069。
「逃げた……?」
「あぁ、赤城が倒れてそれに気を取られている間に窓から、な」
拍子抜けするくらいあっさりと青葉が言うものだから、肩からどっと力が抜けた。
「なんで、そんなあっさり言ってるんだよ青葉……、あれって結構な衝撃的事実だろ?」
「確かに驚きはした。ただ驚きは一過性なものだ。あれから半日経っているんだ、そんなものに継続性を求めるな」
青葉が俺の手からコップを取り上げる。
テーブルにコップをおいて、青葉はその場にあぐらをかいた。
俺もとりあえずベッドから抜け出し、その横に座る。
青葉は俺と目を合わさずに数秒の逡巡の後、問いを投げてくる。
「一応聞くが、ごく少数派の意見かもしれないが、朝黄はお前の親なのか?」
「違うよ!?」
思いもよらない問いに思わず大声で否定してしまう。
「そうか、なら兄弟か?」
「それも違うよ!? さすがに血縁関係があるなら、さすがの俺でも初めに気づくからね!?」
「そうか。なら、なんで」
続く言葉は俺も思っていることだ。
どうして朝黄の顔が俺とそっくりだったのか。
「それは俺もわからない、」
そのことを考えると頭に痛みが走る。
きっとこれが俺の秘密に関わっている。
桃音と青葉の言葉の意味にも関係するのだろう。
俺は青葉をまっすぐを見つめて、口を開く。
「青葉、知ってることを教えてくれ」
頼む、と頭を下げれば上からため息が降ってきた。
「赤城の頼みを俺が断るはずないだろう」
in ones and twos(ごく少数で




