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俺はお嬢様が恋をしたことに気付いていない  作者: 海原羅絃
第2部 第1章 進級と記憶とお嬢様
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第十二話 お花見準備及び雑談

爆弾投下しますww

 とある昼休み、蓮司たち青春乙の男子部員は部室でたむろをしていた。

 時間的にお昼休みであるため、こんなところで先生に見つかっても何の文句も言われない。

 春の暖かい日差しが南の窓から射している。

 そこに蓮司は座り太陽の光を存分と堪能していた。

 「お花見だよな」

 ポカポカ気分になりながら俺はとりあえず思ったことを言ってみた。

 「急にどうした」

 「いや、お花見なんだなって思ってさ。ほら、今週だろ?」

 「そう言えばそうだったな」

 俺の指摘に友人、俊哉は読んでいた雑誌から顔を上げていた。

 右手には箸を持ち、その橋で昼食を取りながら雑誌を読んでいたのである。

 その横に座っている田中と佐藤も購買で買ってきたパンを食べながら文庫本らしきものを読んでいる。

 大野とはというと俺の横でぐってりとしていた。

 具合が悪いからではない。単純に寝ているだけ。

 俺も目の前に置かれたビニル袋から今朝コンビニ買ってきたパンを取り出す。

 ついでに購買で買ってきたコーヒー牛乳も開ける。

 「そういえば賀川たちは?」

 青春乙の女性部員、鈴川蘭と賀川利華と春富瑠奈の姿が今日はない。

 別に毎日この全員で昼食を共にしているわけではない。

 彼女らも数少ない高校生活の中で友達と一緒にお弁当を食べたいと思っているかもしれない。そう思った俺たちは考慮した末、定期的に誘うのは止そうという事だ。

 ちなみに俺たちはそんな考えは持っていない。だって俺が教室で食えば屯田返しだろ?

 だったら俺たちは俺たちで飯を食えばいい。

 「利華は生徒会の仕事で今生徒会室。なんかお花見の事らしい。鈴川たちは知らない」

 「瑠奈たちならアゲセンに呼ばれてどこか言ってたよ」

 いつの間にか春富と名前で呼ぶ仲になっている大野が答えた。相変わらず顔面で直射日光を堪能・・・というか当てている。

 俺は適当に相槌を打ちながらパンを食べる。

 「そういえばお前も大丈夫なのかよ。お花見の方の準備は」

 すでに弁当を片づけ、雑誌に直視していた俊哉が俺に聞いてきた。

 もちろん大丈夫ではない。いまだに何を作ればいいのか迷っているし今週中に決めても間に合わないから今日あたり考えなきゃやばい。

 「正直言うとやばい。何作るのか決まっていないし」

 「おにぎり適当に作ってくればいいんじゃねえか?」

 こちらは始めからお花見の手伝いをしようともせずにさっきの様な無礼な事を言う田中君です。

 とりあえず俺は田中の頭を鷲掴みする。

 「って!!って!!」

 髪の毛も一緒に持って行っているから結構痛いんだな。

 「何すんだよ!」

 「いや、お前言うだけ言って結局何もしないパターンだからさ。ちょっと今までの借りを」

 「何それ?俺なんか理不尽じゃね」

 残念ながらここに数々の理不尽を乗り越えてきた奴がいるんだよ。

 というかまず田中の言う事は大体自分は関係ないですよオーラ出しているからな。そこが何かとむかつく。

 さっきの発言なんて適当なんてものじゃない。

 もうお花見自体どう手もいいようにしか見えない。

 「ったくよ、人が読書しているのに」

 「読書?珍しいな。まさかお前が読書なんて」

 俊哉が田中が読書していることを聞くと目が少し吊り上り顔もだいぶ引き攣っている。

 「あ・・・ああ。最近嵌ってな。太宰治とか読んでいるんだよ」

 「ふーん。佐藤は?」

 「あ?俺はラノベだけれど」

 ラノベ・・・・・・ってあれか。

 この前教室で佐藤が本を読んでいるときに話しかけたらたまたまその本の話になったんだっけ。

 佐藤って案外見かけによらずマニアックな趣味しているからな。

 まあ貧乳とかそのへんのマニアックではないがいろいろと俺も知らない趣味持っているんだなと思った。

 田中はそんな趣味持っていなさそうだしどちらかと言えばビジュアル系?

