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終わりゆく世界の片隅で  作者: アンチョビ


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12/12

貴族学校での生活⑧

エルフの少女と共に、猫獣人の部屋に入る。憔悴した猫獣人がこちらに視線を向け目が合う。


「うそにゃ、・・お前!妹に何した、まさか、ふざけるにゃ!関係ないにゃ、妹は関係ない・・にゃ。」

「お姉ちゃん、私の為だよね?急に食べ物がいっぱい食べれるようになったから、おかしいと思ってたんだ。・・でも、ダメだよ。悪い事したらダメ。ちゃんと、責任を取らないと私達を騙してきた人たちと同じになるよ?私はそれは嫌だな。」


エルフの少女の言葉に猫獣人が項垂れて行く、多分、悪い奴じゃないんだろうね、頭悪いけど・・じゃ、本題に入りますか。


「今から、お前とこの子はムートン男爵家と奴隷契約を結んでもらう。契約内容を確認して質問があれば説明の最後にしてくれ、まず・・・」


ゼンザを立会人に契約内容を説明していく、前回の義覚やヤツフサと内容はほぼ同じだが、仲間を集めての部分は彼女たちの契約内容には入っていない。・・・ああ、名前も付けないとダメなのか、なんて名付けよう?


「猫獣人が琥珀(コハク)、エルフの子が金緑(キンリョク)で良いかな?琥珀は後日、僕と一緒にヴェラ嬢に謝罪をするように。金緑はすぐ、ムートン男爵領にて、ミスト達を使い、仕事をする事。何か質問等はあるかな?」


「い、妹と離れ離れは嫌だにゃ。一緒が良いにゃ。」

「お姉ちゃん、ワガママはダメだよ。私は大丈夫だから心配しないで。」


しがみつき半泣きな琥珀を金綠が慰めている、どっちが姉やねん?金綠が姉やん。しばらく頭を撫でてもらって落ち着いたみたいだ


「ムートン男爵領に居る、エリリ義母さんに手紙を送っておくから、後は義覚の指示に従ってくれれば問題ない。琥珀は黒耀としばらくは学校で生活して貰う。・・・問題を起こすなよ」


2人に声をかけて部屋を出る。今日が姉妹が一緒に居れる数少ない日になるだろうから、ゼンザにお願いして今日は琥珀も店に泊めてもらう。


【シンガ。お前さんはやっぱりこうでなくっちゃな。安心したぜ。】

「べ、別にレピや黒曜の為なんかじゃないんだからね?」


照れ隠しにツンデレな事を言えるほど俺は落ち着いてきたらしい。こうなってはしょうがないが、さて、琥珀のスキルはかなり役に立つと思っている、一度見た相手に変われるなんて中々なスキルだ。しかもレピクラスの目を持っていなければ見破れない。一度彼に変身して以降は琥珀に任せるか。


次の日、エリリ義母さんに手紙を送り、金緑を見送ると、俺の住人が増えたことで狭くなった寮の部屋に向かい、琥珀の同室許可を寮長に貰ってから、学校に向かう。はぁ、気が重い。なんか昨夜レピと黒曜が琥珀にアドバイスしてたらしいが嫌な予感しかしない。学校に着くとヴェラ嬢から昼食の予定を受けて時間前にいつもの部屋に向かう。


「ごきげんよう、シンガ。そちらが、例の偽物さんね?初めまして、私はヴェラ・ド・マルゴー。貴女はどこで私を見たのかしら?教えてもらっても?」


「は、はじめましてにゃ、ウ、ウチ、じゃない、私は、コハクと言います・・にゃ。ヴェラ様は以前学校に忍び込んで、食べ物をあさってる時に見たにゃ。一人で魔法の練習をしてたにゃ。」


何故かニコニコしてるヴェラ嬢の問いかけにガッチガチに緊張した琥珀が何とか答えている。その後もいくつか質問されて答える時間が過ぎて行く。


「ヴェラ嬢、こちらが今回、ご迷惑をおかけしたお支払いのお金と少ないですが、お詫び金をお持ちしました。お受け取り下さい。それと、琥珀からも謝罪させたく、そちらもお受け取り下さい。・・琥珀。」


「ヴェラ。本当にすまなかった。ただ、分かって欲しい。君だから、そう、君だけなんだ僕が頼れるのは、これからも、僕のムートン男爵家を一緒に支えて欲しい。僕の愛しき人。」

