第十三話 お花見開始!!
お久しぶり&あけましておめでとうございます&どうも迷惑かけてすみませんでした。
二年ぶりですかな? 長らくお待たせしました。
外内さんの豪快なドライブは20分足らずで終了した。
ジェットコースターはさすがに語弊だが、カーブに差し掛かった時のドリフトが半端じゃない。もう、レーサー並み。
無事お花見の会場へと着いた俺たち。そこから徒歩で三分の目的の場所へ着く。
場所取りはすでに済ませてあるため、俺の仕事は鈴川を無事にここまで安全に連れていくことだ。
「お、来たぞ!!」
準備をしていた男子生徒が声音を上げた。
それに反応したクラスのみんなが歓声を上げた。
「鈴川さん、よく来てくれたね」
「鈴川さん!! こっちに美味しいものあるわよ!!」
「荷物重たくない? 持とうか?」
みんなが鈴川に接しているところを見ると、心がほっとした。
一日貸切状態の会場は、笹野川学園の生徒でいっぱいだった。
「これで一安心ね」
声をかけてきたのは賀川だった。なぜ割烹着なのか、そこはあえて突っ込まないでおこう。
「あんなに嬉しそうな顔、初めて見たんじゃない?」
「そういうお前もそうなんじゃないのか?」
「そうでもないかな。私より、君といるときの蘭はもっとうれしそうだったけれど」
俺といるときの鈴川か……
あんな風に生徒に囲まれて、うれしそうな表情を見せるなんてなかったからな。
『あー、テステス。マイクテスッ。えー、生徒のみなさん。こんにちは。生徒会長の安里壮也です。今日はお花見会に参加いただいた生徒のみなさん、感謝しています。今日は理事長が一日貸切にしてくれたので、思う存分、日ごろの疲れをここで放出しましょう!!』
生徒会長の言葉と共に、全校生徒が歓声を上げた。
ってか、歌舞伎役者のようにメイクしている会長だが、どこのライブ会場? 悪魔の儀式?
「ほら、蘭のところに行ってやりなさい」
賀川に催促され、無言でうなずいて行った。
「あ、瀬原君」
俺に気づいた鈴川は、周りを囲んでいた生徒に一声かけ、俺に歩み寄ってきた。
「向こうで利華たちがいるから、俺たちも行こうか」
「わかりました」
うおっ、めっちゃいい笑顔じゃん。
顔、赤くなってねえよな?
頬を触ってわざわざ確認するところが挙動不審か。
「熱でもあるんですか?」
そして追い打ちの顔のぞき攻撃。
びっくりして一気に体温が上がった気がする。
「いや、大丈夫だよ。悪いな」
それにしても、破壊力抜群だよな。
落ちちゃいそうだ。
「おお、うわさの二人が来たぞ!!」
テンションがやけに高いのは、俊哉だ。酔っているのかと疑うくらい、異様なテンションだ。とりあえず暑苦しいから近づくな。
「蘭、オレンジジュースでも飲む?」
「あ、ありがと」
「それにしても、よくこんな豪華な場所借りられたよな」
「理事長が理事長だからしょうがないだろ」
「本当は蘭の退院を祝って企画したらしいよ」
俺と俊哉の会話に入ってきたのは、春富だった。
ネクタイを頭に巻きつけているということは、すでに酔っているのでしょうか?
