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終わりゆく世界の片隅で  作者: アンチョビ


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11/21

貴族学校での生活⑦

方針を決めた後は、休日にクエストをこなし、手合わせをする生活を送る。2種族と仲良くはなっていないが少しずつ知らない事を減らすのは出来て来てると思う。学校ではカロン君達やカザル君も絡んで来なくなって一人の時間が多くなった。ヴェラ嬢との昼食もなく、中位学校で元の生活をしてるんだと思う。俺も変わらずこの国の歴史を学び、黒曜も魔法の授業を受ける。


(まぁ、これが本来の形だよね。(笑)今までがイベント期間見たいな物だっただけでね)


王都に来て本当に良かった。クエストを受ける事で、多くの学びがあったのが一番の成果だと思う。ムートン男爵領に居たなら知らない事がいっぱいあった。そして、甘い考えのままでいたと思う。日々は流れる、クエストも順調にこなせるようになってきているし、手合わせもレピのおかげで一方的にやられる事無く、自分の力量が上がっているのが感じ取れる。そんなある夜、少しの物音と、尿意で目が覚めた。


「まったく、危機感の無い子供にゃ(笑)大物と見るかバカと見るか、ま、どっちでもいいにゃ。ああ、動くと痛い目にあうにゃ、大人しくしてるのがオススメにゃ。」


暗闇の中、黄色い瞳が俺を見ている。容姿からして、猫種族みたいだ。取りあえず緊急事態な為、彼女に声を掛ける。


「あの、すいません。トイレに行って良いですか?かなり限界です・・すいません。」


「しょうがないにゃ、直ぐに戻るにゃ。足元が暗いから気を付けるにゃ。」


ん~、悪い猫種族さんじゃ無い見たいだね。トイレに行って帰って来ると椅子に座る彼女の正面に座る。


「さて、ウチが来た理由は一つにゃ。ウチ達がムートン男爵家に仕えてやるにゃ。」


「ムートン男爵領のギルドで面接を行ってますよ。そちらで・・」

「イヤイヤ、そんな時間はないにゃ、ウチ達を知らないのかにゃ?世間で噂されてるあれがウチ達にゃ。自分からは自慢になるから余り言わないけれど、そんな、ウチ達が雇われてやるにゃ。」


「すいません。その、知らないです。ごめんなさい。有名な方々なら他の貴族の方が条件は良いと思いますよ?」


あれだ、それだ言われても知らんがな。夜中に来て何言ってるねん。取りあえず、それとなく、断りを入れて速やかに退室を勧める。


「またまた、あの、あのウチ達にゃ。今、返事がないなら残念だけどムートン男爵家が雇う機会はこれが最後にゃ。もう次はないにゃ、凄く残念だけど、本当に残念だけどにゃ。ウチ達・・」

「そうですね。残念ですがご縁がなかったと言うことで、お引き取り下さい。貴女様のご活躍をお祈りいたします。」


なんかグチグチ言っているがさすがに眠いので、丁寧にお断りする。しばらくお互いに黙っていると。


グギュル~グリュ


グギュル~グギュ~


グギュル~ググギョ~~


いやいや、腹の虫うるさない⁈・・・


「すまないにゃ・・・もう、数か月、マトモに食事してないにゃ、道端の草では持たなくなってきてるのにゃ(泣)あと、この蛇さんが巻き付いてるの解いて欲しいにゃ。」


はい、俺の最強最終防衛戦力のレピさんが静かなのは、彼女を雁字搦めにしてるからです。黒耀さんは最初から気にせずに爆睡してます。


「取りあえず、夜も遅いのでお帰り下さい。レピ、離して上げて」

【はぁ、シンガは甘いな。筋を通せないヤツは災いを招くぜ。】


「ありがとうにゃ。その・・ウチ達・・」

「残念ですがご縁がなかったと言うことで、お帰り下さい。貴女様のご活躍をお祈りいたします。」

「シンガ、少々、冷たすぎませんか?」


【ほう、中々見事なもんだぜ。私の目で無ければ見破れないとはね。】


先ほどまで猫獣人が居た椅子、目の前にヴェラ嬢がいる。声も、仕草も本人と差は無いように見える。これほどの使い手なら他にも仕える先があると普通に思うのだけど、なんでと言うかまぁ、あれが望みだよね。だって彼女、黒死病に感染してる様だしね。


