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082。
ぽたりと、涙が床に落ちた。
「俺、朝黄に会ったことあったんだ……しぃと3人で一緒にいた……」
溢れ出した涙はただただ頬を伝う。
蘇る日々は温かな記憶、そしてそれゆえに壊れた時に忘却に沈めた思い出。
嘘つきと俺を責める声は白夜のものだ。どこかで俺は生きることに負い目があった。
逆の立場だったら、俺が呪われるほうだったら、俺は白夜に殺されるまで生きなければならないと思うはずだから、と心の奥で言い訳をして生きてきた。
でも、そんなのは嘘だ。
俺は本当はいろんなことがどうでもよかった。
家にいたくなかった、平凡に生きて平凡に死にたかった。
その隠れた自暴自棄が桃音に嘘つきと言われたゆえんだろう。
目の前にいる青葉に文字通り吐き出すように過去を吐露する。
聞き終えた青葉は、ぽつりと口を開く。
「朝黄と昔こんな話をした。月は何色に見えるか、なんてよくわからない話だ。朝黄は白に見えると言った。白い月には兎が住んでいて、赤い太陽を許して、黄色の星を恨んでいる、と」
青葉はそっと俺の瞳の奥を見つめた。
赤城、と俺の名を呼んで苦しげに問う。
「お前は朝黄が、彼女を殺したと思っているか」
the man in the moon(月のうさぎ




