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逃げ出したあの世界にはどんな未来があったのだろう。
自分の手を汚したくないだけで、白く笑う女の子から逃げ出そうとして、捻くれながらもヒーローになりたがっていた男の子を人殺しにしてして。
そうして自分を守るために忘れ去った、炎の中に消えたあの世界にはどんな明日があったんだろう。
救いなんてもしかしたらなかったかもしれない。
でも俺が逃げなければ、もしかしたら3人で笑いあえる世界があったんじゃないか。
俺が、俺さえ、逃げなければ。
「ーーーーレッド」
音も色も温度も失った世界で顔を上げる。
そこにいるのは、そこで息をしているのは確かに、俺、で、
「僕は、君だ」
鏡は優しく穏やかに手を広げて微笑んだ。
緩やかに踏み出した一歩は、次の一歩で加速して、遠くで誰かの叫び声が聞こえた気がした。
そうして、ふっと境界がなくなった。
line in the sand(境界