グギュル~ググギョ~~ギュゴ~~~キュルキュル


「もう、だめです・・・にゃ」


腹の虫がなって姿が戻る、お腹を押さえて傾いでいる。明日も学校だし寝たいんだけれど・・


「夜も遅いのでお帰り下さい。」

「お前!ウチの・・・」

「どこにでも居るだろう?その程度の奴は・・・違うのか?」


我ながら、驚く程冷たい声が出た。クエストを受けて、いや、王都に来て知った。黒死病を患っている者の扱いはとても悪い。基本店で飲食は出来ない、出来ても割り増し料金を取られるか粗悪な料理しか出てこない。最初は、罪悪感があったが、徐々に気持ちが変わっていった。


・・・キリがない、俺は全能ではなく、すべてを救える事など出来ない。ましてや、この世界の命は軽い、そうとても軽い。じゃなければ、義覚やヤツフサがあんな金額で購入など出来ない。目の前の猫獣人が訴える事なんて腐るほど見て来た。冷たい言い方だけど、本当に困っているなら、自ら奴隷商人に身売りすれば良い、契約者は最低限度の生活は保障してくれる。


「夜分に突然ごめんなさいにゃ。ウチ・・馬鹿だから・・ごめんなさいにゃ。」

「良いですよ、どうぞ、お帰り下さい。」


寂しそうに去って行く後ろ姿に会うことはないだろうと思っていた。・・・ええ、この時はね(怒)レピさんの言葉が耳に痛いです。




「その、シンガ?流石に、これは困るわ。金額じゃ無いのよ、勝手に私の名前を使うのは止めてね。もちろん支払いは済ませているけれど。」


久し振りにヴェラ嬢から昼食に呼ばれて、部屋に入ると、開口一番に初めて見る困り顔のヴェラ嬢から注意をされる。何事かと確認すると内容に血の気が引いた。俺が色々な飲食店でヴェラ嬢の名前を使いツケで飲み食いしているとの事。


・・・心当たりが1つある。あの、メス猫がやりやがったな(怒)むちゃくちゃすぎる、男爵家の嫡男が公爵家令嬢の名前でツケ食いって・・・あほか!家滅びるわ!前世で言うたらあれや!・・・ああなんや、ほれ、あかん怒りで言葉が出てこん。(怒)


・・・・ボケが、絶対掴まえてレピにガブガブしてもらうからな。ホンマあいつ何しよんねん、頭悪いにも程があるやろ。


「と、言う訳でして、先日、僕の寮に訪ねて来た猫獣人が犯人と思われます。必ず掴まえますので、少しお時間を頂ければと思います。」


「そんな事が、そのようなスキルを持つ獣人種族が居たのですね・・・え、っとシンガの関係者って食いしん坊さんが多いみたいね。(笑)」


相変わらず、黒耀がこちらを見向きもせずに、ひたすら食べているのを横目に、ひとまず、猫獣人の話を伝えて、誤解を解き、身柄確保の為に被害にあっている店の情報を聞く。ちなみにヴェラ嬢、関係者ではありません。敵です。それから、しばらく食事を進める。


「ヴェラ嬢、本当にすいません。かなりご迷惑をおかけしたのではないですか?今日はあまり笑顔がありませんので。」


「・・・シンガ、聞いても良いかしら?その、私の魔法適正は・・水なの。マルゴー公爵家は代々水の魔法適正を持っているわ。・・・どう思うかしら。」


俺の問いかけに、恐る恐ると言った感じで話し始める。別の悩み事かな?会った時から雰囲気が暗い、食事もあまり手について無い様子が見て取れる。


「水ですか?ん~飲み水確保が出来て便利ですね。後は川の水を操れるなら、魚も捕れるのかな?出来たりし・・・」

「そうでは無いの!私の瞳はワインレッドでしょ、火の適正者に多い瞳なのよ。・・・青い瞳が普通のマルゴー公爵家では前例が無いの、マルゴー公爵家でありながら、ワインレッドの瞳を持ち、ワインレッドの瞳なのに、水の魔法適正なんて、私は、・・・・出来損ないじゃないかしら?シンガはどう思うの?」


半泣きの表情で珍しく声を粗げて俺を見てくる。ナイフとフォークを持つ手が震えている。やっぱ、色々と言われるんやろうな。ん~ほんでなんかあったんやろうな、噂で聞くお姉さんが本当ならその妹やからね・・・公爵家令嬢って大変やね。


