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「殺すってそんなことあるわけないだろうが」
掴まれた肩のままに振り返れば、そこにいたのは緑野でまっすぐと目が合う。
「みど君にはわからないです、大切にしたかったのに大切にしきれなかった人が他人によって奪われてもみど君は相手を許せるです?」
私なら許せない、桃音はきゅっと掌を握りしめる。
その姿になぜか白夜を思った。
「俺は」
きつく握り締められて震える桃音の手を無意識に掴んでいた。
そして、ゆっくりとその手を解いていく。
「まず話を聞かなきゃ、そこからだよ」
俺は何も知らない。
どうして朝黄があの日から消えたのか、白夜のことをどこまで知っているのか、どうして再開した時何も言わなかったのか。
知らなくてはならない。
「そんな甘いこと言わないでよ、レッド」
ふいに耳朶を叩いたのは柔らかな声。
はっとして顔をあげれば目が合う。
まるで鏡を見ているようなそんな、吸い込まれるような感覚。
緑野も青葉も桃音も、誰もが微かに息を飲んで彼の名を呼べずにいた。
今まで隠されていたその瞳が穏やかに弧を描く。
「喧嘩。始めようじゃん」
窓枠から飛び降りて、朝黄はそう言って笑った。
mix in(喧嘩を始める




