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かりそめアパート。  作者: シュレディンガーの羊
よろしく
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11/105

010。



最近は帰る場所が同じということで青葉と二人で帰ってきていたが、今日は委員会があるということで一人でアパートに帰ってきた。

あの後は結局、青葉が話の腰を折ったため朝黄の計画はそれ以上明かされることがなかった。

そもそもグリーンと言われても名前も特徴も知らないのだから、仲良くなりようがない。


引越しの時に蕎麦でも持って、各部屋を回るべきだったろうかと今更に思う。

そんなことを考えながらアパートの敷地に足を踏み入れる。

以前は寮だったからか、アパートの敷地内にある花壇も緑も豊かで庭と呼んでも差し支えない。

あそこで整えられている木なんて特に、なんて頭の片隅で考えてから首をかしげる。


「そういえばこれは誰が世話してるんだ?」


そういえばまだ庭はしっかりと見たことがない。

庭らしい庭は裏玄関のほうにあるから、すっかり忘れていた。

玄関に上がらず、裏手に向かう。

どうやら人がいるようで声が聞こえる。

一人分の声しか聞こえないけれど、やけに力がこもった声で長々と話している。

聞いている相手の声は一言も口を挟まないのか、聞こえない。

角を曲がれば人影が見えて、その背中に声をかける。


「あ、俺新しく越してき……」

「はぁ?」


振り返った青年は不機嫌そうに俺を睨む。

俺は笑顔を辛うじて保ったまま、早くも後悔した。

そこには青年しかおらず、しかもその青年の手にはやけに大きなサボテンが鎮座していたからだ。


おそらくきっとあれがいまの話し相手だ。



bang on about(~について長々と力を込めて話す  

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