「そうなんですね。ヴェラ嬢に僕が思うのは、・・・・この世界で唯一無二の存在って事ですね(笑)」


「・ふぇ!?・・えっと、何を言ってるの?・・私が、唯一無二?どうしてそうなるの?お姉様、ヘレナお姉様はとても綺麗な青い瞳で・・」

「あ、それじゃ、ヘレナ嬢は普通ですね(笑)」


「・・はぁ!?な、何を、何を、ちょっと待って、ヘ、へレナお姉様、お姉様よ?次期王妃と言われてる、あのヘレナお姉様が普通?シンガ、えっと・・待って・・何を言っているの・・あれ?私がおかしいの?」

「ヴェラ嬢、落ち着いて下さい。深呼吸をして、僕の話を聞いて下さい。」


めちゃくちゃ取り乱すヴェラ嬢に深呼吸をして落ち着く様に伝える。数回の深呼吸で落ち着きを取り戻した様子を見て話を続ける。


「マルゴー公爵家は水の魔法適正が普通で、青い瞳が普通ならヘレナ嬢は普通になりませんか?これは、その人の能力と言った事ではなく、あくまでも容姿の事ですが、違いますか?」


「ふぅ~・・・容姿の事と言っても、それでも・・」

「だって、周りがヴェラ嬢を評価しているのは容姿の事で、実力の事ではありませんよね?ワインレッドの瞳を持ちながら、火の適正者の目を持ちながら水を操る。マルゴー公爵家初、世界で唯一無二の存在、ヴェラ・ド・マルゴー。僕にはそうとしか思えないですね、前例なんて気にするのは無駄です。かの、大聖女スズカも最初は普通の馬獣人です。スズカの前に大聖女は居ませんでしょ?」


まぁ、俺なんて穢れの勇者と同じ容姿ですから、それこそ世界で唯一無二の存在ですけどね。容姿で、判断するような事ぐらいで落ち込んでなんていられないさ。しばらく沈黙の時間が流れる。ルナリスお姉様も表情は変化が無いがショックは受けているようで、用もないのに紅茶のポットを持って固まっている。


「ヘレナお姉様が普通」

「はい、普通ですね」


「私が唯一無二」

「はい、唯一無二の存在です」


「ヘレナお姉様が・・私は・・」

「誰がなんと言っても、ヴェラ嬢、貴女は素敵な存在です」


「シンガは私が・・・そう思うのね?私の事を・・・。そう、ヘレナお姉様が普通で私が唯一の存在・・・うふふふあははははは!凄いわ!凄い!もう、シンガって変わってるわね?誰もそんな考え方しないわよ」

「まぁ、僕のこの容姿ですからね。考え方も変わっているのかもしれません。でも、貴女の笑顔が見れて良かったです。」


何度か言葉を繰り返し、やがて楽しそうに笑い声を上げているのを見ていて悩み事が解決したのかな?とニコニコとしているとヴェラ嬢の笑顔が固まり、頬を染め口をパクパクとさせ始める、何故か、ダメだこいつみたいな視線をルナリスお姉様が向けている。


「スイ、スインガ、んっんん、シンガ。今回の件は気にしないで、私がお金を払っているから。ええ、私に任せて、大した金額じゃないもの。今後も払うわ、むしろ払わせて欲しい位よ。・・・・今後の事を考えて、貴方にお小遣いを渡さないとイケナイわね、幾ら用意すれば良いのかしら?金貨で50枚程なら明日でも準備して、後は2人で住む家も準備しないとダメね。待って、シンガって王都で住まないわよね。男爵家を継ぐのだから、・・・それなら、ムートン男爵領に家を建てましょう。職人の手配を考えないと、やることは色々あるわ。あんなどうでも良い公爵家の力はこんな時に使わないとね。」


「だ、ダメです。僕がマルゴー公爵家に罰せられます。必ず、掴まえて支払いは返しますのでそれまでご容赦下さい。」

「シンガを罰する?なにそれ・・・・・・・戦争ね。」


噛み噛みで目玉グルグルのヴェラ嬢が訳分からんことを言い出したが、さすがにそれはまずい。公爵家が黙ってない。後、途中から何かブツブツ呟いているけど良く聞こえない。小遣いとか家とか職人って何かな?ヴェラ嬢の住んでる所のリフォーム?ただ、また、悪い笑顔なんすよね。


