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068。
結局、思い出せたのは断片的なことだけ。
目を覚ますと、見慣れた天井が目に入った。
「起きたか」
ベッドから体を起こし声の主を探せば、部屋の隅に片膝を抱えて座る青葉と目が合う。
見渡せば、そこは自分の部屋で、首を傾げる。
「頭はもう痛くないか」
「え、あぁ……うん」
こめかみに手を当てる。
少しだけまだ鈍痛のようなものがあるが、大したことはない。
「俺、どうして」
「あの後、倒れたんじゃえねかよ」
部屋の入り口で声がして顔を上げる。
「緑野」
「通りがかったから、しょうがねぇ。見舞いだ」
放られたものをキャッチする。
ネギだった。
二度見して見たがやっぱりネギだった。
「じゃあな、早く体直せよ」
ツッコミを入れる暇もなく緑野が去って
俺はとりあえずネギをベッドの脇に置いた。
青葉がコップに水を入れて、俺に渡してくれる。
「緑野が言った通りだ。赤城はあの後、頭を押さえて倒れた。勝手も承知だが、俺と緑野で部屋に運ばせてもらった」
「いや、ありがとう」
一口水を飲んだことで寝ぼけた脳が覚醒して、それと同時にはっとした。
「朝黄はっ!?」
ばっと目を合わせた俺に、青葉は表情を変えずに事実だけを淡々と伝えた。
「あいつは、逃げた」
in passing(通りがかりに