「ふぇ⁈は、はひ、も、も、もひろん、もひろんれす。わ、わたしのいとしきひと・・・きゅう」


琥珀に視線を送り、謝罪を促すと何故か、12歳位の俺?に変身し、ヴェラ嬢を抱きしめ耳元でささやく様に話し始めた。へ~俺の数年後はあんな感じなんやな、変幻する相手の年齢も変えれる琥珀って凄いな。ヴェラ嬢は目にハートを浮かべて気絶したらしく、ルナリスお姉様が大きなため息とともに琥珀からヴェラ嬢を離し別室に連れて行った。・・・・・おいぃ~!!!!!何してんねん!!!おま!お前!ちゃうな、これ、黒曜とレピの入れ知恵やな⁈何させてんねん!!!!


「レピ!黒曜!何してんの?違うな、なにさせてるの?琥珀!お前、断れよ!ダメでしょ?ムートン男爵家、ダメになるでしょ!」

「ウチは断ったにゃ!変幻相手の年齢を変えるのは寝込む位に滅茶苦茶しんどいのにゃ。ちょっとの時間でもしんどいから嫌って言ったにゃ!」

「そうじゃ無い!これ、おかしいでしょ!」

「シンガ。彼女に対しては、これが最善の行動。私は神託を受けたはず?かな?」

【まあまあ、落ち着いてくれ。シンガ、私もヴェラ嬢には最高の謝罪?だと思うがね(笑)】


おいおい!黒曜何言ってるねん?受けたんかい!受けてないんかい!あってもあの、根性悪の言葉ならいらんわ!あと、レピ、謝罪?になってるやん、笑ろてる場合やないで、たいがいにせんと、怒るでしかし。ワチャワチャしてると扉が開いてヴェラ嬢が入室してきた。表情は硬く、纏う雰囲気も張り詰めている。・・・そらそうやろ、どう、あやまろう。せっかく、上手くいったと思ったのに(泣)


「シンガ!」

「はい!すいません。本当にすいません。何卒、何卒ご容赦くださ・・」

「謝罪は、いいえ、ムートン男爵家のシンガの想いは受け取りました。私、ヴェラ・ド・マルゴーのすべてを持ってムートン男爵家を支えて見せます、いえ、栄えさせて見せるわ。まずは、現当主を子爵に推挙してシンガをいずれ伯爵にすれば、私とのけっ、ん、んんも現実になりますわ。それでは、最初にどこかの伯爵家に滅んでもらいましょう、枠が無ければ作ればいいのよ。どうせ、叩けば埃が出る所なんて、幾らでもあるわ。あんなくだらないマルゴー公爵家でもその力をもってすれば伯爵家の10や20まとめて相手にしてあげる。文句があるならかかってきなさい。たとえ、公爵家が動かなくても、これでも、一応公爵家次女、私自身もそこそこの力は持っているの、じゃないと、生き残れるはずないでしょ?うふふふふ。」


目玉ぐるぐるなヴェラ嬢がおかしな事を言い始めた。・・・なんで俺が伯爵?なんで別の伯爵家を滅ぼすの?けっ、ん、んんってなに?枠が無ければ作ればいい?パンが無ければお菓子を食べる的なあれですか?その後もブツブツ呟くヴェラ嬢の笑みが怖いねん、滅茶苦茶怖いねん。


【これは・・・やりすぎたか。ピノコすまないが、私は緊急のオペ・・じゃない。シンガ、急用でね。失礼するよ。】

「コハク、あっちに美味しい物が待ってる。待たすのは失礼になる、シンガ、先に頂いてくる。」

「ウチも、頂くにゃ」


レピが慌てて俺の影に潜っていく、お前よ、俺をピノコって呼んだ?どんだけ動揺してんねん。しかもオペってしたこと無いやん、その声でそれは・・・しかも無駄にええ声やし、イラつくわ~


黒曜と琥珀はもおええわ、ルナリスお姉様に助けを求める視線を送ると静かに左右に首を振られた。・・・あかんか~どうすんねん、これ、どうすんねん。・・・・・すう~ふぅ~よし、無かった事にしよう。謝罪は普通にした、ヴェラ嬢が急に体調が悪なってしまったで行こう。どんな時でもポジティブハート!


