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かりそめアパート。  作者: シュレディンガーの羊
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16/105

015。



「青葉、いまなんて?」


聞きなれない名前に首をかしげる。

朝黄の顔色が悪気がするが気のせいだろうか。


「いや、ピンクは忙しいじゃん? 誘ったらむしろ失礼じゃんね?」

「赤城には会いたがってると思うぞ、まだ顔合わせしてないからな」

「いや、でもさブルー」


珍しく歯切れの悪い朝黄に、青葉が意地の悪い笑みを見せる。


「後で呼ばなかったことがバレたらどうなるだろうな」

「あー、うん呼ぼう。ピンクの参加決定で」


冷や汗を流しながら朝黄が無理に空元気な声を出す。

いつもと力関係の違う二人に俺だけがついていけないでいる。


「あー、じゃあ、僕もう行くねー」


ふらふらと朝黄は、時折柱にぶつかったりしながら部屋を出て行く。

明らかに様子がおかしい。

青葉に目で問えば、満面の笑みが返ってくる。


「朝黄は桃音の名前に弱い。あいつにやられっぱなしだと虫酸が走るからな。いくら不当手段と言ってもたまには仕返しくらいさせろ」

「桃音って何者なの……?」


悩みなんてない風に見える朝黄が、あそこまで動揺するのだ。

何もないと思うほうが無理がある。

青葉は俺をちらりと見てから、目をそらした。

嫌な予感しかしない。

青葉に一言だけ言った。


「会えばわかる」



on a bend(不当手段で

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