013。
テスト前ということで今日は青葉の部屋で一緒に勉強している。
「そういえば緑野に会ったらしいな」
きりのいいところまで問題を解き終えると、青葉がそう口を開いた。
「あ、うん。なんか、えっと、不思議な人だよな」
「そこは普通に変人だと言っていいぞ。それより変に絡まれたりしなかったか?」
「いや、それは平気。青葉によろしくってさ」
伝えるのがはばかられたあの発言は胸にしまっておくことにする。
今度あった時に喧嘩の火種になったら困る。
青葉はなにか納得していないようで、眉をひそめて腕組みをしている。
「赤城、あまりここの住人と仲良くするな。間違いなく悪い影響を受ける」
「いや、でも同じアパートに住んでるんだから仲良い方がいいって。それに青葉も朝黄と仲良いだろ?」
途端に青葉の眉間のシワが深くなった。言葉の選択を間違ったと慌てて話題を変えようと試みる。
「だって、ほら青葉は朝黄の素顔見たことあるんだろ? 長い付き合いみたいだし!」
「いや、それはない」
ため息をついて、青葉が首を振る。
「俺が泣き落としにかかったところで、あいつはお面をとらないさ。それに付き合いと言ってもまだ3、4年ほどだ」
「驚いた。てっきりやりとりからして幼馴染とかなのか」
俺の言葉を青葉が鼻で笑う。
「あんな奴と幼馴染だったら、オペラ座の怪人とでも言われていじめられるだろうな」
とりあえず黒く笑う青葉に、少し共感したことは朝黄には秘密にしておこうと思った。
turn on the waterworks(泣き落としにかかる




