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かりそめアパート。  作者: シュレディンガーの羊
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49/105

048。


「あさ君に私は恩があるです……、」


桃音はいつもの無表情に微かに曇らせた。

そして、何も言わない朝黄を早口に詰る。


「あさ君はいつも優しくてずるいです……いつも1人だけ違うところから私たちを見てる……」

「ありがとう、ピンク。褒め言葉として受け取っておくねー」

「あさ君、顔を見せてです」


一歩近づいた桃音に朝黄は静かに一歩身を引く。

桃音の髪がふわりと揺れては、朝黄は無言で距離をとった。


「ピンク」

「読めないあさ君のこと知るためには顔を見なきゃです……、私はあさ君の役に立つって決めたですから……。だってあか君は危険だから」

「ピンク、」

「それで今回の件がおわったら、顔、見せてです」


それだけ言って、桃音はくるりと踵を返す。

ふわふわと揺れる長い髪は小さな背中を覆い尽くしていて、桃音の小ささを際立たせた。

その背中は頼りなく小さくて、そして今は何かを見えないものを必死に背負っていた。


「失敗、したつもりはなかったんだけどなー」


ぽつりと一人残された朝黄は、そう小さく吐息を零した。


a pat on the back(褒め言葉

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