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平凡の、その先に。  作者: ちょむ
平凡な、日常。
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5/9

平凡少女とツンデレ藍さん。

うううう、スランプ…!


 唐突だが、妹という存在って、何なんだろう、と思う事が良くある。


例えば、妹が私の物を欲しがった時であったり、

お姉ちゃんにいじめられたと言って、母に告げ口をする妹を見た時であったり。

(そのあときっちり私は怒られた)


ニヤニヤする妹は、びっくりするくらい憎らしくて、でも何だか可愛くて。

両親や友達と対峙するときとは違う、なんかこう…ぐにゃぐにゃで、それでいて……何だか……。


例えるとするなら、そう、こんにゃくみたいな…いや、少し違う。


少し、私には難しいみたいだ。

いまいち良く分からない。


良く分からないし、上手く言うことは出来ないが、本当、憎らしくも可愛い妹(こいつ)って、何なんだろうと思う。


まぁ、

実を言えば、今現在も思っていたりするのだが。



「お姉ちゃんは地獄に堕ちればいいと思いました。まる。」


玄関の扉を開けた瞬間、聞こえてきたのは、お帰り、といういつも通りの台詞ではなく、攻撃力抜群の台詞。


声の主は、私の目の前で仁王立ちしている私の妹、佐藤 藍(らん)だ。


父親譲りの天然パーマの髪の毛をポニーテールにし、母親譲りの切れ長の目を尖らせた、小生意気な小学四年生。


ストレートの髪の毛を、手入れが面倒くさいという理由でショートにし、父親の顔の遺伝子を受け継いでしまったせいで、よく童顔(ベビーフェイス)と言われる私とは正反対の藍。


小学生にしてこの威圧感。

こいつ、ただ者ではない。


…いや、所詮私の姉妹なのだから、平凡以外の何者でもないのだけれどもね。


でも。


本当、妹(こいつ)って何なんだろう。


かろうじて人間なのは知っているよ、最近知った。

(失礼だとか言わないの、お姉ちゃんなんてものは大体そんなものだよ)


でもね、藍。

君は分かっているのかな、私はお姉ちゃんだよ。

君より七歳も人生の先輩なんだよ。



その態度はいくらなんでも無いんじゃないかな。


まぁ、別にいいけど。

もう、今更慣れたけど。


でも、もう少し労ってくれてもいいと思う。

今日はいつも以上に数学はちんぷんかんぷんだったし(さらに眠かったし)、それだけじゃなく、カオスかつ非凡な霧雨家で多大なカロリーを消費してきたんだ。

仮にもお姉ちゃんなんだし、お疲れ様の一声ぐらい欲しい。


それを…何?

君は私が地獄に堕ちればいい、と?

さっぱり理解出来ない。

よって、姉の威厳をふんだんに使って、一言言わせてもらうこととしよう。



「ゴメンナサイ」


「お姉ちゃん、ごめんで済んだら警察は要らないんだよ」


ああもう、妹より、私って一体何なんだろう。

妹に頭の上がらない姉って何なんだろう。


なんか泣きたくなってきた。


すん、と鼻を鳴らし、くたびれたローファーを脱ぐ。

癖になりそうな足の開放感に、ほっと息を吐いた。


「で、藍さんはどうして怒ってらっしゃる」


そっぽを向く藍の頭に手を置くと、触んないでよ、と言われた。

ムカついたからわしゃわしゃ撫でてみる。

このクソ虫がって言われた。

泣きたい。



「あら何やってるの?」


「母さん、」


どうやらへそを曲げてしまった様子の藍に苦笑していると、エプロンで手を吹きながら出てきたのは私の母。


佐藤 道子(みちこ)、自称永遠の17歳。


ちなみに、怒ると怖い。

母が怒ると父が涙目になるくらいだ。


そして、かなりの適当発言をかます。

しかもそれが、意外と爆弾だったりするから怖い。


例えば、こんな風に。


「藍、お姉ちゃん困らせたら駄目よ。困らせたらね、お姉ちゃんはネガティブの塊だから、鬱とか引きこもりになっちゃうの」


ならねぇよ。

その言葉は、はっとした様子の藍の顔を見て引っ込んだ。


えっ?と、鳩が豆鉄砲食らったような顔でこちらを凝視する藍。

藍はまた母さんに騙されているようだ。

だって藍の顔が、申し訳なさそうなへにゃりとした顔になったから。


そして段々、顔が赤くなる。

ふい、とそっぽを向いて、ツンデレ藍さんは言った。


「しーちゃんち、藍も行きたかったんだもん。お姉ちゃんばっかズルい」


ふふ。

憎たらしいけど、可愛い奴なんだ。

むすっと膨らんだ頬っぺたが可愛い。

やっぱり妹って不思議な存在だと思った。

……色んな意味で。


「ねぇ、何で藍はしーちゃん大好きなの?」


「しーちゃんは藍の師匠だもん!」


「あ、そうですか」



藍(こいつ)は不思議な奴である。

あの天上天下唯我独尊な変人しーちゃんが大好きなのだ。

尊敬する人はしーちゃん。


藍の神経は良く分からないけど、猪突猛進型の藍(こいつ)に何いっても無駄だということはよく知っている。


今度は絶対一緒に連れてってね!絶対だよ!とキラキラした瞳で叫ぶ藍に適当にハイハイ、と返し、はぁ、とため息を吐いた。


出た!お姉ちゃんのネガティブため息!とか藍が言ってるけど、気にしない。


とりあえず、これだけでも言わせてください。


「ただいま」


「「お帰りなさい!」」


平凡な台詞って最高だな、と思いました。まる。


作文?


あ、お父さんが出てきてない。

どうしよ!

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