それとあの馬鹿猫には大人しく捕まってもらう。レピさんお願いします!ニコニコ笑顔のヴェラ嬢との昼食はつつがなく終わり、ルナリスお姉様から出現場所を確認し2人を見送るとレピを呼び出す。


出現場所は3か所だけど、ここにはしばらく来ないと考えた方が良いかもしれない、黒曜にも手伝ってもらい別の店で張り込みを考えよう。出来るだけ早く解決させないと・・・


【シンガ、私の言った通り、筋の通さない者は災いを呼んだぜ。・・・ただ、まぁ、ヴェラ嬢はさらに堕とせた、差し引きゼロってトコかね(笑)】


「笑い事では無いよ、マルゴー公爵家が動けばムートン男爵家なんて木っ端みじんだ。なんとしてでも今日、掴まえる。レピ、頼んだよ。」


【確かに、笑い事ではないな。・・よし、私に任せなさいな、王都中を探してでも、化け猫の皮を剝いでやるさ。】




はい、すぐ見つけました。普通さ、警戒しない?ほら、お店も何件か回るとか、一度行ったらしばらく行かないとか、王都だからいっぱいお店ありますやん。何で、ローテーション3軒やねん・・・馬鹿なの忘れてました。


「こんばんは!シンガ・ド・ムートンです。店長、ヴェラ嬢のツケで食事にゃふん」

「なんて!うそで~す。お騒がせしました。では、引き続きお食事をお楽しみください!」


おいおい!馬鹿猫、お前声デカいわ(怒)レピさんがヒト噛みして倒れたところを、黒曜が背負い、店を後にする。目指すは奴隷商人の所です。


「ん、ん~、あれ?何?ここ、何処にゃ?」

「おい、馬鹿猫。お前何を考えてるんだ?僕の姿でヴェラ嬢のツケ食いってマルゴー公爵家に殺されたいのか、死ぬならお前が勝手に死ねよ、ムートン男爵家を巻き込むな(怒)」


「ひっ、な、何でウチと分かったにゃ?ウチの変幻を見破るなんて、今までなかったにゃ。」

「レピが見破りました。お前、先日も見破られてるんだよ。・・・僕のレピさんを無礼(なめ)るなよ。」


どこぞの皇帝様の威圧を真似て言葉を発する。彼女の真横でシャ~って威嚇してるレピさんを見て徐々に顔色が青くなって行くのが分かる。


「ウ、ウチをどうするつもりにゃ?謝るから許して欲しいにゃ(泣)」

「飲み食いした分を払え、金が無いなら奴隷商人に身売りして払え。それもでも足りないなら・・・ルクシオン砦送りだ。」


「ま、待って欲しいにゃ。ウチには妹が居るにゃ、ルクシオン砦は無理にゃ。妹が・・」

「シンガ様、彼女の身売り額はこれほどになります。・・・お話を聞くお支払いには足りません。」

「じゃ、妹も買い取りしてください。それで足りないなら、2人をルクシオン砦に送ってください。」


「おま⁈お前!なに言ってるにゃ⁈妹は関係ないにゃ!ふざけるな・・」

「お前の事情は知らない、金を払え。無理なら2人共ルクシオン砦だ。お前のせいで、ムートン男爵家が滅ぶ所だったんだぞ!そっちこそふざけるな!(怒)」


【シンガ。少しばかり・・・その・・】

「流石、レピだ。言う通り、筋を通さない奴は災いを呼んだ。災いは絶つべきだ、レピもそう思うだろ?」

「シンガ。・・私の時みたいに助けてあげれないか?」


ゼンザが彼女の身売り額を告げるが当然足りない。妹が居るそうなのでそちらも身売りをお願いしてみると彼女がブチギレしてきたが、知ったこっちゃない、カインとエリリ義母さん達に迷惑をかける可能性があっただけで、情けをかける気持ちは一切無い。(怒)俺の剣幕に、黒曜とレピも少し引いているのが分かるがいい機会だ、皆も俺の3人に対する思いを再認識してくれ、仇名す者に情けは掛けない。


「じゃ、黒曜が金を払え。で、今後問題を起こしたら、お前が責任を取れ。ムートン男爵家に危害が及ぶなら・・お前を殺す!その覚悟が、金があるなら好きにしろ。」


黒曜が黙り、レピが俺の影に沈んでいく、ゼンザと話し合い、妹を連れてくる事となり、彼女とは別の部屋でしばらく待っていると。一人の少女が店員に連れられ、部屋に入ってくる。


「お、お姉ちゃんが御迷惑かけてごめんなさい。その、お、お金がないので、私も、身売りします。それで、許してください。」


金色の髪に、黒い瞳。額に黒い▼の模様と尖った耳。・・・エルフですやん。猫獣人ちゃうやん。どうゆうこと?


