039。
食堂のドアを開けると、一斉にいくつかよ瞳が俺の姿を捉えた。
「お、はよう」
すでに緊急している自分を内心で叱咤する。何気ない風に青葉の横に座った。
向かいに座っている朝黄がひらひらと手を振ってくる。
「おはよー、レッド」
「はよ、朝黄」
「随分寝てたな、てめぇは」
「赤城につっかかるな、緑野」
青葉が逆隣にいる緑野をたしなめて、ため息交じりに眉間をほぐしている。
長机の奥を見れば、紅茶を飲んでいる桃音と、眠そうにあくびをしている黒雪がいる。
昨日のことや朝のことを思い出して、少し気まずくなって俯いた。
ぱんぱん、と朝黄が手を叩いて視線を集める。
「じゃ、とりあえずレッドに話すのはみんな賛成なんじゃんねー」
そう皆を見渡した朝黄に、黒雪が鼻を鳴らす。
「はっ。冗談だろう、朝黄! 本末転倒も甚だしい。こいつは秘密を隠し通すための実験体だと記憶していたぞ、オレは」
実験体、という言葉にぎょっとする。
隣にいる青葉が机を叩いて立ち上がった。
「実験体なわけがあるか! 赤城は俺の友人で、ここの住人だ。それ以下には絶対にさせない」
「残念だな、オレは。こんな奴に絆されるだなんて、青葉が」
「うるさい、黙れ、地中深く埋れ!」
「まぁまぁ、二人とも落ち着いてー」
黒雪と青葉の間に朝黄が入る。
二人の強い瞳を向けられても、朝黄は何の気負いもなく、けらけらと笑った。
そして、言う。
「レッドには秘密を知っても交流してくれる相手ってシュミレーションにしないー?」
Get on with you!(ご冗談でしょう!




