018。
「桃音はどうしてそんなに朝黄に、その、なんていうか構うんだよ?」
どう言葉を選べばいいかわからず頬をかく。
桃音が無表情ながら整った顔をこちらを向ける。
「私はあさ君のおかげで思いがけず生き延びれたです……だからあさ君は私の恩人……」
「生き延びれた? 恩人?」
おうむ返しに聞き返せば、青葉が割って入ってきた。
「桃音、余計なことは言わなくていい」
「青葉、余計なことって」
乱暴な物言いに戸惑えば、一人で黙々とお菓子をつまんでいた緑野が眉根を寄せる。
「おい、それ覚悟で連れてきたんじゃなかったのかよ。信頼できる害なしっていうのが入居条件だったはずだろ」
「知らないですむなら知らない方がいいに決まってる。不必要に話すな」
朝黄を連れ戻してくる、と青葉が食堂から出て行く。
話に置いていかれた俺は、不安になる。青葉は俺に何かを隠している。
ふいに指先にピリッとした痛みが走った。
見れば、指先に赤い線ができていてぷくりと赤い玉が浮いている。
「いつのまにこんなの、」
玉が崩れて指を伝う瞬間に、桃音に指を取られた。そのまま口に咥えられる。
「え、な、なにして……っ!」
「こんなの舐めれば治るです……」
緑野ががたりと席から立ち上がり、声を低くした。
「おい、チビがいないからって手ぇ出してんじゃねぇよブス」
「あか君は私の好みじゃないからいらないです……」
ぽいと指を離される。
何が何やらわからず、目を白黒させれば、桃音がこちらをまっすぐと見た。
深い色のその瞳がまっすぐと俺をとらえる。
「だってあか君は嘘つくです……」
live on borrowed time(思いがけず生き延びる