 でもあいつだとスケボーやっていたからな。まさか田中が・・・・・

 「どんなの読んでいるんだ?」

 面白半分で俊哉は佐藤に聞く。

 何かあるとは思うけれど俺は聞きいることにした。

 大野も面白そうだから起こそうと思ったがあまりにも気持ちよく寝ているから起こさないことにした。

 「この前の続きの巻なんだけれどあれ、幼馴染と彼女が修羅場する奴」

 ・・・・俺も聞いたことのあるタイトルだった。

 たしか、主人公が極度の恋愛アンチで親の影響で恋愛なんて一切しない高校生。

 大して幼馴染の女の子はモテまくりになると宣言するが主人公は全く興味持っていない。

 ある日、主人公はモテまくりの美女に告白されるがそれは『偽彼氏フェイク』としての意味だった・・・・なんていうあらすじだったような。

 アニメは見ていないが少しだけ本屋で読んだ記憶がある。

 「へぇ、面白そうじゃん。今度俺にも見せてな。で、田中は何を読んでいるのかな?」

 俊哉、目が完全に逝っているぞ。

 「だから言っただろ?文学だって。ラノベとか禍々しいもの読まねえよ」

 田中も田中でバレバレ。もうちょっとわかりにくい嘘つけよ。

 「そうかな~~~?」

 目が逝っている俊哉はさらに動作も逝ってしまっている。

 「で、お前はどこまで読んだんだ?」

 突然、俊哉は訳の分からない質問をしてくる。

 「まだ途中だけれど・・・・・主人公が本来の力を・・・・って!?何言わせるんだよ!!」

 まんまと引っかかりやがったし・・・・・案外鈍いんだな。

 「で、どんな本だ?」

 「なんで蓮司まで知りたがるんだよ!!」

 「別にいいじゃねえかよ。エロい本ではないことぐらいわかるから」

 その断定すべき根拠は一体どこから来るんだよ。

 俊哉はサッと田中の手から本を取り上げ、ブックカバーを開けて中を確かめた。

 「へえ・・・・なるほど」

 一体どんな本なんだよ。

 俺は俊哉の顔にかぶさるように見る。

 「これってつい最近文庫化した奴じゃん」

 「え?蓮司知っているの?」

 「知っているも何もネットで読んでた」

 「へえお前も案外マニアックな趣味なんだな」

 誰のこと言っているのかわからないがおそらく俺の事だろう。

 でも俊哉にも言われたくはないな。あいつの趣味は明確に知らないけれど俺よりマニアック、下手をすれば悪態かもしれない。

 ちなみにその小説のあらすじは魔法を使う世界。

 魔法が当たり前の世界。

 生まれつきレベル0という主人公が学内最高にいる同級生と遭遇したところで物語が始まるって・・・・・

 「まあ、大体は俺も予想できていたけれどな」

 「だったら言ってくれよー」

 ばれたことを言われなかったのか、ぐったりとうなだれる田中。完全に俊哉に遊ばれていたという訳か。 

 「さて、そろそろ教室に戻るか」

 「次の授業なんだっけ?」

 「次確か体育だよ」

 「げ、まじかよ。蓮司、体育だから急ごうぜ」

 「分かった」

 先に俊哉たちを行かせてて俺は自分の食ったものの後片付けをする。

 「大野、次体育だから急げよ」

 「今日保健だよ」

 「は?」

 大野の言葉に俺は動かしていた手を止めた。

 「なんで保健」

 「今日あれだって言ってたじゃん。一年のところやっていなかったから保健になるって」

 そういえばそうだったような・・・・・

 毎回毎回アゲセンの話はどうでもいいからついついスルーしてしまう。

 「というわけだから俺はもう少し寝てる」

 ・・・・・さようですか。

 ちなみにこの後、俊哉たちが間違えたとして遅れてきたのは言うまでもない。













 土曜日、今日はお花見の日である。

 俺は前日から材料の用意などでいろいろ忙しく、今日も朝早くに起きる羽目になったからなかなかのハードスケジュールである。

 鈴川が手伝いに来るとか言っていたけれど俺は彼女にも早朝から手伝いなんてさせたくないから丁重に断っておいた。

 前のあいつなら断っても来るだろうけれど。

 とりあえず俺は全員分の食い物が入るようなものを用意し急いで作る。

 俺が作る物は鶏肉の空揚げに煮物、そしておにぎりだ。