「ヴェラ嬢、ヴェラ嬢。大丈夫ですか?急に気分が悪くなられた様で心配しました。もう、部屋に戻られてもよろしかったのですか?」

「あれ?私のシンガはどこかしら?おかしいわね。シンガ、縮んじゃったの?このシンガも良いけれど、もとに戻るのかしら?」


ぐるぐる目玉のヴェラ嬢が俺を見て残念そうな声をだす。すいません、こっちの俺が本物です。あと数年は彼とは会えません。⦅いや、琥珀に偶に化けてもらうか?そして、貢いでもらおう。⦆・⦅それは良いぜ、さらに領地も潤うってもんだ。⦆・・おい!黒曜!勝手にアテレコすんな!また無駄に、俺の声真似上手いな。それと、レピ。真似ても無いし、まんまやん!自分そんなキャラ設定ちゃかったよな?クールな蛇やんか、ここは俺の心の表現部分なので入ってこないでください。⦅ぐぉ~例え俺達がやられても第二・第三の・・⦆2人共じゃかましわい!!


「お嬢様、やはりまだ記憶が混濁している様子。本日の昼食会はおやめになられてはいかがですか?」

「へ?い、いえ、大丈夫、そう、大丈夫よ。シンガ、心配かけてごめんなさいね。では、食事を頂きましょう。」


ありがとう。ルナリスお姉様のおかげで、ヴェラ嬢が正気に戻りました。いや~助かった。⦅いえ、お礼など気になさらず。⦆・・・・なんて⁈ちょ、なんて⁈ルナリスお姉様に慌てて視線を向けると特に変化は無いように見える。・・・ま、まぁ、最近忙しかったし、疲れてんのやろな。今日は、はよ寝よ。



「シンガ、質問があるのだけれど、聞いてもいいかしら?シンガの奴隷になった者の名前に宝石の名前が多いように思うのだけれど、理由があるの?」


「あくまでも、僕の勝手なイメージですが、宝石=美しさ・希少性・色彩の多様性が女性に合うと言いますか、想像しやすいと言いますか・・」


昼食が進み、いつもの雑談が始まる。ヴェラ嬢が俺の名付けに興味を持ったらしく質問してきた。黒曜の時も一瞬花の名前にしようかと思ったんだけど、何故か、宝石の方に落ち着いたから琥珀も金緑も宝石の名前なんだよね。付けた意味も伝えました。当の二人は気にせず食事中です、仲良いな君達。ちなみに、義玄(ぎげん)義賢(ぎけん)は家を守る意味から役小角の守護鬼から名前を頂いてます。


「では、シンガがもし私に名前を付けるならどんな宝石かしら?それと、意味も教えて欲しいわ」


「・・・・・そうですね、パパラチアサファイアでしょうか?長いので、普段はパパラチアと呼ぶかな?もっと短くラチア?僕が付けるなら、この名前になると思います。」


すこし、考えて伝える。レッドベリルも良いけど、パパラチアサファイアはサファイアでありながらオレンジとピンクの中間色をしているめちゃくちゃ希少石だったはず。サファイア=青のイメージを覆す宝石。水の魔法適正ながらワインレッドの瞳を持つヴェラ嬢に合うのじゃ無いかな。


「ルナリス。」

「はい、明日。」


俺の説明を聞いてヴェラ嬢がルナリスお姉様と短くやり取りする。今日も、ヴェラ嬢がニコニコしていてうれしい。メイドさん達の食後の片づけを眺めていると、レピが影から出て来た。


【シンガ、1人、スパイが居るぜ。ラトゥール公爵の手の者だ。どうするね?】


え!?そうなの?そうか~どうするかな?マルゴー公爵家の中に入るくらいの手練れやもんな。なんの情報を求めてるんやろ?・・・・あれか!なら、最悪、琥珀の出番ですな。レピにハンドサインで待てを指示してから


「もうすぐ、夏期休暇ですね。ヴェラ嬢はどう過ごす予定ですか?僕は、領地に戻り、居るか分かりませんが・・・師匠と会うつもりです。良ければ一緒にどうですか?」

「っつ、そうなのですね。私は特に予定がありませんの、シンガが良ければ、ムートン男爵領に行きたいわ。」


俺の師匠と会うと言った言葉にヴェラ嬢が一瞬驚きを見せるが勤めて普通に返事を返してきた。先ほどのスパイさんも流石と言ったところで、一瞬の動揺なく仕事を続けている。部屋を出て行くのを見送ってから。


「ヴェラ嬢、先ほど、師匠と会うと言いましたがあれは嘘です。メイドの中にラトゥール公爵の手の者が居たようで、嘘の情報を流しました。勝手な事をして申し訳ありません。」

