011。
なんだお前、という視線に耐えかねて一歩青年に近づく。
「どうも、新しく越してきた赤城です」
会釈をして顔を上げれば、彼は眉をひそめた。
「あぁ、お前が例の転覆しかかってた奴か? 貧窮して、あ、違うな、前の住処を追い出されたんだったか?」
「えっと、住んでたアパートが取り壊しになったんです」
「あぁ、そういやお面からそう聞いた気もすんな」
がりがりと頭をかいて青年も一歩俺に近づく。
俺の身長は175くらいだか、青年はそれより幾分か高い。
というより、これは二メートル近くあるのではないだろうか。
「俺は緑野。で、こいつはローシェルトバークス」
「ろ、ろーしぇるとば……え?」
示されたのは手にされた人の頭ほどもあるサボテンで、俺は冷や汗をかく。
なんと反応するのがいいのかわからない。
「長いからな、ロッ君でいい」
「え、あの」
「気にするな、俺もこう見えて緊張してんだ」
「そうなんすか」
まともな言葉にほっとする。
サボテンと会話して、あまつさえ名前までつけてるのだから完全に電波系な人間だと思っていたけどそうでもないらしい。
あぁ、と緑野は大きく頷く。
「ローシェルトバークスがお前と仲良くできるか心配だ。こいつこう見えてシャイだからな」
「サボテンにシャイとかあるわけねーだろ! てか、見てもわっかんねーよっ!」
あっと思った時にはもう遅い。まともだと思ったことの反動が口に出ていた。
on the beam-ends(転覆しかかった




