028。
「絞首刑にでもされたいか、オレに」
ぐっと強引な腕に引き寄せられた首に、朝黄が苦しそうに呻く。
「な、黒雪!」
慌てて立ち上がれば、鋭く睨まれた。
どこか眠そうで飄々としている黒雪は俺のこととなると途端に硬質な瞳になる。
「お前に名を許した覚えはないが、オレは」
「いいから、朝黄を離せよ!」
「お前に指図されたくないな、オレは」
「ーーーーブラック」
言い合いをする俺たちに、いつもより幾分低い声が割り込む。
本当に一瞬、それが誰の声だがわからなかった。
「離してくれないかなー? 苦しいんだけどなー、この手?」
にこやかなのは言葉ばかりで、朝黄がなにやら怒っていることだけは俺にも理解できた。
黒雪はむっと眉をしかめる。
「何が不満だ、朝黄」
「え、それ聞くの? 聞いちゃうの? なに、馬鹿なの? ブラックってそんなに馬鹿なの? もちろん知ってたけどね、そこまで救いようもなく馬鹿だったの?」
マシンガンのように黒いオーラを放つ朝黄の口から容赦なく言葉が溢れ出す。
「なんだ、はっきり言え、オレに」
「うん、そろそろ限界だから言うねー」
あくまで無造作に朝黄は首に回された黒雪の腕を掴んだ。
それから、一瞬だけ真顔になるように静かになって、
「いい加減にうざい」
黒雪を背負い投げた。
dance on nothing(絞首刑になる