「うふふふふ、大丈夫よ。中々手ごわくて、実は、困っていたの。そこで、貴方の使い魔であるレピの目を借りたのよ。こちらこそごめんなさいね。ルナリス。」


俺の謝罪を聞いてヴェラ嬢が説明する。ここ数日、ヴェラ嬢の周りでほんの少しの違和感があったらしいが、手を尽くしても分からなかった。その為、相手は同格の公爵家の手の者で本家が従える集団だと考えて見破る為に、レピの蛇の目スキルを頼ったとの事、改めて、レピの目の凄さを感じました。ルナリスお姉様は部屋を出て対応しているようです。


「お嬢様。チケットが取れました。シンガ様とお付きの2人分。お嬢様と私の分で間違いないでしょうか?」

「ええ、間違いないわ。シンガ、楽しみね。」


「あの~ヴェラ嬢。チケットと聞こえましたが、どこに行かれるのでしょう?僕達も一緒なのでしょうか?」


ん?ヴェラ嬢の言葉に俺の頭に???が浮かぶ、あれ?チケットってなに?どこ行くの?・・・いや、まて、あれは嘘って言いましたよね?ムートン男爵領には何もありませんよ。スパイはどうなったの?


「何を言っているのシンガ?貴方が先ほど私の予定を聞いて誘ってくれたのよ。楽しみだわ。・・・ええ?まさか、マルゴー公爵家の令嬢たる私、ヴェラ・ド・マルゴーに嘘なんてつかないわよね?え、そんなひどいわ、よよ、よよよよ(笑)」

「・・・もちろんです。歓迎いたします。」


よよよよって泣いてませんやん、クッソ~笑顔が可愛いな。さて、エリリ義母さんにどう説明するかな。そもそも、泊まる部屋なんてあったか?ヤバイ急に胃が痛くなって来た。ふと視線を横に向ければ、黒曜と琥珀が食事に満足して、だべってる。・・・お前ら一応メイド扱いやぞ!仕事せえや!・・・すいません、お願い、どっちか助けて。


「シンガ。コハクの支払いのお金とお詫び金は要らないわ。変わりに、ムートン男爵領で私を楽しませて欲しいの。お願い出来る?」


「・・は、はい。全力を尽くします。(泣)」


受け取ってもらった方が嬉しいな~なんて言えない。何も無いの何も無いのよ、我、ムートン男爵領は。どどどどどーすんのどーすんの!?取りあえず、エリリ義母さんにさらにヘルプの手紙を送る事を決めた。ごめんよ。



無事に?食事が終わり解散。教室に戻ろうと廊下を歩いていると前方より以前見た人?馬影が見える。はぁ~イベントは間隔開けて欲しいな。連続は疲れるよ。


「あらあら、そんな顔をされると傷付いてしまうわ、久しぶりね。シンガ・ド・ムートン卿。」

「お久しぶりです。イチジョウ・ド・エシェゾーさん。僕に何か用事ですか?」


「先日の答えと師匠の事を聞きたいけれど、今日は理事長に会って欲しいのよ。一緒に来てくれるかしら?」


理事長ね・・頷きながら内心でため息を吐く、俺の事など気にせず、黒曜と琥珀は魔法の授業に参加しに行った。馬車に乗りイチジョウさんに連れられて、中位・高位学校に向かう。おお!でかいな、貴族学校の5倍から7倍位は大きな敷地の地図を見る。あ~でも、そんなもんか?だって中位、高位学校は平民も居るから人数増えるよな。色々と考えていると学校に着き、理事長室に向かう。


「初めまして、シンガ・ド・ムートン卿。僕はアドリアン・ド・オーブリオン。一応オーブリオン公爵家嫡男になるんだ、よろしくね。」


「初めまして、シンガ・ド・ムートンです。よろしくお願いいたします。」

「さっそくだけど、シンガ卿。黒死病の事で知っている事は無いかな?ノワールが君の師匠なのだろう?教えて欲しいな。」


くたびれた白衣を来た、目の下に隈がある、薄い緑の髪に緑の瞳。理事長と言うより、科学者、研究者があってると思う風貌をしてる。ああそうか、ヴェラ嬢が王族と4大侯爵家には話すって言ってたもんな。後、ちょっと匂います。


