第1章 第34話 ダンジョンコア回収
転移31日目 夜営地 朝
翌朝、夜営地の中は、どんよりとしていた。
普通なら、〖ダンジョンコア〗の回収に、向かうという事で、皆に活気がでるところだが、昨日の遺体回収の衝撃が強かった。
遺体の数は、判別出来る者だけでも、20数名、遺体の一部なのか、食いちぎられた残りなのか、判別出来ない物も有った。
全体が沈んだ空気の中、朝食が取られ、冒険者組・騎士組が準備をしていく。
冒険者・騎士組の回収班、ダンジョン内の掃討班の騎士組が、出発していく。
セイヤ達は、前衛に入って、最後は、セイヤが回収する事になっていた。
広場迄に、複数の遭遇もあったが、昨日の怒りか、怪我人も出ず、広場に到着した。
広場に着いたセイヤは、昨日塞いだ、〖ダンジョンコア〗前を崩し、セイヤ以外は、剣以外の武器は外して、背負い袋等も外した。
セイヤが、コア前にきて、後は冒険者から順番に奥に詰めていった。
セイヤは、背負い袋を開け、口の中に、ハルスが見える様にしておいた。
ターニャ・ニーマは、《隠密》の状態で肩に止まり、クラウドは、手首に巻いていた。
冒険者組が入りきると、姫様はじめ、騎士達が入っていく。
いっぱいになると、残りの騎士達が、出入口を護衛してくれていた。
「全員入りました! お願いします!」
「セイヤさん、回収お願いします!」
クレアさんからも、声がかかり、セイヤは〖ダンジョンコア〗を外すと、光が発生し
『汝に、新たな力を授ける。』
と、声?がして、光を浴びた者に、スキルが授けられる様だった。
『ノーナ、背負い袋の口を、回収フォルダに変えて。』
セイヤは、コアを背負い袋の中に回収していき、後ろから、出ていくのを待った。
セイヤは、スキルの確認は後回しにし、周りを調べていくと、壁の一部に、違和感を感じた。
『ノーナ、《地図》スキルで、ここ、どうなってる?』
『奥に、空間が有る様です。』
セイヤは、直ぐに部屋を出
「奥に、もう1つ部屋が有るみたいだ!」
「「「ナニ!!!!」」 今まで、そんな話は、聞いた事がない!」
皆、経験がなく、冒険者のリーダー・姫騎士・副官が、部屋に入ってきた。
「開け方がわかりませんが、間を、《土魔法》で、崩してみようと思います!」
「戦闘の用意が出来てからにしよう!」
皆が、武器を持ったり、背負い袋を担いだり、準備が出来て、声がかかった。
「セイヤさん、皆の戦闘準備が完了した!」
「開けます!」
セイヤが、壁を崩していくが、魔物が出来てくる事もなかった。
部屋の中は、豪華な宝箱が1つ有るだけだった。
『ノーナ、ここから、宝箱の回収は、可能か?』
『可能です。』
セイヤは、部屋には入らず、宝箱の回収をすると、突然、床が崩れ、大きな穴になった。
「「ナニがおきた!! 宝箱は?」」
「宝箱は、回収しました。 罠だった様です。 床が抜けました!」
禍々しい、瘴気の様な物が立ち上がり、セイヤの《危険察知》も反応した。
「ここは、危険です!! 早く待避を!!」
セイヤは、《土魔法》で、元の壁を作り、広場の方に待避した。
「禍々しい瘴気でした! ランクAまたは、ランクSの方達対応してもらわないと、領内の問題では、済まなくなります!」
「コアを回収したのに、まだ済まないのか!」
「一応、通路は、封鎖していきますので、撤退を!」
「撤退だ!! 入口に戻ったら、夜営地も撤収! ファイで立て直しだ!」
「セイヤさん、殿を頼みます! 出来るだけ、封鎖をお願いします!」
「はい! わかりました!」
セイヤは、全てを回収しながら、分岐迄戻った。
「ファリスさん、夜営地迄戻り、部隊の帰還状況を、ニーマに伝令してもらって。」
「はい。気を付けてください。」
『ニーマ、連絡お願いね。』
セイヤとリョカが、分岐で残ると、ピード達〖ファイの嵐〗のメンバーが、一緒に残ってくれた。
「セイヤ、どうした?」
「討伐班が、この先を帰還してるかの、確認をしています。」
「この先の帰り道の確保か! 護衛に残ろう。 チャネス、うちのパーティーは、護衛に残る!」
「チャネス姉さん、 一緒です!!」
「リョカ!! あなた、セイヤさんと一緒なの?」
「今、セイヤさんとファリスさんと一緒に、パーティー組んでます!」
「だって、あなた、まだ、15にもなってないでしょ!」
「今は、ポーターという立場ですが、15になったら、正式にパーティーメンバーです。 もっとも、3人なので、回収品等は、頭割りしますけどね。」
「そんな! 装備も、良い物もらっているのに!」
「冒険者の収入は、同じ命をかけてるから、均等割り、行商の方は、給与かな。」
「行商の方の給与だけで良いです……」
「冒険者の方も、全部の均等割りでもないけどね。」
「そうか… リョカも冒険者か……」
「そうだな! 冒険者の基本、リョカの両親に教えてもらった俺達だから、何かあったら、訪ねてこい!」
「ピードにぃ…… 」
『セイヤ、次の分岐の、左の部隊だけ、まだ帰ってないって!』
『了解!』
「次の分岐迄、撤退します。 そこまでは、部隊の帰還済んでます。」
『ニーマ、分岐で待機して、部隊の帰還を確認して』
『は~い!』
「セイヤ? その情報、何処からだ?」
「先に出た、ファリスさんからです。 ファリスさんの番の、精霊からです。」
「精霊と、話が出来るのか?」
「はい。 私にも、番がいるので。」
「精霊使いでもあるのか!」
「壁を立てていくので、撤退の指揮お願いします」
「わかった。 次の分岐迄、撤退だ!!」
セイヤは、土壁で封鎖しながら、撤退をはじめた。
『セイヤさん、部隊が通ったよ。』
「ピードさん、そのまま、撤退で!」
『ニーマ、先に戻って、ファリスさんに救護をしてもらっていて。』
『は~い。 先に帰ってるねぇ~』
「入口迄、封鎖していきます!」
セイヤは、通路を封鎖しながら、入口を目指した。
外に出て、入口を封鎖して、姫様の所に向かうと
「セイヤさん、ご苦労様、撤退の準備、お願いします。」
セイヤは、素早くテントを畳み、背負い袋に入れた。




