夏季休暇領地に帰ろう③シラーズの夜
朝起きて、キャンプを仕舞い馬車を走らす準備をする今日はシラーズの町に止まる予定だ。前回はすぐに追い出されたので町の観光もできていない。今回は少しぐらいは出来るといいな。まぁ、多分無理だけれどね。途中、途中で休憩をしながら走らせる事数時間。
「シンガ、そろそろシラーズの町よ。今日はここで泊まって明日の朝にマルベックに向かうわね」
「はい、分かりました。僕は外でキャンプ・・」
「私達も町の宿屋は使用しないから私の馬車で泊りなさいね。護衛達にギルドの馬車に移動してもらうわ、キャンプは彼女達にしてもらうわね」
「・・はい、分かりました。」
もう少しで街に入る所迄やって来ました。混乱を避ける為に外でキャンプと伝えようとしたが、即座に却下されました。段々と俺の行動がヴェラ嬢にバレてきている。しかしヴェラ嬢の馬車か~琥珀から聞いた感じではめちゃくちゃ快適だったらしいからちょっといや、スッゴク興味はある。それと同時にちょっと警戒してもいる。・・・ヴェラ嬢とルナリスお姉様の暴走が怖い。大丈夫か?馬車で泊まる事に恐怖を感じる、しかし断るとどのような事があるかそちらも怖い。どうするか・・・
【シンガ、お前さんが警戒するのは分かるがね。虎穴に入らずんば虎子を得ずとも言うぜ、安心しなさいな万が一の時は私が悪いようにしないさ。】
「その言葉が一番信用できない。最近のレピは本当に信用できないよ?自分の行動を振り返ってみてね。」
【・・あれは確か2年前・・・】
「それ、レピのセリフじゃないよね?」
【良いじゃんか!だって出たかったんだもん。カラスで十分なのにちくしょ~。・・・ふぅ、すまない取り乱した、では、役に戻ろう。・・無理だぜ!ヴェラ嬢怖いもん!それと、あの馬達に勝てるわけないでしょうが、私はね普通のありきたりの何の変哲もないダークスネークだからな(怒)・・・たく、大したスキルや魔法を持ってないくせに、あ~あ、私も激レアスキルとか、古代魔法とかあこがれちゃうな~】
「よし、戦争だ。それは言っちゃダメな奴だ。キノコ・タケノコ戦争以上の戦争。そう、侍ジャパン決して負けられない戦いがあるんです!」
レピのちょっとニヤけた表情でこちらを見ながら告げる言葉に怒りがMAXゲージいっぱいになる。放つぜ奥義・弧月斬。アイテムボックスから風林火山(木刀)を取り出し構える。
【ほう?私とやり合う気かね。良いだろう、現実でも敗北を知るいい機会だ。私の絶・天狼抜刀牙の痛みを持って奢った自分を反省するがいい。】
蛇の癖に天狼って良いのか?普通のダークスネークはそんな技使えるのかよ。目の前で間合いを取りシャーっと威嚇するレピ。・・・めっちゃ見られてる、セレスティーヌ嬢にごっつい見られてる。
「ちょっとレピさんストップ。」
【ああ、そうだな。】
「おや?稽古は終わりでありますか?」
「・・いえ、このような誰に見られるか分からない場所で稽古はしませんよ。あくまでも抜刀迄の心を作る練習です(嘘です)」
「おお!なるほどであります。確かに、ノワール様の技を知りたい者は山ほど居るでありますからな。しかし、抜刀迄の心を作るでありますか?」
俺の言葉にキラキラした・・・かわええな~ナデナデしたか~セレスティーヌ嬢撫でさせてくれんかね?
