「あんなに嬉しそうな顔、初めて見たんじゃない?」

 「そういうお前もそうなんじゃないのか?」

 「そうでもないかな。私より、君といるときの蘭はもっとうれしそうだったけれど」

 俺といるときの鈴川か……

 あんな風に生徒に囲まれて、うれしそうな表情を見せるなんてなかったからな。

 『あー、テステス。マイクテスッ。えー、生徒のみなさん。こんにちは。生徒会長の安里壮也です。今日はお花見会に参加いただいた生徒のみなさん、感謝しています。今日は理事長が一日貸切にしてくれたので、思う存分、日ごろの疲れをここで放出しましょう!!』

 生徒会長の言葉と共に、全校生徒が歓声を上げた。

 ってか、歌舞伎役者のようにメイクしている会長だが、どこのライブ会場? 悪魔の儀式?

 「ほら、蘭のところに行ってやりなさい」

 賀川に催促され、無言でうなずいて行った。

 「あ、瀬原君」

 俺に気づいた鈴川は、周りを囲んでいた生徒に一声かけ、俺に歩み寄ってきた。

 「向こうで利華たちがいるから、俺たちも行こうか」

 「わかりました」

 うおっ、めっちゃいい笑顔じゃん。

 顔、赤くなってねえよな?

 頬を触ってわざわざ確認するところが挙動不審か。

 「熱でもあるんですか?」

 そして追い打ちの顔のぞき攻撃。

 びっくりして一気に体温が上がった気がする。

 「いや、大丈夫だよ。悪いな」

 それにしても、破壊力抜群だよな。

 落ちちゃいそうだ。

 「おお、うわさの二人が来たぞ!!」

 テンションがやけに高いのは、俊哉だ。酔っているのかと疑うくらい、異様なテンションだ。とりあえず暑苦しいから近づくな。

 「蘭、オレンジジュースでも飲む?」

 「あ、ありがと」

 「それにしても、よくこんな豪華な場所借りられたよな」

 「理事長が理事長だからしょうがないだろ」

 「本当は蘭の退院を祝って企画したらしいよ」

 俺と俊哉の会話に入ってきたのは、春富だった。

 ネクタイを頭に巻きつけているということは、すでに酔っているのでしょうか?

 っていうか、それは親父がやることだろ。女の子がやるな。周りがみているぞ。

 退院祝いで新宿御苑を貸し切ったのか……

 財力……というか、職権乱用だな。まさしく。

 そして、お花見が始まって数時間後のことだった。

 『えー、盛り上がっているところ恐縮ですが、ここで生徒会から企画を催したいと思います。名付けて……』

 聞いたことのあるBGMが、どこからか聞こえてくる。

 『チキチキ!! 恒例のお花見のど自慢大会!!』

 軽快なドラム音のあとに、ジャン!! という音に合わせて、生徒会長が大きな声で言った。

 恒例なんだ。のど自慢大会って。

 『さあ、このステージにまず上がるのは……』

 「この俺だ!!」

 「俊君!?」

 名乗りを上げたのは、俊哉だった。

 『おっと、ここで名乗りを上げたのは、我が生徒会役員の大事な後輩である、賀川利華の彼氏の林俊哉だぁぁぁぁぁ!!』

 全校生徒の前で、堂々と言いふらした会長。

 もちろん、賀川の顔は真っ赤だが俊哉はそんなこと全く気にしていない。

 『歌う曲は……ふむふむ。おっと! ミス○ルの365日だ!!』

 『利華ぁぁ!! 俺の歌声聞いとけ!!』

 本音なのか、酔っているのか判断できないテンションだな。

 イントロが流れだし、生徒全員が手拍子を始めた。

 俊哉の歌声は、透き通るように会場を包み込み、聞いている人全員を魅了していた。

 俺の隣に座っている利華は、死にそうな顔をしていた。

 最後のフレーズを歌い終わると、盛大な拍手が巻き起こった。

 『彼女の賀川さん。如何だったでしょうか?』

 気づいたら予備のマイクが賀川に向けられていた。

 夢中になっていたから全然わからなかった。賀川も同じようで、びっくりした声がマイクに入り、会場を笑いに包み込んだ。

 顔を赤らめながらも、

 「か、かっこよかったです」

 そのコメントに、冷やかしの歓声。

 もうなんかのライブ会場かよ。俊哉、歌手に転向しろ。

 「ちょっと待ったぁ!!」

 その声は、マイクなしの地声で聞こえてきた。

 視線はその声の主へ集中。

 『おっと、ここで乱入者かぁ!?』

 うれしそうに言うなよ、会長。

 どうやら男子生徒のようだ。場所からして一年生だけれど……何が目的なんだ?

 男子生徒はステージへ上がり、生徒会長のマイクを奪ってはこう言う。

 「お姉のバカヤロォォォォォォ!!」

 へ?

 頭にはてなマークを浮かべたのは俺だけじゃなかった。

 お姉? だれ? 誰のこと?

 同時に、賀川が体を震わせて下を向いていた。

 まだ春なのに、すごい汗かいているけれど大丈夫か?

 「こんな冴えない奴のどこが好きになったんだ!! 去年、彼氏は作らないとか言ったくせして、言っているそばからリア充じゃねえか!!」

 あー、これは。

 春富は笑いをこらえているし、鈴川も面白そうだからとりあえず笑っておうとしているけれど、笑えてないぞ。

 「おい、大丈夫か?」

 念のため声をかける。

 「だ、だ、だいじょ、だいじょーぶよ。ぜーんぜん、だ、だいじょーぶだから」

 顔がめっちゃ青い。呂律回っていない。図星じゃねえか。

 『えっと、君の名前は何かな? お姉さんて誰かな?』

 会長がさりげなくマイクを取り返す。

 さらに男子生徒は、会長からマイクをひったくる。ってかもう一個マイク用意しろよ。

 『俺は賀川浩太!! あそこにいる、賀川利華の弟だ!!』

 会場がざわついた。

 無理もない。この学園で数少ない美女の弟となれば、ざわめくのも無理はない。

 『お前に利華の弟だっていう証拠はどこにあるんだよ!!』

 なぜそこで意地を張るんだよ。

 『ふん!! 賀川利華。1997年10月19日生まれ。血液型はAで好きな食べ物はチーズケーキ。家族は父、母、双子の弟と妹。これでも信じられないのなら……』

 賀川の弟は不敵の笑みを浮かべた。

 『スリーサイズを知っているぞ』

 「いやあああああああああ!!」

 まるでとどめの右ストレートを入れられたボクサーのように、賀川は無念の敗退を喫した。

 そして、それを聞いた猛者どもは雄たけびを上げた。

 『どうだ、これで俺が正真正銘、弟だってわかっただろ?』

 『わかった!! わかったからスリーサイズ教えてくれ!!』

 うわ、俊哉最低。

 荒れ狂うステージ前と、吹雪が舞う賀川の周辺。

 嫌な予感が起きなければいいんだけれどなぁ。

 改訂版をあれこれ書いていたんですが、やっぱり原型のままがいいと思って……二年もスパンがあったのに相変わらず文章力はゴミです(笑)

 ちょくちょく更新はしていくので、よろしくお願いします。

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