「シンガ様、こちらのエルフの身売り額ですが・・その、かなりお安くなりまして、二人でもお支払いに足りないです。召喚魔法が使えるようですが、戦闘に不向きな種でして・・」

【シンガ。彼女は目が見えてないぜ。黒死病と関係なく、生まれつきみたいだな。だから、身売り額が安いんだ。】


ゼンザとレピの言葉にも怒りが冷めて行く事は無いが・・少女の身なりもかなりみすぼらしく、ほとんど裸な状態で、前世なら補導されるか攫われるか間違いなしと思うくらいだ。一度深呼吸をして彼女と対峙し出来るだけ優しく声を掛ける。


「使い魔を呼び出せるかな?僕に見せて欲しい、出来る?」


「来て。ミスト」


少女が頷き、言葉を発すると空中に魔法陣が現れ中から胴体が40㎝程の蜂が現れる。ブーンと言った羽音ではなくブンブブンと言ったエンジンが止まりそうな音がしている。良く見れば、額に傷があり左目も潰れている。ああ、羽も曲がっているのか、だから羽音がおかしく、飛び方もフラフラしているんだ。足も数本無い。


「シンガ様、こちらの使い魔はハニービークイーンと言いまして、蜂の女王種となります。ただ、戦闘には不向きでして、本来は名の通り蜜を集めるのが得意な種となります。眷属も同じく戦闘には不向きで、しかも、今までの、戦闘で、その、ほとんどの眷属は・・死滅したと思われます。」

【眷属は死んでも彼女の元の世界で増やすことが出来るが・・・ただね、眷属の死因が戦闘でとなら彼女に従う眷属は居ない。本来の働きとは違うからね、彼女はただクイーンと言う眷属の居ない一匹の蜂にしか過ぎない。】


「本にも記載されていたが、使い魔は自分の世界に戻った際に、傷は癒えるはずじゃないのか?なぜ、この使い魔は傷が癒えていない?おかしくないか。」

【シンガ。こちらの世界の治癒魔法の様に一瞬でなんて治らない。時間を掛けて治っていくんだ、癒える前に繰り返し身に合わぬ戦闘を続ければこうなるのは当たり前だぜ。彼女が元の姿に戻るのは多分数百年後だ・・可哀想だがね】


ゼンザとレピの話を聞いて疑問に思ったことを口にするとレピがそれに答える。その間に、エルフの少女と使い魔の蜂が話してる?意思の疎通を図ってる?みたいな時間が流れる。やがて、蜂が俺たちに近づき、地面に降りる。


【ああ、お前さんはそう決めたのか。・・・私で良ければ、痛みなく済ませてやるぜ。いや、ぜひこの私に女王陛下の力にならせて欲しい。】

「ミ、ミストの羽や針など使える所を買い取ってください。それで何とか支払いは出来ますか?」


レピの言葉が頭に響き何事かと思っていると、少女が自分の使い魔を差し出してきた。ゼンザが戸惑いながら俺に視線を向ける。


「ゼンザ、幾らになる?支払いに足りそうか?」

「僅かに足りません。・・・当店で限界まで勉強しましたが・・及ばず。その・・」


あの馬鹿猫どんだけ飲み食いしてんねん!いや、彼女らの身売り額が安いのか・・・はぁ~もう、周りの視線が滅茶苦茶痛い、分かった、分かりました~


「ゼンザ。あの猫獣人とエルフを身売りする。・・・・で、二人をムートン男爵家の奴隷として購入し契約する。それなら、支払いは出来るよね?」


「は⁈・・いえいえ、もちろんです。それなら十分です。この子の服はサービスでお付けします。早速契約を結びましょう。」


なんか、めんどくさいやり方をしたけど、まぁ、良いか・・黒曜もレピもゼンザも嬉しそうだ。後は、あの馬鹿猫と話をするだけだな。


アンチョビです。


11話となります。


今後も、よろしくお願いします。

駄文ですので、のんびりと温かい目で見守って下さい。

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