↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season15 数字は嘘をつかない、嘘つきは数字を使う  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season15 数字は嘘をつかない、嘘つきは数字を使う
PR
2/22

第1章 はじまり

[ぽかぽか邸・柊(しゅう)と環(たまき)の寝室/朝]



「環(たまき)、大丈夫か?」


「……え?柊(しゅう)!今何時ですか?」


柊(しゅう)は環(たまき)の横に座り


「ん?7時。そろそろ起きないと……」


環(たまき)はもぞもぞ起き上がり


「……!あ〜寝坊しました〜」


「ははは……まだ大丈夫だよ」


環(たまき)の頭をなでる。


「え〜でも〜寝すぎました〜」


柊(しゅう)に抱きつき甘える環(たまき)


「ほら、準備しろ〜」


そう言いながらも、柊(しゅう)は満面の笑みで環(たまき)を抱き返す。


「は〜い……あれ?柊(しゅう)、はなしてください〜準備できません〜」


「う〜ん、もう少し……」


「……柊(しゅう)?……ホントに遅刻しちゃいますよ〜」


「う〜ん……そうだな……続きは夜に……」


柊(しゅう)がやっと環(たまき)を解放し


「環(たまき)、朝食できてるから……」


「は〜い。あリがとうございます、柊(しゅう)……」



◇◇◇



[ぽかぽか邸・リビング/午前7時半]



「あれ?柊(しゅう)先輩、環(たまき)さんは?」


「あぁ……今、準備してる」


「めずらしいですね。環(たまき)さんいつも早いのに……

 あーでも、昨日も遅かったですしね……」


「そうだな……まぁ、たまにはな……」


リビングへ入ってくる環(たまき)。


「ちょっと遅くなっちゃいました〜」


「環(たまき)さん、おはようございます」


「凪(なぎ)くん、おはよう……」


環(たまき)が言ったとたん


「わぁっ!」


凪(なぎ)がコーヒーカップを倒した。


「あ~やったな……」

「凪(なぎ)くん大丈夫ですか?」

「あ〜ごめんなさい……」


柊(しゅう)がキッチンからペーパータオルを持って環(たまき)に渡す。


「環(たまき)、大丈夫か?これ……」


「柊(しゅう)……あリがとうございます……凪(なぎ)くん服、大丈夫?」


「ゴメンナサイ……環(たまき)さん、服は……大丈夫みたいです。」


「朝から忙しないな……」


「すみませんっ」


「こんな日もありますよ〜」


「コーヒーなくなっちゃった……」


「しょうがない……もう1回淹れるか」


「柊(しゅう)先輩、あリがとうございます!」



◇◇◇



[アークシステムズ/午前]



ぽかぽか邸を出て、仕事へ向かう。


アークシステムズのオフィスに到着すると、

環(たまき)はいつものようにバッグをデスクの横に置き、電源を入れた。


「……今日も、平和だといいですね〜」


ぽつりと、独り言のように呟(つぶや)く。


そのとき、柊(しゅう)の端末に通知音が鳴った。


「……ん?」


画面を確認した柊(しゅう)が、少しだけ表情を引き締める。


「凪(なぎ)、環(たまき)。新規の依頼が来た」


「え、もうですか?」

「どこからです?」


「デザイン制作会社……アスペクト」


環(たまき)が顔を上げる。


「アスペクト……?」


「中規模の制作会社だな。

 社内システムの刷新と、サーバー環境の再構築が主な要望みたいだ」


凪(なぎ)が画面を覗き込みながら言う。


「紙管理とExcel管理からの脱却、ですか。

 請求漏れとか、データの取り違え……よくあるやつですね」


「リモートワーク導入も視野に入れてるみたいだ」


柊(しゅう)は静かに頷いた。


「規模的にも、内容的にも、うちにちょうどいい案件だな」


環(たまき)は、なぜか胸の奥が、少しだけ「チクッ」とした。


(……なんだろう。

 この会社名……さっきから、引っかかるような……)


「環(たまき)?」


「……あ、いえ。なんでもないです」


環(たまき)は慌てて首を振り、微笑む。


「じゃあ、まずはヒアリングですね」


「そうだな。先方と日程を調整する」


柊(しゅう)はそう言って、返信を打ち始めた。


その時はまだ、誰も知らなかった。


この依頼が、

才能と数字と嘘が絡み合う事件の入口になることを。

そして環(たまき)の中に残った、

小さな違和感の正体を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。