041。
桃音が出て行った黒雪以外に紅茶を淹れてくれて、ひと段落いれる。
紅茶には詳しくないが、いい香りだった。
「俺からひとついいか」
紅茶に口をつけずに、ロッ君を眺めていた緑野がふいに口を開く。
「黒雪は自分でバラしたからいいとして、俺たちまでバラす必要ねぇんじゃねぇか。俺たちはこのまま一つ目のシュミレーションでもありだろ?」
「確かにそうだな」
「えー、もう僕バラす気満々だったのにー」
頷く青葉と、机に伸びる朝黄に桃音が静かに言葉を挟む。
「あさ君、ヒーローは正体を隠してこそです……」
「やっぱ言うのやーっめた!」
ぱっと発言をひっくり返した朝黄の鮮やかさに苦笑いする。
ふと、隣の青葉の視線に気づいて首を傾げる。
「どうしたんだよ、青葉?」
「もし赤城が不安なんだったら俺は言ってもいい。何しろ騙していたのは俺だからな」
「そんなこと思ってないって!」
「でも、アパートの住人が四分の一人外つていうことは、いたるところに危険があるって不安にもなるか。いっそ引っ越した方がいいのかもな」
緑野が思案顔でロッ君をつつく。皆が静かになって、桃音が紅茶を飲む音だけが室内に響く。
「じゃあ、ゲームするです……」
かつり、とカップをソーサーに戻して、桃音が俺たちを見渡す。
「ゲーム?」
「あか君がみんなの秘密を手に入れるのが先か、あか君の秘密が皆に知られるのが先か……危害は加えないことと無理矢理は禁止……」
「赤城の秘密? そんなのなんで桃音が知ってるんだ」
眉をひそめた青葉に緑野がつまらなそうに説明する。
「このブスがお前のいない間に読んだだけじゃねぇか」
「なっ」
絶句した青葉に見向きもしないで、桃音はまっすぐと朝黄を捉える。
ふわりと髪の毛が揺れた。
「あさ君、この提案どうです……? 協定、一方通行じゃない欺き、公平です……」
「え、あ、うん。フェアっぽいからいいんじゃないかななんて」
桃音相手だと慌てる癖もそのままに朝黄が了承し、なし崩し的に皆が頷く。
そして、桃音が最後にあぁ、そうです、と付け足した。
「条件がなかったです……じゃあ、もしゲームに負けたらあか君は他言無用でこのアパートから出て行く、私たちが負けたらあか君の前から姿を消すが妥当ですね?」
告げられた言葉に呆然と桃音を見れば、彼女は出会ってから初めて笑った。
花のように可憐に彼女は微笑みを零した。
「さぁ、ゲームスタートです」
on all hands(いたるところに