(ダメに決まってるでしょ(怒)・・であります。)
遂に、ヴェラ嬢も俺の心の中に入ってきましたか、それとですね、なんとか頑張って声似せません?まんまなんですよ。まんまヴェラ嬢です。・・・可愛いよね(照)・・ちゃうちゃう、そうやない。セレスティーヌ嬢の質問に答えないとね。
(じゃ、シンガこの後も頑張ってね。テクニク・テクニカ・シャランラー)
ふっる、え⁈古ない?いや好きやったけど、俺はノンちゃんだったのよね。なんか怖いくらいに青かったのよ全体的に、でもそれが良い!!!・・じゃなくて、セレスティーヌ嬢ね。
「残身と呼ばれる心や体が途切れない状態、技を終えた後も力を緩めず注意を払い続けると言った技法があります。事の起こりから、終わりまですべてに力だけではなく心を通す。そのための練習です。」
「おおおお!!!す、凄いでありますな!自分も、自分も教えて欲しいであります。」
ぴょんぴょんしながら俺にお願いするセレスティーヌ嬢。はい!可愛い、もう可愛い。あれ?俺ってロリってたかな?ちゃうな、今の年齢に引っ張られてますな。1個か2個下やもんな。
「申し訳ないのですが、領地に戻ってからでよろしいでしょうか?約束通りに師匠、ノワールが居れば必ず教えてもらえる様に伝えます。」
「ふぉぉ~!!自分も遂にノワール様から手ほどきを受けれるでありますな!居てくださるでありますかなぁ~ありがとうであります。」
これはね分かる、愛でたいの分かるわ~癒しやもん、オアシスですわ。ありがたやありがたや。ピョコンピョコンしてる。さてと、十分癒されましたので夕食の準備をしますかね
「本日のメニューはハンバーグ、コンソメスープ、サラダ、パンになります。ソースはデミグラスソースと大根おろしソイソースになりますのでお好みでお召し上がりください。御者と護衛の皆様にはもう一品、鳥の軟骨揚げを用意しております。最後には皆様にデザートをご用意しております。どうぞお楽しみにしていて下さい。」
「シンガ、ありがとう。では、いただきます。」
〖頂きます!〗
ヴェラ嬢の言葉を合図に皆が食事を始める。前もって学校の食堂を借りて仕込んでいた物ばかりだけどね。アイテムボックスって便利だよね。デザートはホットケーキにバニラアイスを乗せハチミツをかけた物を用意した。
「凄く美味しいわね。夕食のハンバーグを含めて昨日の鶏ステーキもこう言ってはなんだけどデザートも普通のホットケーキに普通のアイス、ハチミツよね?」
「僕に高級食材は手に入りませんし、使う事も考えてないですよ。出来るだけ手に入りやすい食材で美味しい物を作れたら領地でも食べれますからね。多少の手間がかかっても、みんなが気軽に食べれるようなものを考えませんとムートン男爵家は貧乏ですから(笑)」
パンも高級品は前世の食パン見たいに柔らかいのですが、普通のは昔のアニメ見たいなパンですからね、顎は鍛えられそうです。まぁ、僕だけ高級食材使用の食事をヴェラ嬢のお陰様で出来てますから、工夫や手間で美味しい物を作るきっかけにはなりました。やっぱり食事って大事ですよね。
「では、本日もお耳汚しでは御座いますが、2曲披露させていただきます。・・・あの~これは何でしょうか?」
「録音する魔道具よ。シンガにお願いがあるのだけれど、もし昨日の曲に歌詞があるなら今日、この後で馬車の中でコハク(シンガ)に歌って貰えないかしら?」
食事も終わりデザートも好評で少しの休憩後テーブルの上には前世の昔の蓄音機見たいな物が目の前に大小3台ある。ん~なるほど、琥珀にドペったシンガで歌って貰いたいと。・・・何故?普通に琥珀で良くない?