「理事長。お風呂は入られましたか?今日はシンガ卿を連れて来ると伝えてましたよね?」

「え、入って無いよ。大丈夫だって、僕は君と違って若・・・」


【恐ろしく速い手刀、私でなければ見逃してたぜ】


俺の影の浅瀬に潜むレピのつぶやきが聞こえ、いつの間にかアドリアン理事長の横に立っていたイチジョウさんが笑顔で俺を見てる。


「ごめんなさいね。呼んでおきながら、理事長が寝てしまった見たいで。直ぐに起こすわね。理事長、お客様ですよ。起きて下さい。」


「あ、あれ?僕、寝てしまってた?ごめんね。」


イチジョウさんがゆっくりと理事長の頭に手を置くとコーンとハンマーで叩いた様な音が部屋に響きわたるとビックンと体を震わせ、アドリアン理事長が目を覚ます。・・いや、あの攻撃やばいな、脳にごっついダメージあるんとちゃうかな?怖っわ。全身が雷に打たれたみたいにビッグゥンってなってたで。


「ああ~なんだろ?頭に凄い衝撃を食らったような感じがす・・・」

「理事長、気のせいです。それより、一度シャワーを浴びてきてください。かなり臭いですよ。」

「だから、ババァ・・・あれ?また寝てた?そうだ、クソ・・あれ?・・年増・・おろ?・・声が・・遅れて・・聞こえる・・」


あかんあかん!!なにしてんねん!理事長がカックンビッグンカックンビッグンなってる。目の焦点合ってないし口からよだれ垂れてるやん。大人の男がしてええ顔ちゃうで、いやほんまに、死ぬしぬって!イチジョウさん。・・・ああ、ハイライトが家出してはる。


【シ、シンガ。止めないとあれはやばいぞ。なぜか浮かんだ例えで伝わるといいのだが、霊長類最強女子が赤ん坊にマジタックルしてる程のダメージを彼は受けている。】


レピさんそれが本当なら手遅れです。あきらめましょう、俺たちにどうも出来ません。しかし、どっから来てんその例え、なんのイメージおろしとんねん。


「・・・あら?理事長?・・もう、お客様を呼んでおきながら寝るなんて。シンガ卿本当にごめんなさいね。」

「いえいえ、最初にお会いした時からお疲れの御様子でしたので・・・では、僕はこれにて失・・」

「そんなに、慌てて戻られなくても良いではないですか?先日の答えを教えていただいても?」


一瞬で距離を詰められ、肩に手を置かれただけで身動きが取れない。ハイライトが帰宅した薄い緑の瞳が見つめている・・・んん、だめだね、レピも伺ってるが動けないみたいだしね。


「避けなかった訳ではないです。間違いなく油断してました。今なら、避ける事は出来るかもしれませんが、あの時の僕は実践経験がなさ過ぎたんです。・・・本当ですよ。」

「では、師匠のノワールは今どこにいますか?何故、貴方の師匠になったのでしょう?」

「知りませんし分かりません。領地で誰だろなって思ってみていたら、行き成り ガキ、喰いもんよこせ!・・金?んなもんねえ、しょうがねえな、ああ?身体はこう!そして、こう。ほらやってみろ!ち、なんで出来ないんだ! みたいに色々、やらされて今に至ります。」


「なかなか、大変だったのですね。でも、その技は素晴らしいと思います。今後も練り上げていってください。」


ノワールの真似をしながら古武術の型を見せる。俺の話を聞いて、少し優しく微笑んで頭を撫でてくれた。・・・一瞬、どつかれると思って身を固くしてしまったがあの理事長の惨劇を見たらそうなるて。ちなみに、理事長、アドリアン・ド・オーブリオンさんは星にならなかったがゾンビにはなった。さっきから机に突っ伏してガクガク震えながら おおお・・おおお・・おおお・・っと口から呪詛を吐いている。


栗毛のロングヘアーに薄い緑の瞳、鈴の音のような声と凛とした大人な美人さんに見送られながら馬車に乗り込む、寮に向かいながら改めて考えを認識を危機感を持たなければならない、この世界にも、逆らってはいけない存在はいる。アドリアンさんは自らを犠牲にして俺にその事を教えてくれた、感謝の言葉を胸でつぶやく。・・・・・二度と呼ばれませんように、だって、怖いもん。(泣)

アンチョビです。


12話をお届けします。


引き続き、皆様に楽しんでいただけるように頑張ります。

駄文ですが、のんびり、温かい目で見守ってください。

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