040。
朝黄の台詞にぽかんと口を開ける。
シュミレーション、と繰り返せば、今日も今日とてお面をつけた朝黄が振り返る。
「本当はレッドに僕らの秘密を知られずに生活することっていうシュミレーションだったんだー。完全な人間じゃない僕らが社会生活をまともにするための実習的なー?」
さらりと告げられた言葉に混乱する。
「な、んだよ、それ。だから、実験体って……?」
「違う。朝黄の発言には語弊がある。それは、あくまで俺が赤城を入居させる時の表面的な条件だ」
青葉が俺の肩を掴む。
青葉の向こうにいる緑野がその言葉に腕を組んだ。
「表面的な条件じゃねぇよ。俺たちはそれで、害のない人間か確認して同意したじゃねぇか」
「はっ。そもそも同意なんてしてないな、オレは。今すぐこいつを追い出すことを提案するね、オレは」
黒雪の冷たい視線に体が固くなる。
それをやんわりとたしなめたのはやっぱり朝黄だった。
「ブラックはレッドに見切りつけるの早すぎじゃーん? まだ会って数日のくせにー。それにただのヤキモチでしょー?」
「なっ」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。ブラックのこと皆好きだからねー」
好き、と言われた瞬間にぼんっと黒雪の顔が赤くなった。
わわわ、と慌て出したと思えば開いていた食堂の窓から飛び出して行く。
「あさ君、あざといです……」
紅茶を一口飲んで、桃音が朝黄を見やる。
少しだけ腰が引けながら、朝黄はやっぱり笑った。
give up on(見切りをつける