【シンガ、お前さん女心の修行が足りないぜ。何時でもお前さんの歌声を聴きたいって言うヴェラ嬢の健気な心が理解できないなんて、まだまだお子様だぜ(笑)】
さよでっか、俺は今世ではまだ6歳の子供ですが。お願いに関しては流石に琥珀のスキルは他の5人に見せられないので、この後馬車の中でとなりました。
本日の2曲はリクエストに答えまして、昨日と同じ曲になりました。琥珀に歌詞を渡してリズムを取りながら歌を教えて行く、なかなか上手いじゃないかいな。2度程琥珀と歌合わせして最後に馬車の中で歌う為に入る。
「凄いですね!うわ~めちゃくちゃ広い。とても綺麗です。」
「うふふ、シンガの驚く顔を見るなんて初めてじゃないかしら(笑)さ、こちらに座って見て」
イヤ~凄いしか言葉が出ない。馬車の中にはヴェラ嬢の個室、キッチン、トイレ、シャワーが完備されている。中身はめちゃめちゃ広い前世の高級キャンピングカーですね。当たり前だけど個室じゃなく皆で座るソファーに座る様に促され座ろとすると何故かヴェラ嬢の膝の上に座らされる。
「・・・あの~これはど・・」
「きゃ!馬車が揺れる!」
背後から抱きしめられて左右に揺れる、止まってる馬車が揺れるとはこれいかに?
「大丈夫?シンガ怪我はない?ちょおっと~あぶないんですけどぉ~フレア達ぃ~ゆらさないでねぇ~(笑)」
「・・次は止めてくださいね?本当にこ・・」
「ハグしてくれたら次はしないわ」
頭の上からすっごく冷静な声が落ちてくる。ふぅ~、周りを見渡すと黒曜、琥珀はセレスティーヌ嬢と馬車の外に静かに出て行くのが見える。ルナリスお姉様はドアの前に立ち逃げ道がふさがれたのか、又は侵入者を防ぐ意味か。レピは俺の影の浅い場所に居るが深い部分に潜っていく
【シンガ、お前さんの言う通り少しばかりヴェラ嬢の暴走が過ぎるな。何か原因があるんだろうが予想がつかない、一旦は言う通りにしてはどうかね?】
レピの言葉に小さくうなずく、確かにここ数日でヴェラ嬢の暴走が激しくなった。何か原因があると思うがさすがに分からない。しかも、ルナリスお姉様がそれを止めるどころか黙認、後押ししてる気がする。
「・・ヴェラ嬢、正面に向かせてください。1度だけですよ、本当に1度だけです。」
「え?ええ、も、もちろん、もちろん守るわ。1度だけ、ありがとう。1度だけでも良いのよ。」
一度立ち上がりソファーに腰掛けるヴェラ嬢に正面から膝に座りコアラの様に抱き着く、俺の背中に回された手に力が徐々に入って行く、俺もヴェラ嬢の背中に手を回す。しばらくの間、静寂が過ぎていく。
「うふふふふ、私の心はここにある。そう、ここに置いていく。ありがとう、シンガ。」
「いいえ・・この後は予定通り琥珀にドペってもらって歌を披露しますね。」
ヴェラ嬢を見れば何か覚悟を決めた表情をしていた。その後は黒曜達にも戻ってもらい琥珀が俺に変身して魔道具の前で歌を披露していく、もちろん、セレスティーヌ嬢には琥珀のスキルの事は他言しないようにお願いした。ヴェラ嬢はとても楽しそうにしている。俺は今考えても仕方が無いと気持ちを切り替えて曲を奏でていく。やがて歌い終わりそれぞれが身体を洗い就寝していく。皆が寝静まったタイミングで馬車を出る。
【シンガ、1名以外は寝たぜ。彼女は起こしておいて良かったんだよな?】
「ああ、彼女にも覚悟をしてもらう。」
少し歩いて見えて来た人物、4人居る護衛団の獣人の一人が闇に向かい明かりを揺らしているのが見える。足音を消す気もなく近づいて声を掛ける。
「こんばんわ、貴女も寝れなくて散歩でしょうか?」
「ええ、そんなところです。・・では、私はそろそろ・・」
