080。
ふっと灯が消えるような、そんな曖昧でけれど確かな喪失。
しぃが双子の姉なのだと母から伝えられた時、俺は思わず笑ってしまった。
おかしくて、本当におかしくて笑ってしまった。
姉に呪いを全て押し付けて何も知らず、のうのうと日の下で生きてきた自分がおかしくてたまらなかった。
その上、同じ呪いを受けていた俺にしか姉を呪いから解放することができないと言われ、とうとう俺は膝をついた。
頭を抱え、笑って笑って息が続かなかなるまで笑って、そうして息苦しさに顔を歪めた瞬間、自分が泣いていることを知った。
呪いからの解放は死ぬことしかなかった。
そしてもし、俺以外がしぃを殺めれば家は途絶えると。
両親は俺が中学に入る前にしぃを赤の他人として殺させるつもりだったと言った。
しぃがここに閉じ込められていたのは呪いを振りまかないため、そしていつか俺に殺されるためだった。
今日は帰って、としぃに言われた。
その静かな拒絶に俺は逆らわなかった。
重くなる足取り。
俺はその時ふっと思った。
俺はしぃを殺せない。
両親は泣きながら、俺を救うためだったと言ったけれど、俺は納得なんてできなかった。
けれど、しぃの死は最悪の形で現実になる。
燃え盛る炎と、崩れていく離れ。
思わず踏み入った先で見た、お面を外した自分そっくりの顔の朝黄。
その腕に抱かれた血塗れのしぃの姿。
「大丈夫だ、これで僕はお前だ」
「あさ、き……?」
不可解な言葉はそのまま炎の中に消えて、
そうして俺は姉と友達をいっぺんになくした。
down in the mouth(意気消沈して