 正直一番難関なのはおにぎりだ。クラスのみんなからおにぎり一個分ぐらいの米を持ってきてくれたんだけれどあまりにも量が多すぎる。

 炊飯器にもはみ出すくらいだからとりあえずおにぎりのほうは俊哉たちにも任せている。

 ご飯が炊くまでまだ時間があるからその間に唐揚げを作ってしまう。

 そして一通りあげたところでおにぎりを作る。そんな同時進行をしていたらあっという間に時間が過ぎてしまった。

 「やべ、早くしなきゃ遅れる」

 遅れるのはお弁当のほうではない。お弁当のほうはすでにできているがまだ着替えていないのだ。それに鈴川の家まで迎えに行かなければならない。

 駆け足で二階に上がり今日の服をチョイスする。

 特にこだわりはないが一応えりすぐりのを選んでみようと思う。

 コーディネートを済ませて俺は再び下へ通りる。携帯を確認するとメールが二件着ていた。

 


 【件名:無題】

 【生徒会長が着いたら入り口に来てほしいだって】

 送信主は賀川だ。

 そしてもう一通は・・・・・・



 【件名:・・・・・】

 【おにぎりの具が全部たらこ・・・・・】

 


 は?

 おにぎりの具全部たらこ・・・・・て、

 「何!!こいつまさかミスったのか?」

 おにぎりの具が全部たらこはかなり問題あるけれどそれ以前に配分ミスをおもっきりしている。

 これじゃあ一クラスはおにぎり全部たらこだな。

 賀川のメールに返信して俊哉のほうは放置。

 俺は鈴川にメールを送る。

 弁当など自分で作ったものを持って靴を履く。

 時間はまだ余裕だから焦る必要はないだろう。

 俺は時間を確認して家を出た。









 やはり鈴川の家はいつみてもでかい。

 そこらの大富豪とは違うのもよくわかる。だって家にプールが二つもあるんだぜ?

 それだけでも見てしまうとかなり裕福なんだなってつくづく・・・・・

 「どうされましたか、瀬原様」

 俺が考え事をしていたら鈴川家の使用人、外内さんが俺に声をかけてきた。

 「ああ、外内さん。お久しぶりです」

 「そこまで久しくはないですが。豪い荷物をお持ちのようですね」

 相変わらず俺の前では日に日に無感情な言葉でかけてくるよな。なんかちょっと悲しいようで切ない・・・・・

 「これは今日の昼食です」

 俺はそう答えると外内さんはジト目で俺の持っているケースを見る。

 「送ります」

 「はい?」

 「送っていきます」

 は?送っていく?誰を?

 外内さんのジト目は変わらない。けれど、明らかにその言葉は俺に向けているようだった。

 「そんな重たい荷物を持ってもしお嬢様が襲われたどうするんですか?」

 「それは・・・・・・」

 事実、そこまで考えていなかった。というか頭の中にそんなことはいるわけない。

 「しょうがないので私が送ります。行き先は新宿御苑前駅でいいんですね?」

 「え・・・は、はい」

 しょうがない。こうなったら同情するしかないもんな。

 数分後に外内さんは鈴川を連れて出てきた。

確かに今日の鈴川の服装からして周りの視線を鍵漬けにするほど強烈かもしれない。

「あまりじろじろ見ると死刑にしますよ」

 いったいどんなお仕置きですか?それ。

 とりあえず俺は玄関前に用意されたリムジンに乗る。¥このリムジンに乗るのは去年のあのパーティー以来だ。

 ってかあれ?運転手いないじゃん。

 俺が乗った時は確かにいたんだけれど・・・・・

 「さあ行きますよ」

 そういって車に乗ってきた外内さん。

 両手にはなんやら指ぬきグローブがはめられている。

 えっと・・・・これはどういったフラグですか?

 「お嬢様。しっかりつかまっていてください。瀬原さん」

 「な、なんでしょうか?」

 「地獄のドライブが始めるのでシートベルトの着用を」

 「え」

 俺が驚きの声を上げると同時に車はすでに発進していた。

 もちろん俺は地獄へ・・・・・行きました。


言っておきますがレベル0の能力者は書籍化していませんからww

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