表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かりそめアパート。  作者: シュレディンガーの羊
よろしく
PR
13/105

012



「あぁん? てめぇ、今なんつった」

「い、いえ、これは、その」


今にも掴みかかりそうな緑野に、逃げ腰になる。

でも、ここで逃げたらもう円滑なコミュニケーションが二度と取れない気がして、どうにか踏み止まった。


「す、すみませんっ! 悪気はなかったんです!」


顔を見ていられなくて、勢いよく頭を下げる。

下げてから、この態勢だと殴られそうになっても避けられないと気づくがもうそんなことは知らない。

そのまま頭を下げていれば、緑野がふん、と鼻を鳴らした。


「反省してんならしょうがねぇ。今回は許してやる」

「あ、ありがとうございます……」

「今度、ローシェルトバークスのことサボテン呼ばわりしたらぶっとばすからな。よく覚えとけ」

「…………あ、はい」


予想の斜め上を行く怒りの理由に目が遠くなる。

緑野の世界はこのサボ……いやロッ君で回っているようだ。


「お前、チビの紹介で越してきたんだったな」

「チビ?」

「あー、あいつなあいつ、あの寝起きが悪いチビ」


青葉のことだろうか。

寝起きが悪いのは初めて知った情報だけれど。


「あいつにもよろしく言っといてくれ。あいつは俺のこと避けやがるからな」


ロッ君を抱えたまま、緑野が背を向ける。


そして数歩歩いてから、思い出したようにこちらを振り返った。


「なぁ、どうせならチビに伝言頼む。そろそろ身長伸びたかって俺が言ってたってな。伸びてないなら鉄棒にぶら下がるのがいいらしいぞってな。よろしく伝えてくれ」


嫌味でなく純粋にそう言って、ひらひらと振られた手に、本日二度目の遠い目をする。

なんとなく青葉が緑野を避けている理由がわかった気がした。




get up on the wrong side of the bed(寝起きが悪い  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