っていうか、それは親父がやることだろ。女の子がやるな。周りがみているぞ。
退院祝いで新宿御苑を貸し切ったのか……
財力……というか、職権乱用だな。まさしく。
そして、お花見が始まって数時間後のことだった。
『えー、盛り上がっているところ恐縮ですが、ここで生徒会から企画を催したいと思います。名付けて……』
聞いたことのあるBGMが、どこからか聞こえてくる。
『チキチキ!! 恒例のお花見のど自慢大会!!』
軽快なドラム音のあとに、ジャン!! という音に合わせて、生徒会長が大きな声で言った。
恒例なんだ。のど自慢大会って。
『さあ、このステージにまず上がるのは……』
「この俺だ!!」
「俊君!?」
名乗りを上げたのは、俊哉だった。
『おっと、ここで名乗りを上げたのは、我が生徒会役員の大事な後輩である、賀川利華の彼氏の林俊哉だぁぁぁぁぁ!!』
全校生徒の前で、堂々と言いふらした会長。
もちろん、賀川の顔は真っ赤だが俊哉はそんなこと全く気にしていない。
『歌う曲は……ふむふむ。おっと! ミス○ルの365日だ!!』
『利華ぁぁ!! 俺の歌声聞いとけ!!』
本音なのか、酔っているのか判断できないテンションだな。
イントロが流れだし、生徒全員が手拍子を始めた。
俊哉の歌声は、透き通るように会場を包み込み、聞いている人全員を魅了していた。
俺の隣に座っている利華は、死にそうな顔をしていた。
最後のフレーズを歌い終わると、盛大な拍手が巻き起こった。
『彼女の賀川さん。如何だったでしょうか?』
気づいたら予備のマイクが賀川に向けられていた。
夢中になっていたから全然わからなかった。賀川も同じようで、びっくりした声がマイクに入り、会場を笑いに包み込んだ。
顔を赤らめながらも、
「か、かっこよかったです」
そのコメントに、冷やかしの歓声。
もうなんかのライブ会場かよ。俊哉、歌手に転向しろ。
「ちょっと待ったぁ!!」
その声は、マイクなしの地声で聞こえてきた。
視線はその声の主へ集中。
『おっと、ここで乱入者かぁ!?』
うれしそうに言うなよ、会長。
どうやら男子生徒のようだ。場所からして一年生だけれど……何が目的なんだ?
男子生徒はステージへ上がり、生徒会長のマイクを奪ってはこう言う。
「お姉のバカヤロォォォォォォ!!」
へ?
頭にはてなマークを浮かべたのは俺だけじゃなかった。
お姉? だれ? 誰のこと?
同時に、賀川が体を震わせて下を向いていた。
まだ春なのに、すごい汗かいているけれど大丈夫か?
「こんな冴えない奴のどこが好きになったんだ!! 去年、彼氏は作らないとか言ったくせして、言っているそばからリア充じゃねえか!!」
あー、これは。
春富は笑いをこらえているし、鈴川も面白そうだからとりあえず笑っておうとしているけれど、笑えてないぞ。
「おい、大丈夫か?」
念のため声をかける。
「だ、だ、だいじょ、だいじょーぶよ。ぜーんぜん、だ、だいじょーぶだから」
顔がめっちゃ青い。呂律回っていない。図星じゃねえか。
『えっと、君の名前は何かな? お姉さんて誰かな?』
会長がさりげなくマイクを取り返す。
さらに男子生徒は、会長からマイクをひったくる。ってかもう一個マイク用意しろよ。
『俺は賀川浩太!! あそこにいる、賀川利華の弟だ!!』
会場がざわついた。
無理もない。この学園で数少ない美女の弟となれば、ざわめくのも無理はない。
『お前に利華の弟だっていう証拠はどこにあるんだよ!!』
なぜそこで意地を張るんだよ。
『ふん!! 賀川利華。1997年10月19日生まれ。血液型はAで好きな食べ物はチーズケーキ。家族は父、母、双子の弟と妹。これでも信じられないのなら……』
賀川の弟は不敵の笑みを浮かべた。
『スリーサイズを知っているぞ』
「いやあああああああああ!!」
まるでとどめの右ストレートを入れられたボクサーのように、賀川は無念の敗退を喫した。
そして、それを聞いた猛者どもは雄たけびを上げた。
『どうだ、これで俺が正真正銘、弟だってわかっただろ?』
『わかった!! わかったからスリーサイズ教えてくれ!!』
うわ、俊哉最低。
荒れ狂うステージ前と、吹雪が舞う賀川の周辺。
嫌な予感が起きなければいいんだけれどなぁ。
改訂版をあれこれ書いていたんですが、やっぱり原型のままがいいと思って……二年もスパンがあったのに相変わらず文章力はゴミです(笑)
ちょくちょく更新はしていくので、よろしくお願いします。