「逃がすとでも思いますか?困るんですよ、僕の領地に敵意を持った者達を引き込むわけにはいかないんです。周りの者はレピが相手します、残念ですがこの地があなた達の終わりの場所です。」
俺の接近に気付いても合図を止めないで居た彼女が振り返りそのままこの場を立ち去ろうとするが風林火山を構えて対峙する。良し、ちゃんとこっちを見てるな。
「・・・ガキが、穢れ人の分際で何が領地だ!私達はその領地をお前と同じ穢れた存在のせいで失い、仲間は今も黒死病で亡くなっていく。なんでそんなことをした?だから私がお前の領地を穢して何が悪い、ねえ?何とか言ったらどうなのよ!」
「死人に口なし、過去に存在した人物の事情など僕には分かりませんよ。僕に分かる事とすべき事、それは、僕の領地を守りたい存在を仇名す者には死んでもらうだけです。あと腐れもありませんしとても、シンプルですよね。」
全くさ、千年以上の昔に存在していた人の話や気持ちなんか知るかい!どいつもこいつも、やれ穢れだやれ容姿が同じだ・・飽きました、もうそのセリフ飽きました。
【シンガ、周りの敵は私が相手する。お前さんは彼女を・・油断するな、後、あまり時間を掛けるなよ身体に負担がかかりすぎるからな、頑張りなさいな。】
「ああ、ありがとう。・・・さて、貴女はどうしますか?僕の敵ならば2人でどうぞ、お相手いたしますよ?」
眠らされずに付いてきた護衛団のリーダーに声を掛けると背後から現れて俺達の間に立つ。リーダーの姿が見えて相手が説得に入るのを黙って聞いている。
「リーダー!貴女もこいつを恨んでいましたよね?ここで殺しても魔物にでも襲われたと言えば問・・」
「シンガ卿、彼女は私のチームで参謀を担うほどの重要な存在です。何とか見逃して頂くことは出来ませんか?」
「無理です。じゃ、最後の確認です。貴女も相手になると言う事で良いですね?」
参謀だか四謀だかそっちの事情は知らん、見逃したとして今後はどうなる?俺の事や領地の事を諦めるのか?前世の様にセキュリティ等ほぼ無いようなこの世界では本人の意識に頼るしかない。確かに前世と違い、本人が改心すれば再犯は驚く程少ないのもこの世界の特長ではあるのだけれど、俺にそんなゆとりを持つ気持ちは無い。冷たいが確実なのは殺す事だ、死んだ相手が事を起こすことは絶対ないからな。
「シンガ卿、私が彼女と共に貴方の敵になれば、いえ、貴方に彼女を倒せると思えない。ここは引いてもらえませんか?」
「答えが違いますが?僕の敵かと質問しています。違うなら離れてください、敵ならば殺す!」
俺の言葉にしばらく考えていたリーダーが少しずつ離れていく。
「嘘?ねえリーダー、ここで穢れ人を殺せばきっと獣人連合国でも私達の立場が・・そう!聖王・聖女教会はきっと私達を取り立ててくれる。そうなれば・・」
「・・シンガ卿をここで殺せば、私達はヴェラ様に生かされる事はないわ。そんな事、貴女ならすぐわかるでしょう?確かに穢れ人に恨みはある。両親も姉も黒死病で亡くなった、でもそれは彼、シンガ卿は関係ない。ただ、容姿が似てるだけで不快ではあるのは確かに認める。けど、それ以上に私は結婚して子供が欲しいの。ムートン男爵領ならその夢がかなうのよ、こんなただ時間と命を消費するだけの傭兵生活なんて嫌なの・・・だからごめんなさい。」
「クソが!穢れ人に拐かされたの?ムートン男爵家で雇うとか言われた?騙されてるの分からない?」
「僕は雇うとか言って無いです。以前言った通りギルドで募集の面接があれば受けて下さい。受かるかはその時次第です。」
勝手に当家で働きたいとか言ってるけど順番は守ってほしい。よほどの事がない限り俺の一存で雇うことはしない。
