094。
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本当に巻き込むつもりなんてなかった。
呪いにこれ以上、誰も巻き込みたくなかった。
私が呪いと一緒に消えて、弟を守って、家族を救って、そうして終えるはすだった。
苦しかったこともあったし、弟を恨んだこともあった。
けれど、終わりをくれるのが弟なら、それは愛だと思った。
死神でもなく、殺人鬼でもなく、私に微笑む最愛からならそれはどこか毒々しく甘かった。
愛する人にうつる呪い。
両親から子供へ。
弟の呪いを私は愛されることで受け取った。
目隠しをした私と無邪気に笑う弟。
流れ込む呪いはやはり甘かった。
程なくして呪いを全て肩代わりした私は誰も愛さないように、離れに閉じ込められた。
一度呪いを受けた相手には呪いはうつらない。
弟が離れを初めて訪れた時、泣きそうになった。
愛していい人が私にいるなら、弟だけだった。
彼が来たとき正直、戸惑った。
けれど、同時に安堵した。
私がいなくなる時、彼が弟を支えてくれたらいいとどこか冷めた思考が告げた。
愛すつもりも愛されるつもりもなかった。
弟のためだけに彼を必要として、笑いかけた。
けれど、俺を愛せ、なんて柄にもなく彼が言った。
その時は笑ってしまった。
それから少しだけ泣いた。
どこから彼が話を知ったのかも知らなければ、本当に知っているのかさえわからなかったけれど、それでも。
きっと幸せで、一人じゃないと思えた。
それでも、巻き込みたくなかった。
燃え盛る炎の中で彼は言った。
俺を愛せばいい。
落とされた面の下の顔は捉えどころのない瞬きの間に霧散するようなもの。
けれど、彼が一撫ぜすればそれは弟の顔になって、彼は言った。
逃げよう、と。
それからずっと眠らせておくなんてひどい。
深い眠りから目覚めた私に、一瞬だけほんの一瞬だけ弟と勘違いさせて。
私の呪いを根こそぎ奪って。
あぁ、なんて偽善者。
あんなにも生きたいって顔に書いてあるのに。
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a wolf in sheep's clothing(偽善者