「シンガ卿の言う通りよ。確約何て貰っていない、ムートン男爵領で面接を受けれるまで受かるまで仕事をするだけ。反対なら私はチームを辞めソロになる。でも多分、他の2人も私と同じだと思うわよ。彼を殺しても生きる事が出来ないなら意味は無いと思うけど。」
リーダーの言葉に俯いていく。一時の感情に身を任せる程、彼女は頭が悪いわけじゃないだろうにね。一応、チームの参謀をするくらいだから、それでも魅了されるほどの報酬があったのか、俺とヴェラ嬢の関係を見誤ったのだろうな。・・・と考えるとヴェラ嬢の暴走は俺の身を守る為にしている事なのかもしれないな。知らない事の方が多いからね、ヴェラ嬢が俺とは仲が良いと振舞えば俺に危害を加えるとマルゴー公爵家が黙っていないと言った抑止力になるからな。なるほどなるほど、ヴェラ嬢ありがとうございます。
「私は名乗りをしない!お前なんかに名を教えたりしない。」
「天真正自顕流 シンガ・ド・ムートン」
相手が名乗りを断ったが俺は名乗りを上げ蜻蛉の型を取り対峙する。相手は油断か見下しているのか魔法は使わないようだ。まぁ、レピのドーピングのお陰で魔法も避けれるけど体に掛かる負担がデカいからな。一呼吸の間に間合いを詰められ彼女が短剣で俺の額に向けて突きを放つ。
「っし!」
「きぇぇぇぇぇぇぇえいぃ!!」
突きを躱しながら風林火山を振り下ろす。
ゴボン!!ゴン
鈍い音と彼女の額を打ち下ろし頭が地面にめり込む程に振り下ろした体勢で呼吸を入れる。残身を解き、リーダーへ向き直る。
「で?相手になりますか?先ほどは二人ならと言われてましたが。」
「・・・見誤ってました、私達では勝てません。なにとぞご容赦を。」
頭を下げるリーダに風林火山を向けたままで居ると
【お待たせしたなシンガ。・・どうした?彼女と何かあったのか。】
「いや、一応の用心だよ。」
レピが帰って来て俺の態度に疑問を投げ掛ける。俺の足元には事切れた獣人の女性が居る、彼女の元にリーダーが近づいて行く。
「・・貴女だって子供が欲しいって、のんびり過ごす一時が欲しいって言ってたのに、何でこんな事をしたのよ(泣)」
朝になり、リーダーから昨夜敵襲があり、レピを含む2人で撃退したが1人、彼女が犠牲になったと皆に伝えられた。
「今日以降も気を引き締めて行きましょう。」
ヴェラ嬢の言葉に皆が頷く。シラーズの町に入ってギルドに向かう。亡くなった仲間の遺品を預け、敵の持ち物を売る。
「このお金は貴女達が使いなさい。亡くなった仲間の弔い等をしてあげてね」
「ありがとうございます。ヴェラ様。」
護衛を担当するパーティーの皆は事情を共有しているらしく早朝の話し合いでムートン男爵領で今後は仕事を続けると決まった見たいだ。今回倒した敵の数は3名きっとそれ以上がムートン男爵領に向かって居る又は領地に居ると思われる。
【シンガ。お前さん、また何か考え事か?もしかして、敵の事かね】
「ああ、敵は、敵になるなら全てを殺す。どんな事をしても、誰であっても。その気持ちに変わりは無いよ」
【・・それはヴェラ嬢であってもかね?】
「・・・出来ればそうなってほしくないと思う。でも、エリリ義母さんやカインに仇名すならその時は容赦しない。」
「安心して、私がシンガの敵になる事は無いわ。」
いつの間にか傍に居たヴェラ嬢の言葉に驚いていると、静かにレピが影に潜っていく。あいつやりやがったな(怒)
「急にどうなさいましたか?」
「うふふ、シンガ。聞こえなかったのならもう一度言うわ。私は、シンガの敵にならない、何があっても絶対に。信じなくても良いのよ、ただ私がヴェラが決めただけだから(笑)」
俺は、告げられる言葉より柔らかく微笑むワインレッドの瞳に心を奪われそうになっていた。くっそ~カワユスな~




